『一方その頃』雲水行脚
勇輝視点
僕は今、妹を探しに花の街[グロー]という場所に来ています。
この街はなんと魔物との共存に成功している街らしく、街中を歩くと普通に魔物が歩いていて最初は凄く驚きました。
魔物も人間も全て対等の生き物であり、全生物の【共栄圏】を掲げて人々は日々頑張っています。
その【共栄圏】筆頭のリーフさんに、僕の妹について探ったんですが――――――
「ごめんね~少なくとも、この街には見かけなかったわ~」
「そうですか…………」
との事で、結局手がかりらしいものはありませんでした。
流石に直ぐに見つかる訳ないかと少々落ち込みながら、次の目的地を決める事にしました。
「ここから近いのは、海の街[ポート]か夢の街[イデア]くらいかしらね~」
ここから次のルートに行くのなら、北西の海の街[ポート]か東の夢の街[イデア]が一番近いのだそう。
海の街[ポート]は離島が多く、街の周辺は「水で包まれている」と形容される程海洋面積が多いのだそう。
特産品として海鮮なんかも多く採れるらしいから、きっと本場の美味しい魚とか食べれたりするんでしょうね。
夢の街[イデア]は他の街とは一風変わった街らしいですね。
他の街は結構神獣の信仰が厚い所が多いんですけど、その街は「人の意思と欲望こそ至上」と呼ばれるくらい人間としての考え方が良しとされると聞きます。
どっちが一番妹が行きやすいか…………そう考えた時、僕は海の街[ポート]を選びました。
理由は…………ほら、海鮮って少しエイリアンっぽくないですか?
…………そんな事はない?
「海の街[ポート]に行ってみます」
でも、一度決めた事は曲げたらダメだってリィムさんの記憶でありましたし。
きっと、大丈夫…………だよね?
大丈夫なはずです。
それでも、せっかく異世界に来たんですから景色を楽しむのも一興ですよね。
[グロー]の周りも様々な植物が生い茂っていて、大自然の中にいるみたいで気分が良いです。
今は旅を精一杯楽しもう。
雲水行脚とは・・・
修行僧が全国各地を巡りながら修行すること
です(グーグル調べ)




