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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

君しらぬ想い

作者: 雨月 宙

 私の心は灰色掛かって、見るものも色褪せてしまいそうだった。

 現実から逃げる様に仮想の世界へ辿り着いて、ただアイドルを好きみたいな感覚で、一人の女性を追い掛けた。何故、その人なのか、といえば、


 努力家


 で


 可愛らしくて


 キラキラした夢があって


 そのキラキラした夢が私の曇りを晴らした

 のかもしれない。


 画面越しで手の届かない彼女は、永遠に届かない存在でもあった。近いといえば近いけど、触れ合うことはできない。

 それでも、それだからよかったのか。


 突然、その人が私に振り向いた時は嬉しい気持ちが溢れて涙となって流れた。

 彼女が差し出した手を握った。


 でも、本当の彼女の側に寄ることはできない日々が続いた。

 無論、今でもそうだけど。


 彼女の謎々の様なメッセージを答えもなく読み解いて、合ってのか、間違っているのか、分からないまま、

彼女にプロポーズした。


 アイドルを好きという様な気持ち


 から


 それは


 淡い恋心に変化しつつあって、学生時の青春の様に。


 恋に酔いしれていたのかもしれない。


 その選択が間違ってたとは今も思ってはないけど、彼女は本当はどう思ったのか、直接声で聞きたかったなと思う。


 彼女が引き金だったのか


 分からない

 分からない

 分からない


 色んな分からないが同時に起こって、私は、


 何が正解か


 いつしか分からなくなった。


 彼女の気持ちさえ、分からなくて、


 一人、道化になった様な気がして、


 彼女の手を離した。


 全ては私の創り出した妄想で現実ではないと、突き放した。


 そこで、彼女から離れて、彼女の気持ちを無かったことにすれば、今のこんな苦しい気持ちにはならなかったと思う。


 結局、分からなくても、


 彼女への執着は恋愛という気持ちで、


 時を重ねれば、重ねるほど


 溢れてしまうばかり。


 苦しくて、遠ざけたいと思っても、彼女を遠ざけることができないほど、膨れ上がってしまった。


 甘い紅茶を飲んでいたはずが

 苦々しいコーヒーを飲んでいる

 それでもほんのり入った砂糖が

 中毒性があってやめられない

 苦くて飲み干すのが苦しくて

 泣きたい


 何でもないという顔で、仮面を被って、馬鹿笑いして、私は平気、を装う。


 ただただ、

 君の本当の気持ちを知りたくて、

 君の言葉と君の歌を繰り返し、見て、聴いて、

 分からないながらも答えを探してる。


 夫婦の日に彼女の手を離したのを

 もう一度握りたくて、


 手に触れて欲しくて

 終わってしまったなら、修復したくて、

 だから


 触れてと贈った。


 彼女への想いは

 昔よりずっとずっと大きい。

 色んな話をして、手を繋いで、デートしたい。

 側にいたい。


 ただ、それだけなんだよ。

 

 それは叶わない?


 彼女は軽く飛び越えられても、

 私はただこの街で待っているしかできない。

 

 君はどこ?どこにいるの?


 会いたい。


 

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