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見境なし精霊王と呼ばれた俺の成り上がりハーレム戦記 ~力が正義で弱肉強食、戦争内政なんでもこなして惚れたお姫様はみんな俺の嫁~  作者: 浦和篤樹
第二章 姉姫も可愛いすぎるから姉妹(弟)揃って俺の嫁

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59 実行は秘密裏に

「それではお三方の方針が固まったところで、現実的な対処はどのようにいたしましょうか?」


 クレアさん、雰囲気に流されず、冷静に次々と話を進めてくなぁ。

 二人をお嫁さんに出来る道筋が見えた幸せに、ちょっとくらい浸りたいんだけど。


「確かに、わたしを妻にと望むだけの理由があるわけではなく、ましてや王権の委譲がなされるには、状況が許さないでしょう」

「今のままエメルが王位に就くと言えば、精霊魔法を振りかざした簒奪(さんだつ)に等しい。やり方は気に食わないが、貴族どもが平和的に(・・・・)姉上から王権を委譲させようとするのに比べれば、かなり乱暴で国が乱れる原因となるだろう」

 そう、そこがちょっと頭の痛い問題だ。


「要は、俺がまた何か功績を立てればいいんですよね? 姫様をお嫁さんに貰えた条件に匹敵するくらいの、英雄的な功績を。それでご褒美に今度はフィーナ姫をお嫁さんに下さいって言って、王族の二人をお嫁さんにするなら、いっそ王様になっちゃえ、って流れを作るか、有無を言わせず納得せざるを得なくすれば」

「その通りと言えばその通りですが……何かあるのでしょうか? あれほどの献策ですら、アイゼ様の件で譲歩を引き出す材料としかなり得ません。フィーナシャイア様を(めと)られ、王権の委譲ともなれば、何倍も上回る功績となる策が必要となりますが」


 渋い顔のクレアさん。

 軽く言ったせいで、考えなしって思われちゃったかな?


「うーん、まあそのレベルの策になる腹案がないわけじゃないですけど……一つじゃ駄目って言われた場合、数が足りるか分かんないですし、どれも手間と時間が掛かるんですよねぇ」

 ちょっと考えながら、出来れば今回は却下したいなって感じで言うと、クレアさんが絶句する。


「あ……あるのかエメル? あれ以上の策が?」

「それもエメル様の口ぶりからしますと、まるで複数の腹案があるように聞こえたのですが……わたしの聞き間違いでしょうか?」


 姫様とフィーナ姫から、なんか驚きを通り過ぎて変な生き物を見るみたいな目で見られてるんだけど……。

 将来の旦那様に向かって、その目はないんじゃないかな?


「ありますよ、フィーナ姫の聞き間違いじゃなく」

 だって、前世の知識を元に色々やっちゃえばいいんだし?

 それに精霊魔法を駆使すれば、科学と魔法の融合的な発明や発展も恐らく可能だし?

 姫様とフィーナ姫をお嫁さんにするためなら、もう自重する気ないし?


「でもまあ、もっと簡単に手っ取り早く功績を挙げる方法がありますよね」

「それはどのような方法なのでしょうか? お尋ねしてもよろしいでしょうか?」


 なんだかクレアさんが、半信半疑というか、何かとんでもないことを言われるに違いないって身構えてるのが、なんだかなって感じだけど。

 みんな、大事なことを忘れてる。


「トロルですよ。多分そろそろ攻めて来る頃合いでしょう? 偵察兵から、トロルの偵察部隊が王都に向かってきたのを、王都にガンドラルド王国の旗が掲げられてないのを確認させた上で追い払って、国境の向こうへ追い返したって報告、上がってきてますよね」


 そう、俺が姫様に頼んで、軍務大臣と将軍に、そうするように頼んだんだ。

 次の侵攻は出来ればそれなりの大軍で、王都近郊まで攻めてきて欲しいからな。

 それをまとめて叩いて、トロルどもの戦力を大幅に減らして、戦争の終結、勝利への道筋を付け、それを材料に姫様との結婚を認めさせるために。


「みんなに俺の力を見せつけて、姫様が王太子としてこの国を治めやすくする手伝いをするつもりだったけど……俺が王様になるなら、その『力』を知らしめるために、セーブしないで全力でやっちゃえばいいってことですよね」

「エメル様の全力……ですか……」


 フィーナ姫がわずかに身を固くする。

 俺の全力の一端を目撃したのは、今のところフィーナ姫だけだもんな。

 姫様とクレアさんも、小手先程度しか見てないし。


「大丈夫ですよ、俺の『力』が姫様とフィーナ姫に向かうことはありませんから。もちろん、クレアさんとレミーさんにも」

 この四人に怖がられたら、本気でショックだからな。


「王都守備隊も南の辺境伯の部隊も未だに壊滅状態。部隊の再編は急がせているが、現状では数を揃えることも出来ぬ。いま攻め込まれたら、王都まで無人の野を行くがごとく攻め入られるだろう」

「アイゼの言う通りです。その兵数によっては、今度こそ我が国は滅亡するやも知れません」

「そう。でも、俺がさせないわけです」


 敢えておどけて言うと、姫様もフィーナ姫も小さく苦笑して、期待と信頼と、ちょっぴり頬を染めての熱い眼差しを向けてくれる。

 対して、大いに呆れてるクレアさん。


「私は常識がどうにかなりそうです」

 でも、信頼はしてくれてるみたいで、それに関する突っ込みは来なかった。


「あたしも、エメル様のお力をちゃんとこの目で見てみたいです。実際に目の前で見たことがないですから、ちょっと楽しみです」

 レミーさんは、ちょっとお気楽だな。

 でもそれも、信頼してくれてる証拠だろう。


「じゃあ、方針は固まったってことでいいですか?」

「うむ。これから忙しくなるな」

「ええ、わたしで出来ることであれば政務でもなんでも手伝いますよ。遠慮なく仕事を回して下さい。わたしが女王に戴冠するための準備と、不埒な貴族達への目くらましにもなります」

「助かります、姉上」

「私も、やると決めたからには、全力でお三方のサポートをさせて戴きます」

「あたしもです、なんでも言って下さい!」


 ああ、心強いなぁ。

 俺って、なんて果報者なんだろう!


「こうなっちゃうと、トロルには早く攻めてきて欲しいですよね。フィーナ様のために、いっぱい来ないかな?」

「レミー、さすがに不謹慎ですよ」

「ええ~? でも、クレアさんだってそう思うでしょう?」

 それって、思いっ切りフラグを立ててるよね、レミーさん?


 と、不意に扉がノックされた。

 それも少し強めの、慌てた感じで。


 その場の全員が目配せして頷き合った。

 今の話は他言無用。

 時が来るまで俺達だけの秘密だ。


 その意思確認が出来たところで、レミーさんが応対に出る。

 わずかなやり取りの後、入って来たのはビシッとした服装の白髪の老人、確か侍従長とかいうおじいさんだ。


「皆様こちらでお揃いでしたか。緊急事態にございます。軍部より上がりました報告で、トロルの軍が国境付近に集結し、再び侵攻を企てている(よし)にございます」


 思わず俺達の視線がレミーさんに集まる。

「あ、あたしのせいじゃないですよ!?」


 そりゃあそうだ。

 レミーさんの慌てっぷりに、みんなして思わず笑ってしまう。


 侍従長だけが、この国家存亡の緊急事態に何を笑っているのかと、不審そうにしてたけど。


 ともあれだ、フラグは回収された。


「早速向こうから鴨が葱を背負ってやってきてくれるんだ。大歓迎して美味しく戴かせて貰おうかな」



 今回で第二章終了です。

 次回から第三章を投稿していきます。


 予定では第二章冒頭に「47フィーナシャイアの憂鬱」とそれ以降の流れを入れて、トロルとの戦争まで持って行くつもりでした。

 ですが、世界観やお膳立てを先に入れないといまいち伝わらないかと思い、「32王家の者として」と二分割した上で間に色々と入れたら、想定以上に増えすぎてしまい……。

 なので第二章と第三章は前後編っぽい構成になっていると思ってください。

 第三章はトロルとの戦争関連が話のメインになります。

 戦争で主人公が契約精霊達と共に無双する予定です。


 励みになりますので、よろしければブックマーク、評価、感想など、よろしくお願いいたします。


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