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Astray  作者: 疾風のへたれ
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「unknown」

 知っている人はこんにちはッス、知らない人は初めましてッス。

 日本にあるとある町、そこに主人公の本当にどこにでもいそうなモブその1オーラを出している青年『小林雄介』は住んでいた。


「畜生、寝坊しちまった。」

 あわてて家を飛び出し、駆け足で近くのゲームセンターに向かう。

 そして、手に持ったタブレット端末から声が聞こえてくる。


「ご主人様、私は何回も起こしましたよ。それを『あと1時間』と言ってずっと寝ていたのはご主人様ですよ。」

 タブレット端末から話しているのは、狐の耳と尻尾つけ金色の長髪をポニーテールにし、巫女服を着た少女のアバターをしたAI『アリス』である。


「公式配信されている、試合動画での情報収集で徹夜するなら私に任せてくれたっていいじゃないですか。妻である私を少しは信用してくれてもいいじゃないですか。」

 アーケードゲームである、『Astray』は全国からランダムで試合がピックアップされ中継され、試合内容が残るのである。


「それは自分で見た方がよくわかるんだよ。後、お父さんそんなこと言うように育てた記憶はありません。」

 アリスと漫才を繰り広げながらゲームセンターへ走っていくのであった。






「リア充なんて殲滅してやる。」

 ゲームセンターに近づくと聞き覚えがある嫉妬が聞こえてきた。


「あのバカ、またかよ。」

「またですね。」

 雄介はさらに加速し声の場所へと向かう


「浩二何やってやがる。」

 つり目でツンツン頭だけど、やっぱりどこにでもいそうな青年『斉藤浩二』に跳び蹴りを喰らわせた。


「そりゃ、女二人もつれて『Astray』やるってんだからそんなリア充は消し炭にしないと・・・俺が悪かったから、ギブギブ。」

 躊躇なく浩二の首を絞め落とす。


「本当になぁ。・・・うちの連れが迷惑かけたみたいで悪かったな。」

 突然色々なことがあって、面食らっている高校生『桐生元次』達にに謝りの言葉を入ていると。


「やっぱりこの光景を見ないと集まった、って感じがしないよね。」

 糸目でいつも笑っているような感じの顔だけど、それでもどこにでもいそうな青年『村田和樹』が後ろから出てきた。


「見てたならご主人様を助けてくれてもいいじゃないですか。」

「いつもの事だから気にしない気にしない。」

「少しはこっちの身にもなれ。」

 そんな会話をしていると相手も我に返り、


「一度喧嘩を売られて、買わずに逃すのは男がすたる。」

「喧嘩売った張本人こっちでのしたけどな。」

「それに、『Astray』のプレイヤーなら『Astray』で勝負を決めようぜ。」

「『Astray』でか、プレイするためにやってきたんだから問題は無いが。」

 馬鹿やっていた空気は無くなり


「どんな思いをしても、文句は言うなよ。」

 戦場に向かう兵士のような面持ちになった。





 筐体に乗り込みICカードを挿入し、本人確認のためにパイロットネームを入力する。


「パイロットネーム『012345789』、搭乗機体は『Schlecht apfel』メインウェポンはショットガンを選択、他二機の状況は・・・OK。チーム『unknown』出撃する。」

 出撃演出で、透明化されていた大型輸送ヘリが姿を現し、そこから機体がブースターをふかしたり、パラシュートを装備したりして降下する。


「フィールドは昼の荒野。相手チームは、『マシンナーズ・ダイナソー』か、アリス、相手の大まかなスペックを味方に送ってくれ。」

「分かりました、ご主人様。」

 筐体につけられた接続ケーブルから同期しているアリスは、チャット機能を介して大まかなスペックを送る。


「このステージだと、相手と接触するのに一分は少なくともかかるな。さらに、こうして、会話しているうちにも時間は経っているからな。プランSで行くぞ。」

「「了解。」」

 雄介の機体『Schlecht apfel』がブースターをふかせ前傾姿勢で、敵に向かって直線で向かって行く。


(そろそろ30秒経つな。)

 背中に背負ったレーダードームを起動させ、電波妨害システムを起動させる。

 そして、迫ってきた荷電粒子砲を避けるが、後ろの方で機体が二つやられたような爆発が起こる。


(やっぱり撃って来たか。オーバーヒートで機動力が低下するが、俺が着くころには大分回復してるだろうしな。後は、電波妨害で効果範囲部分のレーダーやらが効かなくなっているが、電波を電波で上書きしてるようなシステムだから、俺自身はすぐに見つかるだろうな。)

 ゲームの仕様上かかるわずかなGを感じながら、相手の行動を予測し近づいて行く。


(敵の姿が見えた。)

 ティラノサウルスのような外見を持つ『ゴグマゴグ』と、トリケラトプスのような機体『ゲーティア』の姿が目視出来るまでの距離になる。

 恐竜型のこの二機は人型である『Schlecht apfel』が、10m前後であるのに対し1.5倍ほど身長が大きく体感的にはさらに大きく感じるのである。


(後一機の姿が見えないが・・・確かステルス機で空を飛んでいるはずだったな。)

 相手の銃口をよく見て、常に射線から外れるようにしながら『ゴグマゴグ』の側面に回り込みショットガンを放つ。


(ダメージはごくわずか。わかっていたが俺では簡単に突破することは無理だな。)

 腕部分からスモークグレネードを取り出し爆発させる。

 『ゴグマゴグ』は煙をかき消すようにレールガンを放つが、そこに『Schlecht apfel』の姿は無く、側面に近づいて、腰部のレールガンに向かってハンドグレネードを投げる・・・が目標に届く前に『ゲーティア』のスナイパービーム砲に打ち抜かれる。


(突進は仲間にも被害が及ぶような位置取りをしていたから来なかったが、やはり二対一と言う状況はきついな。それに、上空の奴が俺の行動を逐一把握しているようだしな。・・・だったら。)

 『ゲーティア』の方に近寄り、腕からハンドグレネードを取り出す。

 相手も警戒しエネルギーバリアを張るが、


「アリス、カメラとマイクをOFFにしろ。」

「了解です。」

 投げられたハンドグレネードから強い光と爆音が出る。

 目の前に投げられた『ゲーティア』は、カメラが一時的に使えなくなり、パイロットも爆音でひるんだ。


「電波妨害システムもOFFにしろ。」

「了解です。」

 電波妨害システムのおかげで、半ばバズーカと化していたミサイルの誘導が元に戻り、今までの鬱憤と言わんばかりに一斉射撃を仕掛ける。


「ジャマーON。カメラとマイクもだ。」

 レールガンを避け、ミサイルの制御を乗っ取り『ゴグマゴグ』と『ゲーティア』のミサイルとレールガンをつぶす。

 そして、飛び道具が無いなら腕のシザーシールドでと、近接するために前傾姿勢を取ろうとした瞬間『ゴグマゴグ』の足の構造上一番弱い部分が吹き飛び、続けて両腕の胴体との関節部分も吹き飛んだのであった。

 『ゴグマゴグ』動けなくなった傍らで、ステルスモードを解除し姿を現した『村田和樹』の機体『炎獅子』がさらに指向性爆弾をアーマー内部から取り出し、『ゴグマゴグ』のコックピットに近く、一番装甲が脆い部分に設置し、起爆させ完全に沈黙させる。

 そして、空中でステルスを起動させ待機していた翼竜型の機体『シーズ』が敵と言わんばかりに両翼ののブースターをミサイル代わりに『炎獅子』に投下するが、『Schlecht apfel』はショットガンで撃ち落とし、『なら空中に持ち上げて叩き落としたやる』と言わんように『炎獅子』に掴み掛る。

 掴まれた瞬間『炎獅子』は自爆した、いや、自爆装置は元から起動してあったのだ。そのトリガーが機体に加わる圧力で作動するように仕組まれていたのである。

 さらに言えば、アーマーの下に大量の爆発物を仕込んだ機体である。その威力は敵一機破壊するのはたやすいのである。


 仲間二機が瞬く間にやられ、ビーム砲やエネルギー弾で『Schlecht apfel』に攻撃するも、すべて先読みされ回避される。

 らちが明かないとエネルギーシールドを張って突進しようとした瞬間、顔の側面についていたエネルギーシールド発生装置が長距離ビームで破壊された。

 『炎獅子』と同じように今まで死んだふりをして、狙撃ポイントで待機していた『斉藤浩二』の機体『スカイデルタ』がはなったのである.


(どんなに頑丈でもなぁ。)

 手首付近からケーブルをだし破壊したレールガン跡につなげる。


「アリス、モーションをBモード時に移行。」

「了解です。ご主人様。」

(後一分、長い戦いになるな。)

 つなげたケーブルを介しウィルスを流し始める。完全に感染させるまで一分もの時間がかかるのだ。

 ちなみに、流しているウィルスは相手のエネルギーを暴走させ自爆させるというものである。

 そして、暴れまわる『ゲーティア』の動きに対応し時々『スカイデルタ』の狙撃で足を止め一分が経った。

 即座にケーブルを外し、『ゲーティア』から離れる。

 爆発が起き、『TEAM『unknown』WIN』という文字が出た。




「お疲れ様です。ご主人様。」

 対戦が終わり、筐体から降りる。


「思い切り初見殺しみたいな戦い方をしてる俺たちが言うのもなんだけど、戦いは(パワー)でも技術(テクニック)でもない、戦略(タクティクス)だよ。」

 雄介は対戦相手にアドバイスを送ってゲームセンターを出た。先に浩二が余計なことを言わないように黙らせてから。


「ご主人様は優しいですね。」

「あれだけの事をやっておいて優しいもくそも無いけどな。」

 黙らせられていた浩二が目を覚まし。


「あれ、リア充共は。」

「もう別れたよ。それに高校生ぐらいの奴に嫉妬するなよ。」

「最後に煽るだけ煽っとこうと思ったのに。」

「そんなんだから、嫌われるんだぞ。」

 そんな光景を和樹は笑いながら見ていた。

 機体解説や、世界観説明は近々掲載予定ッス。

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