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第二話「名を持たぬ二人の人物」
金色の髪を持つ少女は、後ろへと長く髪を垂らし
淡く金白色に輝く瞳で、静かに宙を見つめていた。
その瞳には、喜びも悲しみも映っておらず、ただ、感情という色を失ったかのような、そんな静けさがある。
白いレースのヘッドドレスがその頭を飾る。
身に纏いし乳白色のマーメイドドレス。
コーラル色のチュールが幾重にも重なり、豪奢なレース飾りの袖が、その存在をひときわ幻想的に見せる。
その身体は地に足をつけることもなく、常に柔らかに宙に浮かぶ。
……彼女は花を、あるいはーー
余光を、指先でそっと触れながら
何を思うでもなく、静かにそこに在った。
黒い髪を持つ少女は、長い髪を後ろでひとつに編み、背に流していた。
瞳は、静かに、重く閉じられている。
身に纏うは、闇に溶けてしまいそうな黒のドレスと、青白いレースのショール。
その表情は、変わらない。
……まるで感情というものを忘れ去ってしまったかのように。




