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技巧で無双の異世界ライフ  作者: いくらどん
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12話・洞窟

吹き荒れる吹雪、下りゆく体温、俺たちは極寒の洞窟でかすかに見える魔物に追い詰められていた。


ことは5時間前にさかのぼる。


街を出た俺たちは魔物が住むという洞窟を目指して草原を歩いていた。


「マサヤ!ちょうちょ!」


そういってちょうちょを指差すアナが愛おしい。


「ちょっと!こんなペースだったら今日中にたどり着けないわよ!」


と、俺たちをせかすのはアリアだ。


どうやらアリアはさっさとクエストを終わらせて洞窟内の石を探したいらしい。


......にしてもあいつ、アナ相手に、大人げないよな。


俺たちが歩き続けて約1時間が経った頃、ようやく問題の洞窟を見つけた。


「これが今回の洞窟ですね......中は相当深いようですが......」


ルルカさんがそういったので俺が洞窟をみてみると、奥が真っ暗で何も見えなかった。


よく深いとかわかるね。


ただ、少しひんやりとした風が洞窟内から吹いていることに気づいた。


「少し寒いわね......」


アリアが腕をさすりながらそう言うと


「任せてください。デバフミスト ホット!」


とルルカさんが俺たちに向かってデバフミストの技巧を使ってきた。


すると体がポカポカしてきた。


「私のこの技、本来は魔物を熱して倒すって言うマサヤさんの劣化版の技なんですけど、威力を最低限まで削ると防寒になるんですよ」


とルルカさんが答えた。


ルルカさん、俺より温度変化できたのか。


そんなことを思いつつ、俺たちは洞窟の中へと入っていった。


「うわ!ここ凍ってる!」


アリアの言う通り中は相当寒いようで、地面は所々凍っていて、天井にはつららができていた。


俺の温度変換で溶かしたら全て終わるのだが、洞窟内だと俺の技巧では洞窟全体の温度を上げすぎてしまうかもしれないからやめておこう。


「それにしても、なかなか奥が見えませんね......」


ルルカさんが少し光った水晶の隣で目を凝らして先を見るが、どうやら道はまだまだ続いているらしい。


少しひらけた場所に出ると、


「一回休憩しましょ!私もうヘトヘト!」


と言いアリアがドサっと荷物を置いて座り込んでしまった。


「おまえなぁ......」


と言いつつ俺も疲れてはいたので正直助かった。


「そんなこと言ってマサヤも休憩をしたかったはずよ!」


そうですけどなにか?


俺たちは休憩を終え、再び歩き出したが、魔物らしきものは一向に見つからない。


「さすがに洞窟長すぎないか?」


と、光る水晶にもたれかかり......


あれ?


この光景、なんかデジャブなんだが......


俺がむむむと唸っていると、


「ここ、さっきもきた!」


とアナが言った。


「「!!」」


俺とルルカさんは同時に同じ答えにたどり着き壁を軽く叩いて見ると、やはり、


この壁、奥にまだ続いている。


「え?なに?どうしたの2人とも?」


とアリアはまだ答えにたどり着いていないようだったが。


しかし、どう壁を破ろうか、


と俺が考えていると、


「アナ、私の靴に無機物硬化をしてください。」


とルルカさんが言った。


え、まさか壁を蹴破ったりしないよね?


「ハッ!」


そのまさかだった。


壁を破った先には一つの部屋が広がっており、その中央にはおそらく今回のターゲットであろう人型の魔物が一体いた。


「あいつを仕留めて終わりね?」


と言うアリアの声とともに俺たちが部屋の中へと入った瞬間


俺たちが破ったところ含めて壁が全て凍りつき洞窟内に吹雪が吹き荒れ始めた。


「な?!」


驚いてももう遅い、と言わんばかりに魔物がこっちに寄ってきた。


もう一体の魔物とともに。


「一匹増えてます!気をつけてください!」


とルルカさんが声を張ったが、その声に余裕はみられない。


本格的にやばいぞ?!


前回は魔物の腹の中で温度を上げることによって周りへの被害は避けられたが、今回俺がこの場でアップを使おうとすると、おそらくこの部屋にいる3人ごと温度を上げてしまうのだ。


「こっちきて!」


とアナがいつもと変わらぬ口調でそう言ったので、俺はアナを保護すべくアナのところへ向かうと、


他の2人も同じ考えだったのか俺たちは同時にアナの元へたどり着いた。


「とりあえず、アリア、アナと2人で端の方へ行っててくれ」


と俺が言うと同時にアナが自分で持ってきていたビニールシートをばさっと宙に広げ、


「硬化!」


と言った。


次の瞬間、ビニールシートは俺たちを包む一つのドームとして出来上がった。


「すごいでしょ!」


とドヤっとするアナにキュンとしながら俺は、ビニールシートのドーム内を自分ができる最大限のダウンで冷たくし、


「3人はここに残ってて」


と言い残し少し空いた隙間から外へ出た。


おそらく、3人は俺の狙いを理解したようでビニールシートから出てこなかったので俺はビニールシートの真反対へ行き、


「温度変換 アップ!」


今の自分の全力を出した。


気がつくと俺はビニールシートの上に寝かされていた。


「あ!目が覚めたのね!」


と、俺の看病をしてくれていたらしいアリアが俺が起きたのをみて嬉しそうにそう言った。


「目覚めたんですか!マサヤさん!」


「マサヤ!」


少し離れてほかの魔物から俺を守ってくれていたらしいルルカさんとアナも俺にそう言ってきた。


「もう体は大丈夫なの?」


アリアがまだ少し心配そうにそう言ったので、立ち上がって体を動かしてみたが、どこも痛いところはなかった。


「もう大丈夫みたいだ。ありがとな、それで、魔物はどうなった?」


俺は1番気になっていたことを聞くと、ルルカさんが丁寧に答えてくれた。


どうやら、俺がアップを使った地点で勝敗は決まっていたらしく、ルルカさんたちが外に出たら魔物が一体息絶えていたそうだ。


どうやら魔物は複数体いたのではなく、魔物が氷で作り出していた。と言うのが今回の結末だそうだ。


「じゃあ、俺の体も大丈夫みたいだし、帰りますか」


俺たちは魔物の死骸を袋に入れ、街までゆっくり帰って行った。

はやく土曜にならないかな。

本編ですが、今回もすごいバトルを繰り広げましたね。マサヤたちの成長が感じ取れます。

はい、それだけです。

今回はここまで読んでくださりありがとうございました!13話もよろしくお願いします!

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