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第8話 胸キュンする時、どんな時?

 完全なファンタジーですが、アイドルグループ好きな方には、とても不快に感じられる部分があると思います。ロトンの台詞が、特にそうです。

 読まれる前に一度、読むのを考えて頂けたら嬉しいです。


 ガリヴァー旅行記のような風刺小説が大好きで、がっつり書いてみたいと常々思いながらも書く力がないので、今回も中途半端な刺々しい風刺だけ入っています。

 第8話以降それが多くなりますが、この方向性で書き終えようと思っています。


 優子、蓮華、夢叶が盛り上がっている所に、ミロンが口を挟んだ。


「まず先に教えて貰ってもいいかな?君たちは、どういった時に胸キュンするの?」


 問われて最初に答えたのは、夢叶だった。


「私は、おにぎり!手作りおにぎりを食べてる時が、一番幸せ!だから、執事さんに作って貰いたい!」


 その答えに、ショーンが、疑問をていした。


「ねえ、それって、執事が作ったおにぎりを食べれたら、いつでも胸キュンするって事?それって、胸キュンじゃなくて、単に嬉しいだけじゃない?」


「違う!おにぎりは、日本の食文化の象徴だから!美味しいおにぎりを食べると、胸が喜びに溢れて、キューンとする。ちゃんと胸キュンだよ」


 夢叶が熱く語るのを隣で聞いていた優子が、口を開いた。


「象徴って、若干、言い過ぎな気もするけど。でも、お米自体は、そうね。それに、その気持ちは分かるわ。おにぎりを食べると、不思議とテンションが上がるから。おにぎりのアイデアは、良いと思う。私は、胸キュンしないけどね」


「ほら、やっぱり、君だけだよ。皆が、胸キュンするシナリオを考えるべきじゃない?」


 ショーンに同意して、蓮華が不服そうに口を挟んだ。


「ねえ、それって、食い意地が張ったお嬢様の設定にしたいって意味?そんなん嫌なんだけど。それより、先に悪役令嬢を作ろう。私に、いい考えがあるから」


「食い意地なんか張ってないよ。いい考えって何?」


 夢叶が、頬を膨らませて聞くと、蓮華がにんまりして言った。


歩佳あゆかのお義母かあさんをモデルにしない?この前、歩佳が言ってたじゃん、『うちのお義母さん、最近アイドルグループに嵌まっちゃって。それは、別に良いんだけど、他のグループの悪口をツイッターで永遠と呟いてるの。もう止めて、最高にダサいよって注意したら、あなたに何が分かるのよ!お義母さんは、マーメイド達の為に頑張ってるの!あの子たちは、天使のように可愛いから、守ってあげなきゃいけないの!あなたと違って繊細で、世界一の美少女アイドルグループなのよって怒鳴られた。自分の母親を悪く言いたくないけど、良い年したおばさんが何言ってんの?って思った』って。それ聞いた時は、他人事だから鼻で笑っちゃったけど、今考えれば面白くない?」

 

 同じクラスの畑中はたけなか歩佳は、地味で大人しいが、絶対に人を悪く言わない子だ。そんな子が、眉を吊り上げて、自分の母親の悪口を言った。

 それは、三人に驚きと衝撃を与えたので、優子も夢叶も、一言一句覚えている。


「へえ、面白そうだね」


 ショーンが、興味を持って目を輝かせた。


「自分の子供を躊躇なく貶せて、何の接点もない子を褒め称える腐った母親は、最高だね。妖魔に憑かれてるよ。おいしそうだね」


「ショーン、悪役令嬢は、食べ物じゃないからね」


 ミロンは、舌なめずりした弟をいさめて、蓮華に向き直った。


「最低な事は理解したけど、そんな人をモデルに選んで、果たして面白いかな?そもそも悪役令嬢の条件に、当て嵌まる?」


「面白くできると思います」


 優子が、その疑問に淡々と答えた。


「歩佳は、養女なんです。子供が出来ないからっていう理由で引き取ったのは、お義父とうさんの方です。だから、性格も容姿も、全然違うんです。歩佳は、静かで控えめで優しい子だけど、あのお義母さんは、違います。見た事ありますけど、派手な装いで、けばけばしい化粧で縦ロールでした。風貌は、悪役令嬢に、ぴったり当て嵌まります。もともとが、シンデレラの継母並みに質が悪いんです。近隣の人から聞いてます。有名なんですよ。お義父さんが海外出張なのをいいことに、虐めてるそうです。性格の悪さは、今回の件で、グーンと増しました」


 話を聞きながら、ミロンは、にやにやしないよう懸命に努めた。

 胸キュンは、若い子に限らない。

 また、男を思う胸キュンでなくても良い。

 女が、女を思う胸キュンでも十分だ。

 絶対に若い子でなければいけない、そんな決まりもない。

 むしろ、妖魔に侵された既婚者かつ年増の方が都合が良かった。


「最高だよ。一石二鳥だ。赤とピンクが、両方手に入る」


 ショーンは、ミロンと違って、素直に口に出して喜んだ。

 ロトンが、ソファから起き上がって蓮華に尋ねた。


「そういうバカは多いのか?」


「結構いる。グループ名、エレメント・オーシャンは、七人グループ。ファンを、マーメイドって呼んでる変わった子たち。人数が多ければ多いほど熱狂ファンも多い。全員が十代で、私たちと同い年の子もいる。老若男女問わずファンは多い。自分の推しだけ応援してればいいのに、他のグループを貶める発言を繰り返す、可哀そうな人達」


 同情の色を見せた蓮華に、ロトンは咎めるように毒を吐いたが、それは蓮華の為だった。


「可哀そう?おまえは、馬鹿か?妖魔に食われた脳みそを持つ人間を可哀そうに思うな。いいか、同情するなよ。おまえまで食われて腐るぞ。あいつらは、常に人間を狙ってるんだよ。人を悪く思う、その心を狙ってる。汚しがいのある脳みそを探してる。取っ捕まったら、最期だ。疫病神を引き寄せて、心は、どんどん汚される。金も減っていく、貧乏神を呼び寄せるからだ」


 ミロンは、弟の険しい声音をフォローする為に、慌てて口を開いた。


「ロトンは手厳しいから、妖魔に例えてるだけだよ。僕たちが言ってる妖魔っていうのは、悪心の事だから、怖がらなくてもいい。妖魔なんて、実在しないんだから、安心して。誰だって、人を悪く言うのは、間違ってるからね。それを言いたいだけだよ」


 口元を緩めて、ふわりと微笑んだが、優しげな眼差しは胡散臭そうに見えた。

 三人は、口を噤んだが、店を出ようとは思わなかった。

 理由は分からないが、ここで帰れば、歩佳の母親が死んでしまう気がしたのだ。

 そして、それは自分たちに責任がある。

 後味の悪い思いはしたくない。

 切り出した手前、もう引き返す事はできないのだと、本能が告げている。

 三人は、目を見交わせて頷いた。


 「さあ、最高の悪役令嬢を作ろう。最後まで付き合ってくれるよね」


 微笑むショーンが、ほんの一瞬、地獄から現れた使者に思えて、三人は思わず身震いした。


 執筆に息詰まると、知恵袋を読んでいます。

 知恵袋は、立派な風刺だと思うので、逆に感嘆する時もあります。

 色んな人が色んな思いを吐き出しているので、風刺の宝庫だと思います。

 良い悪いよりも個性があるというか、毒を吐いても吐く事しか出来ないので。

 一度だけ、読んでブチ切れた時がありましたが、今思えば、大人気なかったと思います。

 読むも書くも個人の自由なので、大いに活用させて貰っています。

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