第三章時点
【あらすじ】
志乃を加えた直武一行が向かった先は、妙後郡に属する島、沢綿島。妖怪界隈では狸たちの楽園として有名な島であり、実際に狸たちとも遭遇する。狸の頭領、双岩団史郎は、志乃が妖雛としてまだ目覚めていないことを見抜き、そのための儀式進行役を担うと約束した。
【直武一行】
花居志乃(追加)
雷雅の血を飲んだことで妖雛となり、彼に育てられた鬼の少女。雷雅同様に二本の角を持つ。
妖怪としての姿は、黒と白に金刺繍がある片身替わり、鈍色の袴、銀刺繍が施された紺青の羽織と派手な格好になる。加えて、雷雅から贈られた絹の髪紐と、瑠璃が使われた佩飾を身に付けている。
境田芳親(追加)
妖怪としての姿は、銀刺繍のある白い狩衣に、深紫の指貫袴、臙脂の単衣という古風なものになる。頭には烏帽子の代わりに、犬を象った面を括り付けている。
【沢綿島】
双岩史緒
狸の少女。赤毛であり、人間の姿の時も赤毛。兄に史継がいる。
やる気があるものの、ドジを踏んで失態を晒してしまうのが常。指摘されるとうるさくなる。
双岩史継
狸の青年。赤毛であり、人間の姿の時も赤毛。お人好しな性格で、それが外見にも滲み出ている。妹に史緒がおり、彼女に手を焼いている様子。
双岩団史郎
沢綿島の狸の総大将。直武とは旧知の仲。門外不出のはずの転送陣の術式を、直武と共通の知り合いから教えて貰い、自己流で改造したとか。志乃の能力を目覚めさせる〈解放の儀〉の執行を担う。
【雷雅陣営】
雷雅(追加)
志乃を六歳まで育てていた親代わり。彼女と共に楽を奏でることはあれども、微笑ましい親子のようなやり取りは微塵にもなかった様子。
雷吼丸(追加)
雷雅からの贈答品を届けるべく、志乃の前に姿を現した。名乗ることは無く、自身のことは「某」と呼んでいる。志乃を仕えるべき相手と見做しているが、礼儀正しいながらも態度は一方的。
【守遣兵】
境田兼久
麗境山所属の守遣兵。芳親の義兄であり、境田家の跡継ぎ。橙路府への派遣任務を命じられるが、何やら裏で蠢いている事態があることを察している。
木下喜千代
麗境山所属の守遣兵。兼久の幼馴染で、副官を務めている。彼の義弟である芳親や、その許嫁である茉白とも面識がある。




