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ダンジョンの主がダンジョン探索者

「昨夜はお楽しみでしたね。」


「どこが!?」


思い出したらまた腹が立ってきた、お金がないからと宿に泊めたまではいいが人のいる布団に入り込んでくるし着替えの時はジロジロ眺めてくる、人の視線なんて気持ちのいいものでもないし人肌の暖かさなんてクソくらえだ


「えっと……ご不満でしたか?でしたら今夜から控えますので。」


「ご不満よ……それはおいといて今日明日くらいなら泊めててもいいけど狭いし早くほかの宿泊場所探しなさいよ。」


「ロサちゃんの寝顔はかわいいのでずっと見ていたいのですが……ロサちゃんに嫌われたくないししょうがないですね、といってもお金はどうするんです?」


「え?あなたにピッタリな仕事があるじゃない」


そう告げるとカラットは不思議そうな表情をして見せるちょっとあざといポーズをみるに本人もきづいてそうではあるが


「探索者よ。昨日の魔法の威力見る限りあなたなら楽な仕事だと思うわ。」


「探索者?字面の雰囲気でどんな仕事かは想像つきますが具体的には何を?」


「あなたが住んでる所で働いてる人間がいるでしょアレよ。」


「あーあの人たちですか。それでそれがどう収入に?ロサちゃんがいるあたりに金目のものはなかったはずですよ。」


「浅い場所でもモンスターの素材は金になるのよ。っと説明は一旦ここで中断して目的地に着いたわ。」


「大きな建物ですねーここでなにを?」


「ここは探索者ギルドここで探索者登録をするのよ。登録費用はこっちが出してあげるから稼げるようになったら返してね。」


そういって扉を開けるとギルドの中はいつものように喧噪に包まれていた。しかし私の後ろについてくるカラットを見ればその喧噪が少し収まりそれが値踏みをする目に代わっていく


「ここがギルドの中ですか。なんとういうか雰囲気がありますねザその日暮らしの人間のたまり場みたいな。」


そんな目を一切気にせず小声で私の耳に近づいてそんなことを言ってくる、あんたが好きな私もその人種であることに気付いているのだろうか?あと少し耳がこそばゆいからやめてほしい……


「へ、変なこと言ってないでさっさと登録済ませるわよ!」


「?なんでちょっと声が上ずってるんです?」


「受付嬢さんこの子の探索者登録お願いします!」


「あ、はいその後ろの方の登録でよろしいですね?探索者の仕事内容について説明は必要ですか?」


「はい一応ロサちゃんの仕事は何度か見たことがあるのでなんとなくは把握してますが詳しくは……」


「では説明させていただきますね。冒険者……この町では探索者ですが主に迷宮のモンスターを討伐していただきその素材をこちらで買い取らせていただきます。また層が下に行くとマジックアイテムを入手する場合があるのでそちらは我々主催の競売に出品させていただき落札値の9割をあなたに返金させていただきます。あと受ける人は少ないですがクエストボードにあるクエストを受注してもらい達成した場合はそこに書かれてある金額を支払うことになってます。何か質問はございますか?」


「説明ありがとうございます。とりあえずは飲み込めたのでわからなくなったら先輩のロサちゃんに聞いてみますね。」


「承知しました。ではこれにて探索者登録は終わりです。それと誰かとパーティーを組む予定はありますか?」


そう言われてカラットの名前が書かれたカードを受け取ると彼女は物珍しそうに眺めながら大事にしまって私と向かいあう


「不束者ですがこれからパーティー、よろしくお願いしますね。ロサちゃん!」

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