表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界エイリアン  作者: MeはCat
〜第二章〜 自己と夢
38/40

再会

そこは、自然豊かな緑に覆われた森だった。

そこは、爽やかなそよ風が吹く森だった。

そこは、静けさと日差しが差し込む森だった。


「わー!!」


「森が……復活して……!!」


そこは、つい先程まで枯れ木しか存在しない森だった。


「ここは[ンガイ]と呼ばれる【魔女会】が管理している森です。普段はあの質素な森なんですけど、幻を()()させる事で自然豊かな森になります」


幻を反転させる事で周囲の姿が変化する魔術――――――隠された物を暴く時や、逆に何かを隠したい時には、かなり便利な魔術になるだろうな。


「なぁ、後で俺にもその〈反転︰イリュージョン〉を教えてくれよ」


「この魔術は追加詠唱(アッドスペル)という、まだ教えていない術式を組み込んでるので、まだ先ですかね」


「え〜ケチ」


「シェーラ、ケチ」


「………心配しなくても【魔女会】がこれから教えるはずですので、そんなにウズウズしないで下さい」


追加詠唱か………〈反転︰イリュージョン〉の”反転”の部分がそれに当たるんだろうな。

俺が今使用しているのは雷の魔術だが、魔術は()()であり、もっと汎用性を持たせられると思うんだ。

あの〈マグネットフロート〉のように磁力としての電気や、電気のエネルギーを利用した斥力の発生だとか……そっちを目標に頑張っていくか。


森の中を歩いていると、少し開けた場所に出た。

そこの場所に()()()があった。

改めて周囲を見渡せば、地面には様々な色や形の花が植えられている。

しかし、そのどれもが見知らぬ花であり、まるで未知の物に囲まれているような――――――そんな異質な感覚がする。


まるで、あの()のように。


「狸お姉さんと……妖精さんと……人形さん……?」


その中心には机と椅子があり、そこに座って一人紅茶を啜って居る少女が居た。

その()()()()少女は、こちらに気づけば、首を傾げつつ椅子から立ち上がり出迎えてくれるだろう。


「見かけない顔ですね、新入りですか?」


「うん!! そっちこそ、あの”おばさん”のお友達?」


「………聞かなかった事にします。えぇ、私も【魔女会】のメンバーですよ」


おばさん……が誰だか知らんが、シェーラも知らない人なら本当に俺と同じ新入りなんだろうな。

………いや、むしろ俺の方が後だから先輩と言うべきか?


「ごめん、自己紹介がまだだったね。私の名前は―――――」








突如、勇輝の記憶が溢れ出す。


僕が愛した者が居た。

僕が守りたいと思っていた者が居た。

僕が見つけ出すと思っていた者が居た。


その者は僕の大切な妹であり、僕が心の底から大好きな人。


その人の名前は――――――――


「私の名前は里奈って言うの!! 宜しくね!!」


ようやく、見つけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ