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サラシャフォーたちの「個人戦」

 サラシャフォーは、フィンの複製体を見つけ、念ずる。


『魔剣生成』


 瞬く間に、1000本ほどの魔剣が生成される。足りない成分は、複製体の体を削って生み出されていく。


『面倒ですね。一体一体倒すのは。これが読者サービスだなんて、読者は強者いじめがしたいようにしか思えません。

 魔剣生成そのもので、敵が勝手に倒れてしまうんですもの。やりにくいったら、ありゃしません。

 ああ、もう、面倒なので、作者にスローモーションで私の姿を描写をしてもらうとしましょうか。異世界操作』


 サラシャフォーが、あらぬ方向に魔法を放つ。


『作者の世界は科学の世界だから、マコクの力が通用しないですって?悪ふざけにもほどがありますわ。

 でもまあ、描けなければ、作者の責任であって、私の責任ではありませんから。

 結界生成。せいぜい、ちゃんと一体一体斬って差し上げるとしましょう』


 サラシャフォーは、結界の刃を身にまとい、超加速する。


『作者が一文でも書いている間に、全てを終わらせるとしますわ』


----


 レイは、辛うじてサラシャフォーの動きを目で追うことができていた。


 通常の処理能力で処理していると、その姿は、まるで一筋の光が走っているようである。


『速いわね。でも、リンのブレインたる私は、努力してこの魔法を自分で発明したのよ。処理超加速』


 レイの脳の処理能力が加速していく。


『これで、人間的な速度でサラシャフォーを見ることができるわね。あの速さで体を動かせる気はしないけど、それでも、見ることができれば、大きな前進のはずよ。

 サラがいない今、四番手如きが何を言っても、いつまでも副ヒロインに甘んじるつもりはないのよ…』


 そこで、レイは、あることに気付く。


『サラシャフォーが人間的な速度で動いているせいで、ものすごく遅い刃がフィンの複製体に食い込んでいくように見えるわね。そして動かない、いや、動けないフィンの複製体から刃が抜けたところで、複製体が両断されたことに気付くよりも早く、次が襲われていく。

 これじゃあ、遅すぎるわね。もう少し、処理能力を落としてみるか』


 レイの脳の処理能力が、少しだけ落ち着く。


『これぐらいなら、それらしさも出るというものね。魔車ぐらいの速度で動くように見えるサラシャフォーが、それなりにスムーズにフィンの複製体達を切り裂いている。

 やっぱりフィンの複製体達の反応が鈍すぎるのが、玉に瑕だけど、こっちの方がまだ絵になりそうだわ。

 ああ、絵になるって、またこれなのね。この頃の異世界の声は、私の中に入り込み過ぎよ。

 別に異世界のためじゃなくて、私自身がサラシャを超えるための分析のためなんだけど、絵になるという言葉がいつの間にかしっくり来ていて、怖いわ…』


 落ち着いたからか、別のことに気を取られて一人震えるレイ。


 ゴーティマとラウラが、その姿を見て、互いに語り合う。


『大変そうね、レイも。彼女は、何か大きなものと戦っているみたいだわ』

『しかり。戦っている、自分自身の能力と』

『リンと違って、レイには、才能相応の器がなかったということかしらね』

『違うな、それは。邪魔している、隠れたコンプレックスが、今のところは』

『マハクのグランドマスターであるあなたが何とかしてあげることは、できそうかしら?』

『できない。解決すべき問題だからな、レイ自身が』


----


 サラシャフォーの高速な動きを見て、他のサラシャの複製体達が、互いに思念を飛ばし合う。


『フォーが、超高速で切り裂いているますね。

 ここまで丁寧に1本の魔剣だけで少しだけ切り結んで相手の技量を確かめつつ倒してきましたが、そんな真似をする必要はないということなのでしょう。

 なにせ、たった30本の魔剣しか使えないザコですから』

『魔剣に結界を組み合わせても、150が限界でしたわね。私達なら、両方を組み合わせればその100倍はできますのに』

『ですよね。とにかく、フォーに遅れるわけには参りません。何しろ、サラシャ様のマスターがこの戦場を見ていらっしゃるのですから』

『行きますよ』

『『超加速』』


 何本もの光の筋が、一瞬にして走り、後に残ったのは、真っ二つに切り裂かれたフィンの複製体達と、満足げなサラシャの複製体達であった。


 サラシャフォーが、念じる。


『おやおや。あなたたちも続いてきたのですか。

 おかげで、作者は…視点を変えるズルをして文章を何文も書いたですって?気に入りませんね。

 どうやら、レイ・ストーミーさんが手を貸したようですね。万年副ヒロインの癖に、生意気だったらありゃしません。

 ともかく、予定通り、快適に、一瞬で、圧倒的な力を以て、終わらせることができました。

 これも、立派な個人戦ですよね?相手が弱かっただけで、ちゃんと一対一で戦ったのですから…』

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