1-2
俺は目覚めた。しかし、ここがどこだか分からない。
お花畑と川がみえるが白い霧で覆われていて遠くまで視認することはできなかった。
「あぁ…多分これ、三途の川だ」
なんとなく直感的に思った。
「うーん、看板とか渡り方とか書いてないもんかね?」
辺りを見回しても人もいなければ何もない。
『青年よ、お主の願いを叶えてあげよう』
脳内に直接響く声がした、
と思ったら目の前に人が現れた。
「うん…?貴方は誰ですか?」
目の前に立つおじさんは白い長い髭を生やしていた。
「わしか?わしは神じゃ。あの森の木はわしの神木じゃ」
髭を弄りながら説明を始める。
「お主らに起こった出来事は一部始終見ておったぞ」
そこで俺はナナが光に消えていったことを思い出す。
「ナナは!そうだ、ナナはどうしたんだ!」
俺は神に聞いた。
「そう、慌てるでない。この空間は現実世界と時間軸がずれておる。ゆっくり落ち着きなさい」
神は優しい声でいった。
「分かった……。でもナナはどーなったんだ!」
いくら落ち着けと言われても目の前で何が起きたのかを確かめられずにはいられなかった。
「うーん、お主はそこまであやつのことが好きなのじゃな。自分の状況よりも知りたいなんて」
神は髭をいじるのをやめて水晶玉を取り出した。
神が水晶玉に両手をかざすと中に映像化が映り出した。
「これを覗くがいい。あの子が映っているぞ」
水晶玉を覗くと王らしき人と話をしている。
「ナナは無事なのか?」
俺は神に聞きつつ、水晶玉を返した。
「無事と言えば無事なんだが、どうやら異世界に飛ばされたようじゃな。」
問題がある、とでも言いたそうな顔で話を続けた。
「本来であれば異世界間で繋がることはあり得んし、してはならいないことなんじゃが……どーしてこのようなことが起きたのじゃろうか……」
神は1人でブツブツ悩んでいる。
「それで神様、俺は死んだのか?」
聞きたくは無かったが神は1人で悩み始めて俺のことを忘れてる感じだったので聞く事にした。
「そうじゃった、そうじゃった。お主は何者かに殺されたみたいじゃのぉ。この世界では無い者に。」
思い出したかのように神は言った。
「マジか…マジか……。」
マジか……。
落胆している俺の中に、沸々と湧き上がる感情があった。
誰が、俺を殺した。誰が、ナナを奪った。どうしてナナを、奪った。おれから、ニクい。
ドス黒い感情が俺を支配する。
憎い、ニクい、憎い憎い憎い!
「本題に戻って良いかの?」
神はおれの頭を小突いた。
「!?」
俺は我に返った。
「お主は死ぬ前に一つ願いごとをしたじゃろ」
神はまっすぐな目でこちらを見つめる。
「なんのことだ?」
俺は何のことだか心当たりが無い。
神に願いなんて生前色んなところでしたし、神社とかで、志望校受かりますようにとか、試合で勝てますようにとか。今叶ってもどーしようも無いものばかりだ。
「おぼえてるか?『生まれ変わってもお前の側にいたい。』と言ったことを」
ニヤニヤしながら髪は言う。
俺は恥ずかしくなり、顔が赤くなる。
「あっ、いや、言ったけど。人に言われると恥ずかしいというか、2人だったからカッコつけて言ったっていうか、その……」
俺は慌てながら言い訳をした。
「お主の相手は幸いにもこの世界ではなく別の世界じゃ、お主はここの世界での生を終えてしたまったことは変わりないが別の世界のお主はまだ始まってすらいない。つまりじゃ、わしがその子が転移した世界にお主を生まれさせてやる。」
神は真面目な顔をしている。
「つまり、生き返れるってことか?」
俺はよく分からなくて聞き返した。
「まぁ、少し違うがそんなもんじゃ。ただなぁ……今回はイレギュラーが起きていてな。先ほども申した通り異世界に転送なんてことはあり得ないのじゃ。恐らくそこの世界の神、もしくはそれと同等のものの仕業だと思うんじゃが……」
悩み始める神。
「要約してくれないか?俺にはさっぱり分からない」
ナナのもとに行けると聞いてなかなか話を進めない神にイライラし始めた。
「まぁ、そーじゃのう。この件の原因を突き止めるためにお主を送りたいんじゃが、お主が向こうの世界に正体がばれてしまうと色々とまずいんじゃ」
「何がまずいんだ?」
「異世界に干渉することがまず、神のルールに違反してること、まぁこれは先に向こうから違反してるからいいんじゃが、もし向こうの神の仕業なら計画を邪魔してるわけじゃから殺されてしまう可能性が高いのじゃ。つまり、あまりいいかけじゃないないのじゃ」
神はさらに悩む
「だったらばれなきゃいいんじゃないか?変装とかすれば」
俺はなんでる神に提案した
「それじゃ!お主がお主だとわからなきゃいいのじゃ!」
神は悩むのをやめ、杖を出した
「よし、お主を転生させるぞいいな?」
「えっちょいきなり?、もうちょい転生先についての情報とかは?」
俺は慌てだした。いくらなんでも情報が少なすぎる。
「お主の目的は一つ、何故転移が行われたかを突き止めること。それだけじゃ、あとは成るように成る。」
神は笑顔で手を上にかざした。すると俺の足下には魔法陣が現れた。
「マジかよ!神様!本当に大丈夫だろうな!不安しかねーけど!」
「大丈夫じゃ!」
この魔法陣、ナナが連れ去られた時の魔法陣と凄く似ている。
俺は覚悟を決め、思い返した。何故こうなってしまったかを、そしてやるべきことを。
2度と大切なものを奪われないために俺は転生し戦うんだ。
「お主は必ずあの子側にいる存在になる!それだけは保証するぞ!そして、最後にお土産でもやろう!何か欲しいものはあるのか!」
神は叫ぶ。
「俺は……、………が欲しい!」
「分かった!最高のものをおくるとするぞ!」
神との会話はこれが最後だった。俺は光に包まれながら意識が遠ざかる。
「上手くやれよ、青年よ…」
神はそう言って水晶玉を取り出した。




