ダンジョンの主とこれからについて
「これからですか?私はロサちゃんに振られたので新たに死ぬ方法を探そうとダンジョンの奥底にいきますけど。」
「行かなくていいよ。あなたの望みは私が叶えるから。」
「え?それって。」
「ええ、あなたは私が殺してあげる。なんか言葉に起こすと物騒なこと言ってんな私……」
「っつ……ありがとうございます!」
「気にしないで、振った相手がその心の穴を埋めるためにダンジョンの奥底で自殺しましたーでは寝覚めが悪いだけだから。」
これは本当のことだ、それに死に場所を見失うなんて不幸を見過ごせるわけない
「私があなたにどんな感情を持つべきなのかはわからないけどまずは友情……お友達から始めない?」
「はい!よろしくお願いします!ロサちゃん!」
こうして私と自称ダンジョンの主カラットの奇妙な友人関係が生まれた
「さて、話もまとまったことだし私は帰るけどカラットさんあなたはどうするの?ダンジョンの主ってことはこの中に住まいが?」
「住まいといいますか寝床みたいなものはありますけど、せっかくロサちゃんと友達になれたことですし私も都会デビューしますよ!だから連れていってください!」
「わかった。乗り掛かった舟だし連れていくよ。ぶっちゃけるとここから脱出するにもモンスターを倒す必要はありそうだしカラットさんの助けが欲しいとは思ってたんだ。」
「ロサちゃんとの初めての共同作業ですね!」
「作業というにはハードだけどね、浅い層とはいえここから出口まで距離はあるしその分戦闘も多そうだけど。」
「いえツッコミが欲しかったのですが……」
「突っ込み?前衛のこと?」
「いえ、何でもありません……」
何故か落ち込んだ様子になったカラットだったがそれとは裏腹に迷宮脱出はサクサクと進んだ
「んー外の空気はおいしいですねー」
「そう?空気においしいとかあるものなの?」
「ありますよ!迷宮の中って風があまり吹かないので空気の対流があまり起こらないんですよ。」
「それでカラットさん今日はどこに泊まるつもりなの行く当てがないなら安くていい宿くらいなら紹介するけど。」
「私この世界のお金もってないですよ。なのでロサちゃんお願いします生活が安定するまで泊めてください!」
殺すお願い安請け合いだったかなぁ……