命の恩人が自称ダンジョンの主
初投稿です
都市ナオーザ
人口が数万にもおよぶこの都市の主な産業は迷宮探索である。迷宮からとれるマジックアイテムの数々は国も無視できないほど金銭的利益があり、そこでしか発生しない魔物からとれる素材も大きな価値がある。
そんな迷宮探索を行い一攫千金を狙おうとする者たちが探索者または冒険者と呼ばれる。上位の探索者には残りの余生を遊んで暮らせるほどに稼いだものもいるとか。
そんな夢のある迷宮探索であるが、当然甘い話だけではない。私のような下位の探索者は今後ろから迫ってくるような魔物によって殺されることもザラにある。
さてどうしよう
手持ちの道具は尽き、一緒に探索していた仲間も私の方にくる魔物の数からして逃げきれていないだろう。
「来世は平和な世界で好きな男でも作って円満に死にたい!!!」
ただではやられん、そう思い後ろから迫りくる狼のような魔物に振り向きながら杖をもって私は飛びかかる
その瞬間目の前が爆ぜた
大きな音と衝撃でバランスを崩したゴロゴロと無様に転がる
「大丈夫です?立てますか?」と誰だか知らない女性の声とともに手を差し伸べられる
起き上がるとそこには金色の長い髪を後ろで一つにまとめ妖しげな紫色の瞳でこちらを心配する女の子の顔があった。
「どこの誰かは知らないけどありがとう。助かったよありがとう私は……」
「ああ、名乗らなくても結構ですよ。」
「いや、命の恩人にそんな無礼はしないよ。」
「いえ、ロサさんですよね?私はあなたの名前は知ってますので。」
「そ、そうなんだ私も名が売れ始めたってことでいいのかな。あはは」
「いいえ?私があなたことが個人的に好きなので覚えていただけなんですよ」
「そ、そうなんだ。えっとじゃあ、あなたの名前は?」
「そうですね申し遅れました。私はカラット=コル=ダイアモンドあなたたち探索者が毎日死体をさらす
このダンジョンの主を務めております。」
何を言ってるだろうこの子