ダンジョンの主と新たな仲間
「わたしはフォイヤ・レード、呼び方はなんだっていいわ。よろしく。」
ギルドから紹介されたのは身長は私とそう変わらず赤を基調とし動きやすさを重視した鎧を身に着けた気難しそうな年若い女の子であった。無事パーティー登録をすませた後私たちは自己紹介をすることになった
「よろしくね。私はロサ、こっちはカラット一応紹介はいってると思うけどどちらも攻撃魔法を得意とする魔術師よ。」
実際のところ私はカラットの魔法について詳しいことは知らない。カラットから特に訂正も入らないので紹介相手にはには攻撃魔法が得意と紹介してほしいと頼んだのだ。
「そう。」
「そう。って何か質問とか確認事項はない感じですか?」
「ないわ。ああ、あなたのことなら一応職員から聞いたけど前のパーティーではあなた以外全滅だったそうじゃない。そんなの人と組まされるのは実力的な不安はあるわね。」
「そうですか。わかりました。」
「何がわかりましたなんですか!?」
「カラットさん急に声を大きくしてどうしたの?」
「今この女はロサちゃんのこと実力がないと侮辱したんですよ!私好きな人がバカにされてるのを黙っているわけにはいきません。」
「カラットさんあなた私のことを過大評価しすぎだよ。今のは彼女にとって現在の彼女にとっての評価を述べたものだった。だから私は侮辱と捉えてないしバカにもされてもないよ。」
「本人がいいって言ってるんだからあなたが気にするのはお門違いではなくて?」
「わかりました……私レードさんとは分かり合えません。」
「そう。」
気まずい……即席パーティーだから相性が悪い人間も出てくるのはしょうがないだろうとは思ったが自己紹介の時点でこうなるとは、どうにか空気をよくしないと……
「自己紹介も終わったことだし、そろそろ迷宮にいきますか!」
「そうね。時間ももったいないし行きましょうか。」
「あの私自己紹介してない気が……」
「え、カラットさん話したいことあるの?」
「みんなの好きなものとか共有した方がよくないですか?」
「好きなもの。」
「ええ!好きなものが共通していれば話題に事欠きませんし。まずは私からですね、私はロサちゃんが好きです。」
「公衆の面前で告白は私も恥ずかしいのでやめてくれない!?」
「はい!次は愛しのロサちゃん!」
「続けるの?私は……そうだな善人が好きかな。」
「なんだかアバウトすぎる気もしますがロサちゃんがいいならOKです!では最後にレードさんどうぞ!」
「趣味というなら人間観察がそうなるのかしら。特に他人の恋愛模様を眺めるのはとても楽しいわ。あなたたちはどうなるのかしらね、期待してるわ。」




