美しき命
軽やかにリズミカルに降り注いだ雨は
土に跳ね返って天に帰って
やがて訪れた太陽の煌めきに空気は熱狂
公園にいる三本の向日葵はうなだれて
上目遣いで黄色を広げて見せたから“おはよう”って言う
風は寝坊してまだ来ないから肌に触れてくるのは
太陽に色づいた陽気なグリーンと
降り落ちてきそうな大きなブルー
ずんずんこの身に入り込んできて
体温急上昇 汗になって干からびた脳を目覚めさす
聴こえてくるのは生命の鼓動
躍動する足音
輝かしい朝のページの息吹き
違う
聴こえてくるのは気だるい騒音
惰性の足踏み
薄暗い土管の中の溜め息
今日も命を磨き続け
今日も命をすり減らし
どう使おうとご勝手に
けれどすべて美しき命
キラキラとめらめらと明々と
命の火が燃え上がり燃え盛る
それぞれの命があちらこちらで
不揃いの炎の華をひらかせる
夏の朝は美しき命がたくさん咲いている
あなたの美しき命もそこに必ず咲いている