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不死身ドロップ   作者: 愛原 桜
7/13

何事も慎重に

あれから何日経っただろうか…


普通の暮らしのように毎日が平和な空気だった。

崎と龍は学校と生活を両立させて、無事に卒業まで近づいていた。


卒業まであと5日…


もうすぐすぎて神崎は緊張で胃を痛めていた。


崎「あぁ…いてぇ…。なんで俺緊張してんだろうな…卒業したら高校だしバイトだってできるしよ…。」


龍「崎の緊張はそれに対してじゃないの?

人は無意識にハードルを上げてるものだよ?気づかないうちに自分でやる事全部高いところにあげる。プレッシャーになってる。あくまで僕の思考だけどね。」


崎「そういうもんなのか…お前の話聞いてたらなんか痛くなくなったぜ!

ありがとな!!」


二人は顔を見合わせて、優しい笑みを浮かべていた。


カ・先「二人に聞きたいんだけど…

“筋肉をつけたら痩せる,,ってほんと?」


一瞬時が止まったようにシーンとした空気が流れて、二人はポカーンとしていた。


崎「はっ?先生何言ってんの?

っていうか…痩せるかどうかは俺たちにはわからねーよ…」


龍「そうだね。効果は人それぞれで個人差がありますし、田中先生は痩せたいんですか?」


直球で質問する龍に神崎は驚いていた。

こいつはなんで直球にそんなこと聞けるのかと。


崎「そもそも、先生そのままでもいいんじゃねーの?俺は別にどっちでもいいけど。」


龍「崎は適当だな。痩せるか痩せないかは田中先生次第ですけど、僕たちはちょっとわかりません」


カ・先「だよね〜。いや最近妻にお腹また大きくなった?って言われて。気にし始めたんだけど、まあやってみるよ!二人ともありがとう!」


崎「いやいや…俺たち何も言って無いっすけど…。あっ!時間なんで帰りますね」


龍「ほんとだ!じゃあ先生さようなら」


カ・先「あぁ!さようなら(ニコ

よし!先生頑張ろうっと!」


相変わらず先生はすごい人だ。

二人は帰り道飼い猫のキューのことで話をしていた。


龍「崎、キューのことなんだけどさ、

やっぱり尻尾が二つって珍しいんじゃない?普通は無いしあんなすぐに色々覚えられるかな?」


崎「何言ってんだよ普通だろ?この世は普通じゃないことでも普通なんだよ。」


龍「崎が何言ってんのさ…。それに、部屋の中散らかってるし、僕が調べるためにタンスにしまってるドロップ見つけてたし…

僕は不思議しかないんだけど…」


崎「お前の考えすぎだろ?猫がそんなことするかぁ?まるで人間みたいじゃねーか。

気のせいだよ。キューも遊び足りねーだけだって。俺たち日中は学校だし」


龍「そうだといいけど…。(確かに僕の考えすぎか。猫だからそんなことするはずないし、朝急いでたりするから探し物したときに忘れただけかもしれない)」


モヤモヤが消えないまま龍はため息をつきながら帰った。


キュ「ミャ〜。」


崎「おー!ただいま!よしよしわかったからスリスリすんなよくすぐってーよ笑笑」


龍「崎…悪いけど今日はドロップのこと調べるから先に勉強してるね」


崎「おー!後で飯持ってくぜ!

さてと、お前もやんなきゃな?

そんな可愛い顔したってあっちの部屋には入れないぞ?あいつは猫嫌いじゃないけどアレルギー気味だから、ほこりとかダメだからな…あとで撫でてもらおうな!

よしっ!キュー、ご飯だぞ!」


奥の部屋で一人勉強に取り掛かっている

龍は、やはりドロップと猫がグルグル頭の中を回っていた。なんの関係があるのか…

気のせいではないのかと頭を悩ませていた。


台所の方では、崎がキューにご飯をあげた後、自分たちの夕ご飯を作っていた。

今日は魚らしい。

焦げないように慎重に焼いていた。


龍「よし…終わった…。案外早く終わったな…ドロップを調べたいが…崎を手伝うべきか…でも一刻も早くドロップのことを知りたい。」


・・・・・2時間後・・・・・



崎「おーい!龍、飯できたぞー!

あれ?聞こえてないのか?

おい龍、飯……どうかしたか?勉強は終わったんだろ?」


龍「うん…勉強は終わった。けどドロップの成分分析してたら、あることがわかった。調べたんだけど、不死身ドロップは

食べ続けると意識障害が起きて、しばらく気を失う。その間に飴は消化されて跡形もなくなる。このドロップの効果は最低でも一週間になる…」


崎「はっ?…待て待て…あん時お前言ってだろう?効果は1日か2日だって!

じゃあどういうことだよ…」


?「よくそこまで調べたな。子供だからと安心していたが…そうもいかなくなった…

それにワタシのミスがあったらしい。」


二人は固まった。どちらも、しゃべっていないし、お客などいない。

それにおかしい…調べてることを知っている!?


?「お前たちを甘く見ていたよ。

その飴はワタシが預かろう。そしてお前たちを始末しなくてはいけなくなるねぇ」


龍「崎…わかったろ…今君の後ろにいる奴が話しているんだよ。」


崎「そんな…まさか…!?

“キュー,,が!なんで!!お前なんで話せんだよ!だって…」


冷静に判断して、なんとなく察しがついていた龍は言葉に詰まっていた…

神崎は猫が話していることに驚いていた。

キューは始末と言っていたが、どうするつもりなのだろうか?嫌な空気に龍は吐き気がしていた。


龍「それで?話は早い方がいい。君はなんで話せるの?そしてなぜドロップのことを知っているの?全部最初からわかりやすく説明してくれる?」


キュ「しょうがない子供だ。説明はしてやろう。ワタシは普通の猫じゃない、いわゆる化け猫だよ。しっぽが二つあるだろう?

おかしいと思わなかったのかい?そこの龍という奴は薄々わかっていたようだけが、

早急に話そう。


不死身ドロップはワタシが作ったものだよ。かつては5人くらいいたが、気づけばワタシ

一人でね、使い道を間違うと死が待っている。そこまでは調べられなかったろう?不死身とはいえ、少しでも間違うと死の麻薬になる。」


崎「おいまてよ…何がなんだかわからねーよ…じゃあ、お前が作ったせいで龍の親が死んだのか?!」


龍「崎落ち着いてくれ…。僕の両親が死んだのは偶然なんだよ。ドロップとは関係がない。」


キュ「小僧の言う親が死んだことには意味がわからないが、あの宿の近くにある森にはワタシはいたよ。不死身ドロップが完成したので木に託した。いつのまにかこの姿で、あの森に行ってみると飴は無くなっていた。

まさか龍の小僧に渡ってしまったとは知らず。人を探していたのだ…ずっと。

ワタシを拾った親切なご婦人がいる店に

しばらく居座ることになり、神崎というそこの小僧に偶然あったわけだ。

これもまた偶然と来たものだ、誰も知るはずがない不死身ドロップの名を口にしていた。最初は様子を見ようと思って静かにしていたが…」


その後も黙々とキューは説明し続けた。

内容はキューが猫になってしまった話から始まり、いつのまにか落ち着きを取り戻していた神崎も困った表情で聞いていた。


展開が急すぎて、話がめちゃくちゃすぎて龍は神崎と同じ困りながら聞いていた。


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