10話・思い
「ここが私たちの部屋なのね!早速石を.......なんでゴミ箱に入ってるの?!」
......そーいえば腹が立っていれたな。
俺たちは海での活動を終え、宿屋の部屋に来ていた。
普段なら宿屋にも人が大勢いるらしいが、今日は俺たちだけの貸切状態のようだ。
こうゆうのはうれしい。
「まずは食事ね!わたし、ここの宿屋の評判がいいの知ってるから、たのしみだったの!」
「アナも楽しみ!」
かわいい。
俺たちは夕食を食べるべく、食事用の部屋へ向かった。
そこには伊勢海老をはじめとした海鮮料理がぐわっと広がっていた。
「すご!めっちゃ豪華じゃん!」
俺は目の前に広がる豪華料理にテンションが上がった。
「ここの宿屋は、海鮮料理美味しいと有名なのですが、ここに予約を入れておいてよかったです」
ルルカさんのファインプレーをありがたくおもい、俺たちは
「「「「いただきます!」」」」
と、ご飯を食べ始めた。
全ての料理が俺が今まで食べて来たどの料理よりもおいしく、俺たちはあっという間にご飯を食べ終えてしまった。
部屋に戻り、ひと段落ついたところで、
「では、わたし達は先にお風呂に行かせてもらいます。」
ルルカさんがそういってアナとアリアとお風呂へ向かった。
なぜこんな豪華な宿屋なのに混浴しかお風呂がないのかというと、ここのお風呂は海水を真水に戻して使っていて、今日お湯を沸かそうとしたら普段汲み上げている海水の場所が干上がっていたそうだ。
つまり俺の責任というわけだ。
謝るおかみさんを到底責めることもできず、俺たちは時間を分けてお風呂に入ることにした。
俺はアリア達があがるのを待つ間、少しだけダウンの練習をして見ることにした。
「温度変換 ダウン!」
腕が凍った。
「まったく、なんでマサヤは人がいないのにダウンの練習なんかするかなー!」
アリアがプンプンッ!と言わんばかりの表情で凍傷を癒してくれる。
「俺もできると思ったんだけど......すみません。」
「まあいいわ、今度からはわたしがいるところでしなさいよね?」
そーいってもらえると助かります。
アリアに続き、ルルカさんとアナがお風呂から上がって来たので俺がお風呂にはいった。
すっごい広かった。
俺は1人で入っているのが少し寂しくなったが、他の3人を呼ぶ分けずにもいかず、半身をお湯につけたまま目を瞑った。
......と、寝てしまっていたようだ。
俺は体を洗おうと湯船を出たところで
ガララッという音とともに入って来たアリアと目があった。
「なっ......」
アリアは絶句しているようだ。
俺もだもん。
「なんでマサヤがまだいるの?!」
「なんでアリアが入って来るだよ?!後とりあえず体を隠してくれ!」
アリアはハッとして持っていたタオルで体を隠したあと、
「マサヤの腕治すために早くお風呂上がったから、もう一回入りたかったのよ」
と言った。
どうやらこれは俺が譲るべきらしい。
そう考えた俺は、アリアにお風呂を譲るべく、外に出ようとすると、
「ちょっとまって、」
と呼び止められた。
目のやり場に困るから早く出たいのに......と俺が考えていると、
「考えてみたらわたし、マサヤが空から降って来た時、普通に裸みてるのよね。だからそこまで恥ずかしがる必要もないんじゃないかしら?」
なんて言ってきた。
ばかなのか。俺が恥ずかしいだろ。
俺が御構い無しに出ようとして、アリアをチラッと見ると
少し寂しそうな顔をした。
でられないじゃん!
そんなこんなで俺とアリアが一緒にお風呂に入るという謎の展開が出来上がってしまった。
「体流してあげるからこっちきて!」
とアリアに言われ、俺は下手に変なことを考えないようにしながらアリアの近くへ座った。
「今日は楽しかったわね!」
アリアが本当に楽しそうに言ってくる。
「そうだな、またこれるといいんだけど、そのためにはお金貯めないとね」
「お金ためてまたきましょうね!」
こいつ、普通にかわいい時あるんだけどな......
と思いつつ体を流して俺が戻ろうとすると、
「次はマサヤが洗う番でしょ?」
とアリアが言ってきた。
こいつ、恥じらいを知らないのか。
俺とアリアが体の洗いっこを終え風呂から上がると、ルルカさんがアナを寝かしつけていた。
アリアは眠そうに自分の布団に入っていき
「おやすみー」
と、アナと同時くらいで眠りについた。
俺も寝ようかとしている時に、
「マサヤさん、ちょっといいですか?」
とルルカさんが俺を呼んできた。
俺とルルカさんは今海沿いを2人きりで歩いている。
なんだこの状況。
俺がドギマギしていると、ルルカさんが少し微笑んでから
「わたし、アナのことをマサヤさんとアリアさんに言った時に変な目で見られるんじゃないかって少し怖かったんです。」
といってきた。
「怖がるも何も、アナは普通にかわいいし、迷子を保護してあげているルルカさんになんで俺たちが怖がる要素なんてありませんよ」
「そういってもらえるとありがたいです、わたし昔から人付き合いが苦手で、マサヤさんとアリアさんと会った時もどう話せばいいのかわかりませんでしたから......」
そうだったのか。
俺はなんと言葉をかけたらいいかわからず、
「で、でも、俺はルルカさんのこととてもいい人だと思いますよ?」
といった。
自分でも呆れるほどに変なセリフに対してルルカさんは、ニコッと笑って
「そういう優しいところ。わたし、好きですよ?」
といってきた。
......俺、パーティに恵まれたんだな。
そのあとはアナの毎日やアリアが荷物に石を詰めていたことなどを話しながら部屋へ戻り、俺とルルカさんも眠りについた。
次の朝、起きてご飯を食べ終えると同時にアリアが
「よし!キラキラ石探すわよ!」
「時間ねーよ、」
シュンとしたがそれはしるか。
俺たちが荷物をまとめて外に出ると、すでに馬車が待っていた。
俺たちは馬車に乗り込み、俺たちの街へと出発した。
馬車に乗って帰っていると、アナが
「たのしかったね!またこようね!」
と言った。
いちいちハートを射抜かれる。
俺は絶対にまた、この4人で旅行に行くことに決め、帰りの馬車旅を楽しんだ。
ついに10話達成しました!俺もよくここまで続けれたもんだ、
本編ですが、ヒロインたちの可愛さがあふれる回でしたね。俺もアリアたちみたいな人と会ってみたいものですよ。
11話からはまた魔物狩りの毎日へと戻りますが、これからも応援よろしくお願いします。