知らない部屋で目覚める朝
日差しがまぶしい……
昨日はどうしたんだっけ……
お酒を飲んだところまでは覚えてる、頭痛いしまたやっちゃたなこれ
あれ、うちの部屋に日差しが入ってるってことは……
「寝過ごした!?カラットさんなんで起こしてくれなかったの!?」
周囲を確認しても彼女の姿は見えない、どころか私の部屋でもない
「どこ、ここ」
見覚えのない部屋だ、しかし私と一緒に飲んでた人を思い出す
「ここレードさんの部屋なの?」
声は私以外いない部屋に響くばかりで何も返ってこない
とりあえず身支度をしないと思いベッドから起き上がる、そこで気づいたが服が私の持ち物のどれでもないスカートとシャツが一体型になってる服でヒラヒラが襟、袖、スカートの裾につけられており貴族のお嬢様が寝るときに着そうな服だなといったのが感想だ。私はこんな動きやすさを度外視した服は絶対買わないだろうな
「彼女の服が私にピッタリだ」
服を脱ごうとして気づく、カラットは私より拳一つ分身長が高いはずだならばこの服は今の彼女には着れないものであるはずなのにこの服は新品同様にしわ一つない
背中に冷や汗が流れてくる
逃げないと、そう考え行動しようとするとガチャっと扉が開かれた
「おはようございます!ロサさんよく寝れましたか?」
「受付嬢さん!?」
現れたのは活動報告の際によく話す受付嬢さんだったことで警戒心をが薄らいだ
「そうです。受付嬢のペルラです」
何度か話したことはあるがこの人そんな名前だったのか……
「それはそうとどうして私があなたの部屋に?」
「えっと、昨日ロサさんがギルドの隣の酒場で酔っぱらって眠っちゃったのは覚えてますか?」
「ええ、まあ、はい」
「あなたをお持ち帰りにするとお連れの探索者様がおっしゃっていたので、あなたの身の安全のために私が介入して引き取る形で話をつけました」
カラットのことだろうか?それなら別に問題なかったのだが
「それよりロサさん。最近クエストの方に参加されていないのですが事情を聞いても?」
「最近私がパーティーを組みなおしたのって知ってます?」
「新人の子二人ですよね?」
「その子たちの稼ぎの面倒をみなければならないので……報酬が頭打ちになりやすいクエストの参加より実力で報酬が多くなる探索者の方を優先すべきと考えちゃって……」
「まあ、探索者を目指してギルドに来るのが普通ですしその子たちも目的はそうでしょうね」
実際に二人が探索者になった理由は違うのだが訂正するほどでもないし問題ないか
「あと、最後に一つ質問いいいですか?」
「えっと他に何かありましたか?」
「ロサさんが金髪の女から言い寄られてるって噂を聞いたのですが困ってたりします?困っているのでしたら一か月はこの家で暮らして身を隠してくださっても構いませんからね」
「えっと多分その言い寄ってくる?というのは多分うちのカラットさんですね。なので困ってもいませんし大丈夫ですよ」
「そ、それは告白されたら受け入れるって意味ですか?」
「え?告白はもうされてますし、受け入れてますよ」
「そうなんですね。なんか変なこと聞いちゃいましたね。あっご飯作ってるんですよ食べます?」
「ありがとうございますいただきますそれ食べたら仕事に行きますね。迷惑をかけます……」
帰宅途中に思い返す
ご飯はとても美味しかった、私が好んで食べるものが多かったのがとてもありがたかった。どこか元気がない様子だったけど受付嬢は大変なのだろうか……
それと告白というのは何のことだろうか?カラットが人間ではないという告白ならもうされてるし受け入れてる。そんなことより早く家に帰って支度を済ませなければ。




