恐怖とは案外身近なものである。
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圧倒的歓喜ッッ
評価してくださった方もありがとうございます。
一人称は書き手の文により好き嫌いがはっきり分かれるとどこかで読みました、難しいものですね。
朝食を食べてから30分程経っただろうか、現在村の中にあるオムラさんという人の家に向かって歩いている。
ナイフの交換の話しをしたらこの人を紹介された。
村長さん家に呼ぶことも可能だと言われたが、朝食後の散歩も兼ねてオムラさん家に歩いて向かっている。
ちなみにスウェットはバーグさんの家に置いてきた、今は昨日貰った上下緑の服を着ている。
草かなにかで染めてあるのか若干色がまばらではあるが、この服装ならどこからどう見ても村人A だ。
服の素材は詳しくないので分からないが防御力なんてものは無いことだけはたしかだ。
あと、ちょっとゴワゴワしている。
プラプラと歩いていくと目的の家に着いた。
着くまでチラホラ村人の視線を感じたりもしたが気付かないフリをした、面倒くさいので。
――コンコン――
「すいませーん。」
チャイムみたいなものは見当たらなかったので、日本式でやってみた。
合ってるのだろうか。
「何だ?」
ドアが開いて出てきたのは昨日バーグさん家でキャッキャウフフしていたおっさんだった。
正直今すぐそのままムーンウォークでもして立ち去りたい。
「えっえーと、村長さんにナイフが欲しいと言ったらオムラさんという方を紹介されたのですが……」
「私がオムラだ……入れ。」
これはあれですね、入った瞬間俺のテリトリーに入ったな死ねぇぇケケケケケというやつですね。
「何をしている。」
「ハイッッ!!」
恐る恐る入ってみると中は案外普通の造りだった、必要最低限の物しか置かない質なのかどこか殺伐としている。
「どんな物が欲しい?」
「えっ?」
「ナイフだ、どんな物が良い?」
そうだ、ナイフを貰いに来たんだった。
「魔物の皮を剥ぎ取れるようなナイフが欲しいんですが……」
無言で奥の部屋へ行くとオムラさんが1本のナイフを持ってきた。
ナイフが鞘から抜かれ刀身が現れる。
綺麗だ。
単純にそう思う。
ナイフ自体は所持者らしく武骨なナイフだ、柄も特に凝ったデザインがされている訳ではなく、布みたいなものが巻かれ使い込まれている感が半端ない。
刃も肉厚なのだろう、包丁くらいしか扱ったことはないが用途が違うんだろうという事は分かる。
ナイフをボーっと眺めていると、オムラさんが刃の方を掴み柄をこちらに向けてくる。
無意識に柄を握ってしまっていた。
「何と交換する。」
「お前は何を払う。」
ハッとして手を引っ込める。
手を引っ込めたまま固まっていると、オムラさんがナイフを鞘に仕舞ってしまった。
「刃物には持つ為の資格がいる。」
「お前はこれを得るために何を棄てる。」
「ぅ……う……」
答えられなかった。
問いの意味が分からないとか何を言えば正解とかではない、答えられなかった。
まるで魂に向けて問われているような感覚だった。
手のひらは汗でびっしょり。
今まで味わったことのない感覚だ。
オムラさんが前を横切るとドアのぶに手をかけドアを開く。
どうやら帰れということのようだ、促されるまますごすごと外へ出てしまった。
背中でドアの閉まる音を聴く。
村の門から出ると少し行った所で座り込む。
「クソックソッなんだあれは!!」
今頃になって手が震えていた。
絶対あのおっさんは普通じゃない、何かは分からないがヤバいのだけは理解した。
深呼吸深呼吸、落ち着け俺。
今は村の近くとはいえ森の中だ、村から遠く離れなければ比較的安全だとバーグさんは言っていた。
ただあくまでも比較的、森の奥と比べたらってことで絶対ではない。
ふと辺りの様子を伺う。
森の中は静まり返っている。
葉の生い茂った木々により太陽の光が完全に遮られているわけではないが、所々薄暗くはある。
突如目の前の草むらからあのトカゲの魔物が出てこないとも限らない、こう考えている間にも背後から近寄ってきているかも……
「あぁぁぁウダウダ言ってもはじまらん!!」
ナイフは得られなかったが魔法は使えるんだ、いくぞ俺Go !!
とりあえず前に進む、前進前進。
っと緊急停止っ。
30m程先だろうか、何か動いた気がする。
気のせいかもしれないが何かきになる。
木の影に隠れながら慎重に近付いていく。
あと10m程か、段々動いていたモノの正体が見えてきた。
なんだありゃ……ってかあれってなにして……
――グチャグチッ――
ナイフは一振りとは言わないらしいですね、調べて知りました。
最初ナイフはすぐ貰って魔物討伐でも行こうと思ってました。
ただ書いてくうちにあぁ服着替えさせなきゃとか新しい服の描写もいるなとか考えてると話が全然進まない状態です……
書きたいものは他にもたくさんあるので皆さんポイしないで(ry
伏線は意識して幾つか張ってみてます、上手く回収できるように頑張りたいところです。
あと、この作品ではないのですがもう一本書いていまして、更新できていなかったゴブリンの話しも近いうちに投稿予定です。
そちらもよかったら暇潰し程度の気持ちで読んでみてください、ではでは。