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堕落男と喧嘩少女  作者: 開拓者A
5/8

通学


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「湊人に恵汰に■■。お前たちはうちの道場の誇りだ。」



師匠らしき人物が3人の子供に向かって嬉しそうに話している。



「恵汰は本当にすごいです。全国大会で本当に優勝してしまうなんて。」



3人のうちの1人の少女が煌びやかなトロフィーを持った少年に向かって賛辞の言葉を告げる。



「俺だって準々決勝で恵汰にさえ当たらなければ、優勝できてたんだよ!」



残った少年が、負けじと言い訳を口にした。


その少年に、少女がやれやれと言った様子で答える。



「それはないですね。まず、優勝できるのは1人ですし、湊人くんが恵汰に勝てるはずないです。」


「大体■■だって準々決勝負けてただろ!今年の女子のレベルは低かったのにな!」


「私は誰かさんと違って負けたのは実力不足だと認めています。」



2人の熱は上昇していき、歯止めが効かなくなっているようだ。


そこに、ケイタと呼ばれている少年が諌めようと間に入る。



「まあまあ、二人とも入賞したんだし、喧嘩はよしなよ〜。」


「■■!今から俺と一本勝負しろ!」


「受けて立ちます。恵汰、師匠。審判をお願いしてもよろしいですか。」



しかし、無常にもケイタの声は届かなかったようで、口論の結果これから試合をするようだ。



「父さん〜。早く2人を、止めてください〜。」


「面白そうじゃないか。よし、2人とも準備をしろ。」


「父さん〜。」


「今日こそは決着をつけてやるからな、■■!」



少年の最後に残した言葉によって、何か思い出さないといけない大切なことが----------。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


pipipipipipipipipipipipi......



「......ん。」



重たい瞼を開け、ここが自分の部屋だと認識するまでに少しかかる。


頭が痛い、夢を見ていたようだ。


時々見る、どこか懐かしさを感じる夢。



気怠げな体をベットから起こし、スイッチを切り替える。


夢のことなど、考えたところで答えの出ないことなのだから。



朝のルーチンワークの一環としている洗面をするために脱衣所に向かう。


脱衣所に着くと、いつもなら空いているはずの洗濯機の蓋が開いていた。


その違和感の正体はすぐに明かされる。



「昨日あのまま寝たのか。」



蓋を開け、洗濯槽の下の方にある薄桃色を丁寧に拾い上げる。


そのまま返すのでも良いのだが、



「何かに包んだ方がいい、よな。」



そう思いたち、ちょうど良いものがないか詮索しに部屋に戻った。





いまだに勝手のわからない、しかし後数日経てば慣れるであろう通学路を進む。


マンションを出て学校の方へ少し歩くと、すぐ右手に例のコンビニがある。


あの事さえなければ、なんとも思わないただのコンビニチェーンだ。



あの少女、都張朝菜と出会ってからの日々がすごく長い。


そう思いながら、鞄のポケットから見える茶色の袋を見る。



家中を探し回ったが、結局あったのは色味のない茶色の袋だけだった。


何にも入れないよりは多少マシには見えるだろう。



すると、コンビニがある交差点を右折したところで、目の前に亜麻色の生徒が歩いていた。


よほど似ている人がいない限り、今一番会いたかった人物だろう。



少し歩調を早め、その人物に追いつこうとする。


そして、その人物の肩に触れようとする。が前回はそれで失敗したので、今回は声をかけることにした。



「都張朝菜、ちょっといいか。」



都張はその声に振り返り、こちらを見て露骨に嫌な顔をする。



「なんですか。朝からあなたに使う時間はないのですが。」


「じゃあ早く要件を済ませるよ。はい、これ。」



そして、拒絶を示す言葉を続けたので、鞄のポケットから茶色のそれを取り出す。



「これは、なんですか。受け取る理由がありません。」


「昨日のハンカチ、お前のだろ。」


「......。昨日も言いましたが、それは私のものではありません。」



都張は、昨日と同じ言葉を昨日と同じ口調で繰り返す。


本当に昨日と同じならば、ここで引き下がって終わるのだが、決定的な証拠を昨日見つけている。



「いや、ハンカチを少し見させてもらったんだが、右下にお前の名前が書いてあったんだよ。」


「......っ。」


「なんで、嘘をついたのかは言及しない。だから、とりあえず受け取ってくれ。」



都張は沈黙を貫いたまま、その袋を受け取った。


そして、何もなかったかのように学校に向かって歩き出した。



「礼もないのかよ。」



そう文句をこぼし、都張が小さくなってきたところで足を動かし始める。




その時は、都張の耳の先が色づいていることに気づくことはできなかった。




常に似たような文章しか書くことができませんので、ご了承ください泣

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