ダンジョンの主と友人との朝
なんかさぁ!ロサちゃんメインがなんか暗くてさぁ!百合がしたかった。
「あ、レードちゃん起きました?そろそろ動いてもらってもいいですかね?」
「え、ああ。うんちょっと待って……」
「って寝ないで起きてください!朝ですよー!」
ゆさゆさ揺らされて目を覚まさせられる。まだ寝たいのに……
「というかそろそろ起きてください!私身動きとれないんですけど!」
「ああ、ごめんごめん」
カラットを布団の代わりにするとか昨日私ほんとに何やったんだろうか……
よっこいせと彼女の上から体をどける。所々服がはだけてしまいなんだかいやらしい。というより。
「うわーお腹すべすべ」
「ひゃん。やめてくださいくすぐったいですよ。あははっ!」
「ねーカラットはどうやってこのスタイル維持してるの?やっぱ呪いのせい?」
「まあそうなりますね多分食べて寝てを繰り返しても太らないんじゃないですか?やったことないのでわかりませんけど。お腹ならレードちゃんのもいいと思いますよっと!」
ペロンと服が捲られる。私のお腹がカラットの前に差し出された。そして流れるようにお腹を撫でまわしてくる。手がちょっと冷たくてくすぐったい。
「ほら、レードちゃんの腹筋だってこんなにカチカチで素晴らしいじゃないですか!私だってもうちょっと筋肉つけたいとは思ってるですけど呪いのせいでこれ以上成長の余地ないんですよ!」
「待ってこっちもくすぐったいからやめてってあははは!」
互いにくすぐりあって笑いあった。というかそろそろ仕事に行かなければならない。
「あー笑った。カラットそろそろ今日の仕事に行こ?」
「そうですね。ロサちゃんも待ってるだろうし行きますか」
二人でベッドを降りたことろでぐーとお腹が鳴る。家をでるより先に朝食を食べなければ。
「えっとカラットは朝ごはん何食べてる?」
「朝食ですか。基本前日に買ったものを食べるか、ギルドに向かう途中で屋台のものを買う感じですかね。レードちゃんはどんな感じなんです?」
「私は朝から知らない人と話すのは無理だから基本前日に食べるもの買う感じかなーそれが無理な日は頑張って朝食を買いに行く感じ」
「それでなんでそんな話を?」
「今日がさ、前日に買うのを忘れたケースなんだよねどっか食べに行こっか」
普段朝食を置いてある場所には何もない。昨日の記憶もないため覚えてないが……まあ酔ってそのまま家にまっすぐ帰ったのだろう。
ということでギルドに向かう途中で朝食を買うことになった。
「何か食べられないものとかある?」
「毒でも食べられると思いますが……」
「ごめん聞き方が悪かった。好きなものって何?」
「それならお米を使った料理とかですねーおにぎりとか」
「ああ、あれ。おいしいけど、この辺にはあのお店ないのよね」
というかこの町でおにぎりといったらカラットが常連になってる店しかないと思う。まあ普段より若干ギルドに向かうのは遅れてそうだし少しくらい遅れても誤差かもしれない。
「よし。ならおにぎり屋さん?だっけちゃんとした店の名前知らないけどそこ行こっか」
「じゃあ私がレードちゃんの舌に合うようなものおすすめしますね!」
「助かる。あれあまり食べたことないから自分の好みとかわからないし」
「まかせてください!」
そうしてカラットの案内のもと例の店についた。
「店主さーん朝ごはん用のおにぎりと昼御飯用のおにぎり二人前くださーい」
「おお、カラットか。二人分ってことはロサの嬢ちゃんの分ってことでいいのか?」
「いえいえ今日はレードちゃんを連れてきたんですよ!店主さんは何味おすすめしたいとかあります?」
「レード……ああ赤い方の女の子か二人きりとは珍しいな」
「昨日はレードちゃんのところに泊まってたのでお礼もかねて私がおごろうと思いまして……」
「そっかそっか。俺のオススメかぁ……これはどうだ?鶏肉のミンチを焼いたやつと似たような感じにした焼いた卵を米に混ぜ込んだやつなんだが……」
「あー絶対美味しいやつじゃないですか。それで!」
「毎度あり!」
二人は常連なだけあり慣れた雰囲気でのやり取りで注文を済ませる。まあ材料を聞く感じとんでもないものが出されることはないだろう。元々用意されていたであろう桶から店主が握る。この料理店主は手袋をつけ衛生面は保ってはいるが普通に他人の手を経由してるし苦手な人は苦手なんじゃないかと思う。というか流行ってない理由ってなんとなくそれが原因なんじゃないかと思う。
店主から出されたのはカラットが普段注文しているらしい味のものと店主がおすすめしたやつ。
一口ほおばってみる。しょっぱい味付けがされた鶏肉は米に非常に相性がいいらしい。それに時折混じってる卵の優しい味が舌の小休止になっていて手のひらぐらいの大きさのものでもペロリと食べることが出来た。
「店主さん!見てくださいレードちゃんがあんなに美味しそうに食べてますよ!」
「な?俺のおすすめは最高だったろ」
「そうですね。ありがとうございます。じゃあロサちゃん用に一つ同じのを追加でお願いします!」
「毎度あり!」
結局ロサの分も買っていくことにしたらしい。そうして私たちはロサが待っているであろうギルドに向かうことになった。