ダンジョンの主と出会いの場所
仕切りなおして迷宮探索にやってきた第6階層、私としては苦い経験のある場所だ
この階層で出るモンスターは狼や犬のような形をしている。主な攻撃手段は噛みつきと前足による引き裂こうとする攻撃だ。それらを踏まえても一匹一匹の対処はそう難しいものではい、一番厄介な点は群れることだ。
「群れる?これより前の階層でも群れて行動するモンスターはいましたよね第3階層のネズミとか。」
「まあそうなんだけどね、モンスターってのはどういうわけか外の見た目が近い動物と行動が似通ってるのよね。だからネズミみたいに集団で行動する生物に見た目が近いモンスターはネズミのように集団で行動する。」
「?今の説明だとわたしの言い分が正しい気がすると思うのですが。」
「ネズミは集団生活をすることはあっても食料を手に入れるときに一緒に行動することは稀でしょ。でも狼が食料を手に入れるときは?」
「あー群れて狩りを行いますね。」
「私が言いたいのはそういうこと。連携というのはただ複数が襲い掛かってくるのではなくそれぞれが己の役割を意識して一丸になることなのよね……」
「なんというか実感こもってますね。」
「経験談よ。カラットさん忘れてない?私がこの階層で死にかけたのを。」
私はレードにカラットの事情を聴かれないために少し彼女に近づいて小声で話す
「ああ、わたし達が出会ったのはこの階層でしたか。正直浅い階層ってぐらいしか覚えてないんですよね。」
「そんなものなのね……私としては死にかけた上に目の前爆発してからの登場で衝撃が強かったから一生の記憶に残ると思う。」
「大好きなロサちゃんの一生の記憶に残るとかかなり嬉しいです!」
最近よくやるやり取りをすませたのを見計らってたのかレードが口を開く
「ロサはこの階層で死にかけたの?」
「そうですね、前のパーティーは私含め五人でここに来ましたがレードさんも知っての通り私以外は死んだみたいです。」
その言葉を聞いたレードの顔から血の気が引いている。実際二人の実力を加味すればこの階層は十分攻略できる勝算はあるのだが……うぬぼれだろうが私の実力不足で私が死ぬのが怖いのだろうか?
「ねえ。ここの階層はまた別の時にしない?」
「安心してください、私たち三人であれば大丈夫ですよ。」
「ロサちゃん……なんというか死亡フラグにしか聞こえないんですが。」
「死亡って、私の見立てではこの階層での二人の実力は十分ですよ?」
「ロサみたいな探索者に大丈夫って言われるのはありがたいけど、私にそんな実力はないよ……」
そう話し合いをしていると少し遠くから獣の唸り声が聞こえてきた




