味は忠実に
キ〜ン…コ〜ン…カ〜ン…コ〜ン
8月28日、夏休みに入ろうとしていた。
龍たちの学校は、夏休みがこの期間から入る。
崎「ふあ〜…。眠み~よ。」
龍「ちゃんと寝たの?また夜更かししてゲームしてたとか?」
崎「いや~今回はさすがにゲームの時間削って勉強してるよ…。昨日は難しい数式解いててさ…頭の中が数字でいっぱいだわ」
高校受験のため夜遅くまで勉強してた神崎は、寝不足で今とてつもない睡魔に襲われている。
崎「でも…やっとやる気が出てきたんだよこのままいけば行きたい高校が見えて来る気がすんだ!!龍、俺頑張るぜ!!俺ファイト‼︎」
龍「そっか、頑張ってね!僕も頑張るよ」
カ・先「おー!…はぁ…はぁ…二人ともおはよう…はぁ…あっ、先に行っててくれるかな?…忘れ物しちゃって…。」
廊下を急いで走ってる田中先生がいた。
どうやら職員室に忘れ物したらしい。
田中先生の体格は簡単にいうとちょっと太めだ。それを見た神崎は、
崎「先生廊下走っちゃダメっすよ!生徒のお手本にならないじゃないすか!」
龍は心の中で、(どっちが先生なんだか)とツッコミをいれていた。
龍「じゃあ、先に行って待ってよう。崎?」
二人はカウンセラー室へ行って待ってることになり、勉強の準備し少しおしゃべりをしていた。
龍「ねぇ、崎?不死身ドロップの事だけど調べたらわかったよ。」
崎「何?!本当か?!でっ?どうだったんだ?」
龍「不死身ドロップの効果はやっぱり崎が言った通り、1日か2日くらいしか持続しないらしいし、毎日摂取すると簡単には死なない体になるって…それ以上の詳しいことはわからない。僕はまだ一粒しか食べてないから大丈夫だと思うけど…不安だ」
不死身ドロップは本来捨てたい所だが、万が一誰かが知らずに食べて、大ごとになれば僕だけじゃなく世界中の人が…
崎「大丈夫さ!お前は一粒しか食べてないんだろ?前に言ったように効果は切れてる。それにもっと調べたら何かわかるかもしれないしな。」
カ・先「遅くなってごめんね〜!今度は歩いてきました。いや~どっちが生徒かわからないね笑」
相変わらず龍はギャグ的なものに鈍感で
スルーするように勉強をはじめる。
崎は笑ってニコやかに返している。
龍は勉強中にもドロップのことを考えていた。
龍(そもそも何であんな森の中に飴があったんだ…?人の手で作られたならやっぱり何を混ぜた?いや、味は普通だった。)
龍の表情が曇ってることに崎は気づいたのか、心配になって声をかけた。
崎「おい、大丈夫か?汗すごいぞ?どっか体調でも悪いのか?」
龍「大丈夫だよ。まだ夏だし暑いだけだよ。」
カ・先「はい、では今日はここまでだね。お疲れ様でした。帰ったらゆっくり休んでね」
〜〜〜〜〜〜〜下校中〜〜〜〜〜〜〜
崎「先生もいじわるだよな?たしかに勉強わかってきたし、このままいけば高校もすぐ目の前だけどよ…いくらなんでも問題増やしすぎじゃねーか?これじゃゲームできねーよ。」
龍「ゲームの時間削ってまで勉強したって言ってたじゃないか。それじゃ逆戻りだぞ?」
崎「先生が言ったんだろ?脳も心も体と同じくらい大事だから休む時も同じとか何とかさ?」
何か違うように感じた龍だったが、そんな事はどうでも良かった。不死身ドロップの事を詳しく調べて、一刻も早くあれを人の手に届かない場所にやりたかった。
もしも、あの宿泊施設の森に作った人が来たら…無いことに気づいて僕だとわかったら…と不安にあおられて俯いたまま家に帰った。
崎「なぁ?これどうやるんだ?」
龍「この問題はそのまま見ただけじゃわからないよ。田中先生のことだから何かしらひっかけがあるはずだ。」
二人は真面目に勉強に取り組んでいた。
龍は先に終わらせてゲームをしていた。
崎「あっ!ずり~俺もやりてぇーよ!」
龍「まだ終わってないだろ?ほら後7問だけだから頑張って。」
崎「だけってお前な、後7問"も,,!だろーがよ!しかも最後めっちゃ複雑だしよ」
龍はゲームの電源を切り、置くと。
パソコン貸して、と調べ物をはじめた。
カチッ………カチカチッ…カチャッ!
龍(やっぱり詳しくはわからないのか…
あのドロップの成分、一体なんだ…?
味は普通だし舐めても害はなかった。)
龍の頭脳は日々の勉強で、どんどんIQが上がって行った。
・・・・・・2時間後・・・・・
崎「 やっ……‼︎ と終わったぜー!」
神崎の勉強も終わり、龍も調べ物を今日は終えて二人は夕食にした。
崎「うっま!龍って料理うまかったんだな?このシチューうまいぜ? あーむっ…
ぅん…ぅん。なぁ?調べ物、不死身ドロップの事
調べてたんだろ?何かわかったか?」
龍「今のところ何も。ただ、成分が微妙にわからないということだな。味は普通で体にも害がない。けど食べたその日だけは死なない。謎が多すぎるよ。」
崎「へぇ~…そっかぁ。んじゃあさ、いっぺんに食べると死なない時間が倍になるってことか?」
龍「その辺詳しくは知らない。またこれから調べてみるよ。」
未だに謎のままの不死身ドロップ。
開発者は誰か、何のために作ったか、
はっきりしない今はなんとも言えないし
あの飴をずっと置いとくわけにもいかない
龍は成分を調べるための道具を購入することを決めた。