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不死身ドロップ   作者: 愛原 桜
11/13

混乱と悲劇

・・・・・そして、朝が来た・・・・・



龍たちは早起きし、眠気とかどうする?とか余計なことは考えないように、注文した朝食を3人…いや、二人と一匹と無言で終わらせた。


龍はとにかく、モヤモヤした謎の答えを見つけて、早く解決したいと少し焦っていた。



龍「準備できたから、行こうか。

って言いたいところだけど、キュー、昨夜言っていた『黄色いパイプ』のこと教えてもらいたいんだけど。」


崎「だよな?全然スッキリしなくて、あの後気になって眠れなかったんだぜ?」


龍とキューは、内心(ぐっすり寝てたじゃないか)と小さくつぶやいていた。

声に出してツッコむ余裕すらないし…正直めんどくさかった。


キュ「じゃあ、話すぞ。

まず、霧が出た後に触るなというのは、霧で周りが見えない状況の場合、触れてしまう危険があるためだ。なぜ、触れてはいけないのか。それは…ワタシがまだ人間だった頃に、この施設の地下の空洞にあって、その黄色いパイプが通るガスが、地下内で溜まり、一酸化炭素中毒騒ぎがあったからだ。この施設は一度そのガスが屋内に充満し、人々の命を奪ったからだ。亡くなったのは4人。4人の内、二人は老夫婦で、もう二人は、ワタシの研究室の仲間だった男と若い化粧が派手な女だ。」


二人は手汗握り、心拍数もあがり、これからそんな危ないところに足を踏み入れるのかと思うと、めまいがしてくる…。


崎「客はその人たちだけだったのか!?」


キュ「まだ話の途中だ。すべて知りたいのなら黙っていろ。ワタシもここに泊まるはずだった。だか、研究室にこもりっぱなしで、ろくに稼いでいなかったからな…金はなく、研究が大事だったもので野宿でも慣れてるからと研究室に寝泊まりしていた。

ワタシがいた研究室が、まさに地下にあった。パイプからはだいぶ離れてはいた…

そう、離れていた。ワタシ専用の裏通路があってな、研究室は換気扇の役割をする機会も存在していたためにワタシは中毒にならずにすんだのだ。ところがだ、その後で仲間だった研究室の一人が、(やく)をやっていてたことに気づいてな…」


神崎は(やく)の意味を知らず、小声で龍に聞いた。


龍「(やく)っていうのは、覚醒剤や大麻、危ない薬のことだよ。それを使用した人は精神と頭の中がおかしくなるらしい。」


崎「へぇ…世の中あぶねーもんばっかあるよな…頭が追いつかねー…」


混乱している神崎をよそに、龍は焦りと発汗、ますます知りたくなるという好奇心。

どこか表情も一点を見つめ、心ここに在らずの様子だった。隣で神崎は、混乱しながらも心配な目で見ていた。


キュ「その男が小型の爆弾と火薬に火をつけ…まあ、話せるのはここまでだ。わかったか?ガキども。触れるだけで中毒を起こすぞ?

まだ空気は残っている。この酸素マスクをやる。落とさず、無くさずに持っていろよ

まぁ…すぐに死ぬことはないが、体への負担は変わらんぞ?それでも行くのか?

引き返すならいまだ。ここからはワタシ一人でも構わない。この体にもだいぶ慣れたし、お前らにも世話になった。これ以上関わらせるのも面倒だ。それに…龍、おまえは両親の分も生きろ。それが一番幸せな生き方だ。」


龍「僕は行くよ。気持ちだけ受け取っとくよ。ありがとう^_^僕はやっぱり知りたいんだ!そのためにここまで来た」


崎「だよな?俺もそのために龍についてきたんだからよ!

よし!行こうぜ!龍?」


龍「ああ。行こう!」



こうして、一致団結した二人と一匹は

恐る恐る森へと足を踏み入れた。



動物も何もおらず、ただ静かに木々が風に揺れる音だけ聞こえてくる。

なんだろう…なんだか空気が重くなってきた。ちょっと息苦しい…

二人は酸素マスクを付けて、キューも自分用に作ったと思われる、特殊な酸素マスクだった。



どうやら、黄色いパイプ付近にたどり着いた。その近くに、キューが人間だった頃に使っていたであろう、形はまあまあ残っている研究室の建物もあった。

ほとんどボロボロで、焼けた痕跡の黒いすすがはっきりと目の前に見える。


キュー「あぁ…なんとも言えない状態だな。ワタシの死んだ理由を思い出したよ…

そうあの日、あいつが仕掛けた爆弾でパイプから漏れ出たガスに引火し、爆発した…

研究室は少し燃え、私は自力で外に出ようとした時に倒れてきた木の下敷きになった。肺に溜まったガスと煙…そうかワタシも中毒で死んだのか…」


龍はすべてを理解し、その後のこともわかった。

中を操作していると、ドロップという紙切れを見つけた。

少し燃えたせいで読めないところもあったが、驚いた事実に龍は混乱していた。

キューが言っていた事と、この文章に違いがあったからだ。


『死なない飴、名付けて不死身ドロップ

一粒の飴で、2日は持つ効果ありの、傷一つ、病すらも回避できる作用がある。また、別の名を死神の涙。副作用は無く、毒性も無い。』

その下に、開発者の名と、直筆のメッセージが書いてあった。


『生きる時間を過ごせなくなった者、人々の希望と勇気を与えたく、開発を決意した。心軽く、笑顔絶えない日々を』


龍「キュー!!これはどういうことだ!?

作用時間や効果、この下の直筆メッセージの文字…これはおまえが書いたのか?

おまえがドロップを作ったのか?!」


崎「龍…。

おい!どうなーんだよ?キュー!俺にもわかるように説明しろ!」


キュ「そこに記されている通りだ。

何を勘違いしていたのかしらんが、これが本当の効果と作用で、正真正銘の不死身ドロップだ。ネットや新聞などの記事は噂だけで書かれた嘘だ。」


龍は混乱で、とぼとぼと研究室を後にした。



崎「龍は、これを舐めたせいで…自分だけ助かった罪悪感と傷を共に生きてきたんだ。今は整理しきれてないんだと思うぜ…

まぁ、俺的には…キューに優しさがあったんだなぁってことにびっくりだけどな」


キュ「お前はワタシをなんだと思ってるんだ?たしかにこれは新しく心を入れ替えようと作り出した試作品だった。龍が口にしたものは数あるうちの一つだったのだ。

私が生き絶える前に、森と木に託した。それを手にしたのだな。希望どころかこんな悲劇を生むとは、思いもしなかったな…」




・・・・・おまけ・・・・・



崎「なぁ?キューにお手とかお座りとかしつけ覚えさせねーか?」


龍「えっ?…いや、犬じゃないんだから

さすがに…」


キュ「なんだ?ワタシを手名づけようとは

ふぅん。それはどうかな?」


そう言うと、軽やかなジャンプで逃げ回るキュー。神崎は対抗して追い回す。

それを眺めていた龍は…バカだな…と冷たい視線を向けていた。


崎「待てよ!!猫だからしつけ覚えたらかわいいし人気者だろ?羨ましいだろうが!」


キュ「捕まえられたら、言うこと聞いてやる!失敗したら…モンプチとかいう高い缶詰食わせろー!」


龍・崎「「いや!食べたいだけだろー」」

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