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異世界エイリアン  作者: MeはCat
〜第1章〜 蠢く霧
13/40

『一方その頃』魔物のような何か

今更だけど、もう少し見られやすいタイトル無いかなと考えた結果「異世界エイリアン」にする事にした。

……安直過ぎる?


ミスト視点


追記

ちょっと描写が「うーん……」ってなったので、大幅に変更しました。(6/22)

ここは[ラナ]よりも郊外、[四番城跡地]の森林地帯は不気味な程に静寂に包まれている。

嵐の前の静けさと表現してもおかしくないような、この暗い雰囲気に一筋の光が舞い降りた。


「〈降臨〉」


眩い閃光の後、悠然とブライトが出現した。


私は辺りを見渡しながら、ため息を吐きつつ苦虫を噛み潰したような顔をする。


「…………また、ここに来てしまいましたか」


ここには昔[四番城]がありました。

今は跡地と化していて、その面影は薄っすらと感じ取れる程度でしょう。


何故()()なのかと聞かれれば、単純に()()()の幹部が四体居て、その四番目の幹部がここに根城を構えていただけの事です。


私も相対しましたが、本当に陰湿な奴でしたよ。


「つい最近、魔王がこの世を去りましたが……まだまだ世界に刻まれた傷跡は多いようで困りますよ本当に」


魔王とは突如現れた脅威であり、魔物を生み出し続けたのもかの魔王だと聞きます。

勇者が魔王を討ち取ってくれたものの、どの国も疲弊しきっている事でしょう。


だからこそ、私達が生き残りの魔物を片付けて平和な世の中を作らなければならないんですよ。


「それじゃ、ちゃちゃっと魔物退治して帰りますか」


余談なんですけど、実は私はそこまで高貴な家の出身では無いんです。

ですので、正直敬語とか苦手なんですけど教皇様曰く、人々を安心させる為に人前では敬語にしろって言うんですよ。

私は教皇様に恩がありますので、一応喋る時は敬語を意識して話してはいます。


「ま、私の役目は魔物を処理する事のみですね」


今回の標的は黒い霧を放つ人型の魔物らしいですね。

黒い霧は人や魔物を凶暴化させるって話ですが、私の法術によって全て焼き払ってあげますよ。


グルル………ガッ――――――


「〈昇天光線〉」


ブライトは空中に光球を複数出現させ、その光球を光線へと変形させて飛ばす。

威嚇を飛ばしたオオカミは、攻撃する間もなく塵と化した。


あれはシャープウルフと呼ばれる魔物で、身体を細めて色んな隙間に潜り込む厄介な魔物です。

ですが、逃げられる前に仕留めれば何も問題ありません。

私の〈昇天光線〉は初速が速く雑兵を仕留めるのにはこれが一番です。

強敵を相手にしても、置き技として使えるのが良いですね。


「何か来ますね」


ドスン、ドスンと大きな足音が聞こえて来る。


近くに大型の魔物でも居るのでしょうか、それとも人型の魔物が大型の魔物だったのでしょうか。

どちらにせよ、問題ありせん。

全て処理します。


「――――――――なっ?!」


その魔物は本当に魔物と言える存在だったのだろうか。

魔物とは人々にとっても恐怖の象徴である事は間違い無い。

当然、その魔物? も恐ろしい存在だった。

――――――いや、最早()()は魔物と表現するには()()()()()


「…………魔物同士が()()している」


そう、表現せざるを得なかった。

その怪物はシャープウルフの四つ足を持ち、その怪物はドラゴンの頭を持ち、その怪物はクラーケンの触手を背中から伸ばし、その怪物はサイクロプスの両腕を生やしている。


その怪物はまさしくキメラであった。


その上、キメラの身体から黒い霧が漏れ出ており表情も正気を保っておらず木々をなぎ倒しながら、今まさにこちら側に突進を仕掛けて来ている。


Gaaaaaaaaaaaaaaaa!!!


「ちっ……〈降臨〉――――何っ?!」


ブライトは〈降臨〉で空中へと瞬間移動し突進を回避した。

しかし、それを読んでいたかのように触手が脚に絡まり、今にも引きずり回される予感がする。


「〈昇天光線〉〈光翼〉」


悪い予感を感じ取ったブライトは、即座に〈昇天光線〉によっと触手を破壊して解き、〈光翼〉で背中に臨時の翼を生やし空中制御を可能とした。


「接近は得策じゃななさそうですね。それなら……!!」


ブライトは上空に巨大な光球を生成し、その光球を()へと変形させる。


「〈神の鉄拳〉」


単純な威力そのものであれば、その辺の魔物など瞬時に消し炭に出来る程の熱量を持つ攻撃であった。


しかし――――――


Ggggggggggg………!!


「ははっ、受け止めるか……!! 私の法術を!!」


その〈神の鉄拳〉をキメラは両腕を使って受け止めていた。

その両腕はサイクロプスの腕だ。

サイクロプスとは比較的魔力に対する耐性は高いとされている魔物である。

それに加えて素の身体能力も高い。

故に、この世界ではB級と比較的上位の魔物として名を轟かせていた。


「良いでしょう、まずはその腕から切り落としてやりますよ。いつまで耐えれるか見ものですねぇ!! 〈多重連撃︰天輪丸鋸〉」


今度は多数の光球を丸鋸のように平たく円の形に形成し、それを腕の根元へと飛ばし、更に〈神の鉄拳〉の圧力を重く加える。


「ダメ押しです!! 〈多重連撃︰昇天光線〉」


例え魔力による耐性が高い魔物であろうと、硬いと呼ばれる岩であろうと、破壊出来ない物は無い。

その硬さの上から火力と手数で叩き潰す。

それが、ブライトの真骨頂である。


G………G………Ga………Gaaaaaa?!


サイクロプスの腕が落とされた。

それ即ち、〈神の鉄拳〉がキメラに直撃する。


Gaaaaaaaaaaaaaaaaa……………!!!


「ウォーミングアップにはなりましたかね。前座は前座らしく、くたばりやがれ下さい」

突然現れた魔物のキメラ、当然そんな魔物が自然発生する訳も無く……。

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