幕間-世界の狭間で-
お久しぶりです。短いですが投稿します
俺は真っ白な世界で目覚めた。
「つ、次の世界か……?」
頭を上げると目の前には人影があった。
こうして姿を見るのは2回目になる。
「神……か」
その言葉に目の前の人影――神は首肯する。
「先ほどの世界で貴方が受けたダメージが大きいと判断しましたので、ほんの短時間ではありますが逗留することにしました」
ダメージ、というと恐らくさっきの取捨選択のことだろう。
「先にも申し上げましたが、貴方の目的は真紀さんを救うことです」
「それは分かっている。しかし――」
「それだけを優先すれば良いんです。そうすれば皆幸せでいられるんです」
「皆……?」
そうです、と神は頷く。
「並行世界自体はそれほど多くはありません。今、貴方が渡った2つの世界を除けば残りはあと3つのはずです」
もしそれが本当ならば先が見えてきたというものじゃないか。
「その3つで、真紀を救えば全て助かるんだな?」
「その通りです」
「これからまた、世界を渡ることになります。そしてその中にはもしかすると先程のように美弥さんと真紀さんのどちらかを選択するしかない世界も出てくる可能性があります」
その言葉は、俺に刺さる。
「ですが、忘れないでください。貴方が世界を渡っている目的を、それによって得られる未来を」
その声を最後に、俺はまた次の世界へと進みだした。
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――世界転生システム、起動――
「どうやら別の方がシステムを使い始めたようですね。私が作ったシステムなのに。
誤動作を起こしても知りませんよ」
いよいよ終わりが見えてきたのではないでしょうか