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異世界エイリアン  作者: MeはCat
〜序章〜 ようこそ、異世界へ
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トゥルーハウス

〜少し前〜


「ここが[月光薬局]か、案外目立たない所にあるんだな」


知る人ぞ知る名店という訳か。

だが、薬局は人の身体に関する物を扱うと聞く。

時には人命を助けるような薬を売るなら、もっと大通りで売る方が良いとは思うのだが。

やはり人間とは意思疎通は出来るだけで、その思惑までは分からんものだな。


そんな事を思いながら入り口の扉、そのドアノブに手を掛け中へと入る。


薬局の中は物置だと言われても違和感の無い程に散らかっていた。

棚には薬の瓶で満たされていて、一見して何がどんな薬なのか判別出来ない。

カウンター席には本が積まれていて、紙と埃が先客として存在しているのみだ。


「失礼、誰か居ますか」


そう問いかけるが誰も返事をしない。

それもそのはず、この空間には誰も居ないのだ。

もしかすると、ここの店主は留守なのだろうか。

もしそうてあれば時間を改めて――――――


「ここに居る」


「…………っ?!」


いつの間にか、俺の()()に少女が椅子に座っていた。

いや、突然現れたと言って良い。

何故なら、そもそも人も椅子もつい先程まで存在しなかったからだ。


「ううん、居たよ。ずっとね。ただ、君が見つけられなかっただけ」


少女はそう言うと、何かを見定めるかのように俺を見回す。

背丈自体は幼い子供と大差無い程に小さいが、その存在感は他の人間より遥かに大きい。


「君、不思議な身体してるね。二つの身体に二つの意識、そしてそれらがくっついているような感覚……君、名前は?」


「…………勇輝です」


バレた……!!

いや、まだバレては無いが、今の一瞬で違和感自体は持たれたのだろう。

どうする、身体をこいつに乗り換えるか?

いやいや、瞬時に見抜く実力者だぞ。

そう簡単にそれを許す訳が――――


「そう警戒しなくても良いよ。勇輝、君は私の()()が遣わした者……それで合ってるね?」


その様子から見逃されたのは確実だが、ここで図に乗って変な行動をすれば即座に始末されるだろう。

この者を相手にする時は慎重に言葉を選ぶ必要がある。


「あぁ、シェーラ主人から……ん? 弟子?」


少し待て、さっき弟子と言わなかったか?

それってつまり――――


「申し遅れたね、私の名はマイスター。魔術師をやっていてね、改めて言うがシェーラは私の弟子だよ」


魔術師……!!

シェーラがあんなに魔力に詳しかったのは、師匠が魔術師だったからか。

もしかして、この人から魔術や魔力に関しての情報を貰えるんじゃないだろうか。

千載一遇のチャンス、逃す訳にはいかんよな!!


「弟子にして下さい!!」


「いいよ」


「いいの?!」


え、結構賭けだったんだが……いいんだ。


「むしろ、私がそれを提案しようと思ってたんだ。君は特別な身体しているから、是非手元に取っておきたい」


「それは光栄な事で」


なるほど、俺の正体を探る目的って訳だ。

俺はマイスター師匠から魔術や魔力の情報を探りつつ、師匠は俺から秘密を探る。

腹の探り合いは苦手じゃない。

俺ならいけるはずだ。


「それに聞いたよ。君は路銀が無いから、稼ぐ為に私の下へ来たって」


「えぇ、少しの間たけでも働かせて貰えないかなと」


「そう。それなら、これを飲んで。それでお金あげる」


俺に差し出されたのは謎の薬だった。

瓶の中身は桃色の液体で、飲むと碌な事が無い気がする。

それに、師匠はこれを飲めばお金をあげると言っていた。


――――飲むだけで、お金?


バッ!!


俺は即座に師匠から距離を取った。

一瞬、師匠がニヤリと笑い俺を陥れる怪物のような表情をしていたからだ。

あの薬、絶対何かある。

飲んではいけないと俺の中で警鐘を鳴らしている。


「そんなそんな、飲むだけでお金貰うなんて……申し訳ないですよ」


〇〇するだけでお金が貰える〜なんて、そんな怪しい文言に素直に従う訳が無いだろ。


「いや、むしろ君に飲んで貰いたい。私は君の事をもっと知りたい」


「け、結構です」


「照れてるんだ、可愛い。でもその可愛さのお陰で、飲ませないと気が済まなくなった。〈トゥルーハウス〉」


◇◇◇◇◇


空間が歪む、この部屋が歪む、視界が歪む。

気が付くと、俺は別の空間に居た。

脳内に師匠の声が響く。


◇◇◇◇◇


――――――ここは私の家。一度この家に入ったが最後、正解の扉を開くまで出られない。

――――――もし私に捕まったら薬飲んで貰うから。


何処もかしこも扉、扉、扉――――――無数の扉から正解の扉を見つけ出し、この迷宮から脱出しなければならない。


「……上等だ、意地でも逃げてやる」


畜生……師匠め、俺で遊んでやがるな。

以前〈寄生〉を解いて逃げるは無しだ。

師匠は俺の秘密を知りたがっているからな、逃げるならこの身体で逃げるべきだろう。


「ふ〜ふん、ふ〜ふん」


不味い、師匠の声が聞こえる。

考えるより先に脚を動かせ。


「どこだ、どこが正解の扉だ……ここだ!!」


不正解


「違う……ここはどうだ!!」


不正解


「ここは!!」


不正解


「待て、待つんだ俺、一旦冷静になれ」


何かがあるはずだ。

正解の扉を引き当てる何かが。

何かしらのヒントを探し当てる。

それが、今俺のするべき事。


「ここ扉は月のマークがある……だが、どれもバラバラで一貫性が無い」


月は月でも新月から三日月、半月、満月などの月が12個も種類がある。

……いや、これがヒントなのか?

確かこの惑星の月は日によって惑星から見え方が違うと勇輝の記憶で聞いた。


つまり、これ順番に扉を開けるのが正解なのでは?


これはただの予測だろうが、今は背に腹は代えられない状況であり、不確定要素に頼らずには居られない。

俺は師匠から逃げ回りながら、新月から満月に掛けて扉を開けまくる事にした。


「よし、これで残りは満月のみ!!」


満月はあの扉だな。

予想が正しければ、これで……!!


「はい、おしまい」


「あっ」


気が付くと、師匠が俺の腕を掴んで――――なっ、空間が!!


空間が歪み、扉の無い一つの空間へと引きずり込まれた。

師匠に捕まった、それ即ち――――


「惜しかったね。私の勝ちだよ」


冷や汗が止まらない。

慟哭が止まらない。

不味い、本当に不味い。


だが、これだけは……これだけは言わせてくれ。


「許さねぇぞ、あの狸女ぁぁぁぁぁぁ!!!」


あの宿の主人、この状況に仕向けた張本人、俺はかの邪智暴虐なる狸女にいつか仕返ししてやろうと心に決めた。


見た目は少女、中身は大人、それってつまり合法ロr・・・(パトカーのサイレン音)

身長差ある師弟関係というのも良いと思うんですよね。

ちなみにマイスターは普通に異世界では強者側です。

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