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羽化

ノートを机に広げ、この3日間を思い返す。

金曜の放課後。

塚本先輩と悠里ちゃんの逢瀬を見て、

思い出した前世?

父の病気の発覚。

怒濤の日々だった。


父の頭には脳動脈瘤が見つかった。

すぐに破裂する大きさではないが、

出張で飛行機に長時間乗る事が多い父には命に関わる可能性もある。

瘤の出来た場所が、手術しやすい場所なのでカテーテル方式で手術。

1週間の入院ですむらしい。

その前に1泊の検査入院もあり、その時に詳しく説明や日程調整があるみたいだ。


大樹の膝は

父の病気の事を知って

試してみたくなったようで、頼まれた。

横にタブレットでオスグッドの図柄などを確認しながら、正常に戻るのを祈りながらヒールをかけたのが昨日の夜。

今日の練習は、痛みが出なかったようで喜んでいた。


大樹の治療?が終わると

魔法は父に禁止された。

滋野本家に行くまでの間は、使用は厳禁。

その後は、本家と相談して決めれば良いらしい。

前の記憶を探るのも同時に禁止された。

思い出してしまうのは、しょうがないが自分で無理に思い出してはダメだと言われた。

理由は、魔法など世界観の違いにより、私がどう変化してしまうか、わからないことが怖いから、出来れば止めて欲しい。

と説得された。


うん。今の自分や家族。友だち……が大事だもん。

わかった。やめる。






担当の美容師さんにお任せでお願いしたら、

肩ぐらいのボブになった。

カラーもパーマもしてないけど、ふんわりと軽い感じでカットしてくれた。

手入れをサボっていたせいで、髪が傷んでいたので、薦められたトリートメントをして、ホームケアグッズも購入。

けっこうな出費だったが大満足!!


せっかく髪形を変えたので、洋服も購入。

今までデニムとTシャツばかりだったけど、ワンピースやスカート、オフショルダーのトップス。など、何点か購入。


今までバイトで貯めていたお金で散財した。

貯めておいて良かった。


眼鏡も魔法のおかげで回復したのでらやめ、化粧道具も少し購入。


この1日でだいぶ変われたような気がする。



今日バイトには、新しい自分で行ってみた。

キッチンだけではなく、これからはフロアーの仕事も少しずつやらせて欲しい。と相談。

なぜか、キッチンリーダーに

「良かったね。頑張ったね。」と泣かれた………


どうやら、母がバイト先に中学の時のゴタゴタを少し話し、フロアーには出ない。それでも雇ってもらえるか?と店長とリーダーに相談していたらしい。

バイト先でも、心配をかけ、守られていたのだと知った。


私は、本当に周りに助けられてきたんだ


知らなかった。気づかなかった。


そして、知ることが出来て良かった。


母や父は、全ての私を愛してる。と言ってくれた。


中学2年までの私は幼虫。

色々な事を経験し遊び、学び、栄養を蓄えてた時期


中学3年から今までは蛹。

殻の中に守られ。羽ばたく準備をしていた。のだという。


そして今。

蛹から飛び出し来た成虫になろうとしている。

蝶になるか、セミになるか、カブトムシ?


何になっても、どんな姿をしていても自分たちの可愛い子供だ。愛してる。と


だから無理に変わる必要はないし、変わりたければ何に変わっても良いよ。


でも、自分たちがいることを忘れないでね。


と、父も母も・・・・言ってくれた。


だから頑張れる。


塚本先輩と悠里ちゃんの事もキチンと向き合おう。


そして、私の親友たちにも

話を聞いてもらおう。

魔法や前世の事とか秘密だけど

秘密を持つのは、本当は嫌だけど

話すことで、相手に危険をさらすこともあるんだよ。と、父に諭された。


大樹も口止めをされた。

友だちで、同じように痛みを持つ子がいるのに。自分だけ………って眼を赤くした。


その時、初めて魔法の怖さを知った。


目の前で助けられるものを、助けられない。

そんな痛みをこれから、

イヤというほど感じるだろう。

と、父が眼を伏せた。


あまりに自分が考えなしだった事に気づいた。



「ごめんなさい。ごめんなさい」


誰もいない自分の部屋でノートを前に謝る。


父に、母に、そして大樹に

背負わなくてよい荷物を背負わせてしまった。

それも、これから一生。

どうやって返したら良いんだろう。


浮かれていた自分が、バカみたいだ!! 


何が魔法だ。

何が治癒だ。


頭がグルグルしてくる。


………考えられない。


……考えなくもない。



……………目の前が歪んでいく



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