ダンジョンの主の仲間の事情
カラットが私の好きなところを言ってくれた次の日私たちパーティーは探索者ギルドにて今日の予定を決めていた
「カラットさん退屈が嫌なら迷宮以外の場所のクエストに行ってみない?」
クエストという言葉にカラットが不思議そうな表情を見せる、一方レードは少し驚いたような反応を見せた
「クエストですか、ロサちゃん的には稼げないからやる人は少ないって話じゃないでしたっけ?」
「うん、迷宮探索は実力さえあればどんどん下に行けて稼ぐことができる。実際あの時はカラットさん的にもお金が必要だったしするする下に行けると思ってたから私も勧めたんだけどね。今のレベルの収入ならクエストに行った方が報酬によってはよかったりするものなのよ。やる人が少ないのだって報酬がアテになるぐらいの浅い層で稼ぐ人間ってのはすぐに己の実力不足を感じて一攫千金の夢をあきらめる人が多いからだし、それ以外は懐に余裕のある人間が善意で動くだけだから。」
そうして複数のパーティー合同の街道巡回のクエストの紙を二人に見せる
「私としては、あまり報酬について気にしてないので問題ないですね。レードちゃん的にはクエスト行きはどう思います?」
「私はいや。」
いつも通り短いセリフだったが、彼女の口から出たのはきっぱりとした否定の言葉だった
「理由とか聞いてもいい?」
そういって私はレードの正面に立つ、そこで初めて気づいた、私とそう身長が変わらないレードの目を初めて見たことに。彼女の目は1週間ともに過ごした相手を見るにしてはには少しおびえた目をしていた。
「人と話すのが苦手だから。二人とモンスターを討伐するならともかく。会話の必要性があるのはいや。」
「そういえばそうでしたねー。ロサちゃんやっぱりクエスト行くのはやめにしませんか?」
「そういえばって……カラットさん知ってたの?レードさんがクエスト行きたくない理由。」
「ロサちゃんはあの時寝てたから覚えてないんですね?ほら初めての打ち上げの時です。あの時うち明けてくれて、レードちゃんが探索者になった理由が極度の人見知りだからなるべく人と話さないためだとか。ついでに前衛職になったのは長文詠唱は緊張で噛んでしまうかららしいです。」
「そうなのね。でも今までのパーティーではどうしてたんですか?」
「私。このパーティーが初めてだけど。」
つまりこのパーティーは初心者二人抱えた三人パーティーだったわけか。よく1週間も私の命がもっていたな……いや二人の戦闘に関する才能がずば抜けていただけだろう
「わかりました、ではクエストは行かないということで。」
苦手なことに挑戦させる必要はない、私たちとは普通に接していられるのだ、問題ないだろう。気持ちを切り替えて迷宮探索に集中しよう。