第七幕・唯生に会う。そして…
「またマニアックなとこいったなぁ…」
武器庫の帰り、二人は唯生にあった。唯生は「よっ!」と挨拶をした直後、隼風の火極式機関銃を見て、上記のことを発した。
「お前もか…だよなぁ…」
隼風は銃に目を落とし、言った。
「でもまぁ、威力は強いからいいんじゃね?」
唯生は笑いながら言った。
「そう言うお前は?」
句蔭が唯生に聞く。
「エーとねぇ、コレ!」
そう言うと腰から、鋭いナイフを取り出す。
「わー!びっくりした!」
ナイフを見て、隼風が驚く。
「銃なんかよりも、こういうヤツの方が使いやすいんだ、俺」
「へー」
唯生の言葉に、句蔭がそう呟く。
「ところで、副属品はどうした?」
唯生が二人に聞いた。
副属品とは基本的な武器の他に所持する、武器のことだ。手榴弾や閃光玉などがこれに値する。
「まぁ、秘密かな?」
隼風が笑って言った。
何だよー、と唯生が言ったが、唯生は特に気にしている素振りが無かった。
「んじゃ!」
唯生がその場を立ち去った。
「誰かと思えば、死者に拘わる隼風君」
うるせぇ。
「何で、そんなに怒ってんだ?」
別に。
「あ、俺が言ったことに怒ってたのか?」
怒ってねぇよ。
「あ、そう。んで、何しにきたの?また」
お前を使いこなす。それだけだ。
「あははは、そりゃ、無理だ」
何でだ?
「お前には足りない」
何が?
「足りないんだよ」
だから何が!
「分かんねぇのか?」
調子乗んじゃ━━。
「じゃあ、教えてやるよ━━」
また駄目だった。
「嗚呼…畜生…」
時は丑三つ時。隼風は部屋にいた。二段ベッドで、句蔭が上で寝ていた。隼風は再び、反逆霊を使いこなそうとしていた。
「何で…何で…よりによって…足りないのが━━」
隼風は泣いていた。
「━━欲なんだよ…」
【続く】