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堕落男と喧嘩少女  作者: 開拓者A
7/8

委員長


喧嘩少女、いな教室の中では可憐美少女の声掛けを皮切りにクラスメイトたちは席へと戻っていく。


クラスメイトたちの視線が消え、ほっと安堵する。



何故助けてくれたのか、そのことは今はどうでもよかった。


周囲から注目されると、身体中をナイフで刺されるような感覚に陥るのだ。あの事件から。



その直接的な原因である人物を恨みがましめに睨みつける。



「何か用でもあったのかよ。」


「ただ、私は湊人に挨拶したかっただけ!湊人面白そうだったから!」



本当にしょうもない用事だったみたいだ。


それだけなら、軽く済ませるくらいできるだろうに。



「大体距離が近いんだよ、あと声もやかましい。周りに勘違いされるだろ。」


「えー、湊人のけち!」



そいつ、西咲は頬をぷくーっと膨らませて、不満を口にする。



「まあいい、ホームルームが始まるから早く席につけ。」


「じゃあね湊人!」



馴れ馴れしいやつだ。西咲はくるりと振り返ると、自分の席に向かって一直線に走っていく。


いちいち行動が大袈裟で疲れないのか、そう思う。



このクラスには内海といい西咲といい変わったやつが多いみたいだ。


そう結論づけたところで、ちょうど今考えていた人物が前の席に帰ってくる。



「なんかさっき、ざわざわしてたみたいだけど何かあったのか?」


「いやなんも。」



変に詮索されるのが嫌だったので、咄嗟に嘘をつく。


しばらく内海は目をじっと見てきて、そか。と納得した様子で前を向く。



今日も大変な1日になりそうだ。心の中でため息をついた。





「えっと、それではこの時間は委員決めをしたいと思います。司会を委員長にやってもらいたいので、委員長になりたい人誰かいませんか?」



お昼過ぎの5時間目、担任の樺沢が委員長を決めるために挙手を促している。


委員長は男子、女子1人ずつのようだ。


昼食後ということもあって、教室内の時間はどことなく遅いような気がした。



もちろん、リーダーシップも義務感も持ち合わせていないので立候補するつもりはない。


先生の呼びかけから程なくして、左方から手が上がる。



「えっと、島本さんですね。女子は島本さんに決定でよろし...「先生!俺、委員長やります!」



そう先生が言った瞬間に、目の前にいる人物がすっと背筋正しく手を伸ばしていた。


無駄に熱の入った言葉に、真剣さが窺えた。



「え、えっと。内海くん、ですね。男子は内海くんでよろしいですか?」


「意義なーし。」


「隼也お前に委員長とかできないだろ〜。」



男子は茶化すような雰囲気になっているが、委員長は内海に決定するようだ。


女子の方も島本しか立候補していないので、この2人が委員長としてこの後司会をするのだろう。


だが、忘れていた。このクラスにいる問題児の存在に。



「私もやりたい!私もいいんちょうやりたいです!」



西咲が遅れて両手を上げて、席を勢いよく立った。


顔の右側には髪の毛が張り付いており、少しよだれを垂らしている。


明らかに惰眠を貪っていたであろう、その問題児は我ここにありと存在を主張しているようだ。



「えっと、西咲さんですか?では、女子はじゃんけんで決めますがよろしいですか?」


「先生!流石にその決め方はないって!」



男子の立候補生徒、内海が先生に異議を唱える。


こいつ、よほど島本と一緒に委員長がやりたいようだった。


しかし、その申し出は気の抜けた声によって反故される。



「じゃんけんとかめっちゃ久しぶり!西咲さん、だっけ?早く決めよ!」


「望むところです!さいしょはぐー。じゃんけん、」



結果はというと、問題児が委員長になった。


今も教卓に立って、誇らしげにふふんと胸を張っているように見える。


内海は西咲が勝つや、委員長を降りると言い出したが無理だったようで、西咲の横で魂が抜かれたようになっていた。



春の気持ちのいい昼下がり、この委員会決めは行き先に不安しか感じない始まり方をした。



書きたいことが多すぎて、なかなか物語が進みません...


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