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大魔王vs...魔皇?

 魔宙皇国首都、ダヴィリオーニ。

 宇宙魔皇は、大きな戦いが始まることを予感した。


「どうやら、ゴーティマのことも仕留めきれなかったか?それなら、朕の分身体でも作って、念のため転移させておくとしよう。

 サラは責任感が強い子だから、戦場になったタイヨウ系に今も残っているけど、親としては心配だしな」


 そう独り言ちて、彼は、瞑想に入った。


----


 サラは、自室で瞑想していたところに突如出現した気配を感じて、魔剣を起動した。


「何者だ?余の部屋に忍び込んで、ただで済むと思うなよ?」


 すると、背後から声がした。


「安心しろ。私だ」

「パ、パパ?私は、一人で大丈夫よ」

「何を言うか。サラは、私の大事な一人娘じゃないか。戦争の時ぐらい、守りに出なくてどうする」

「だからって、私より弱い分身体回されても…」

「ハッハッハ。サラは、そんなに強くなったのか?どれ、パパが見てあげよう」

「魔黒球」


 サラが躊躇なく魔力のブラックホールを背後に向けて放ったので、魔皇は動揺する。


「ちょ、掛け声もなしにいきなりそれ?というかこの間まで、それ、できなかったよね?サラ、立派になったな…」

「パパは、相変わらずの親バカで困るわ。今は大人しく見て言て頂戴。後、できればあの呪い、何とかしてくれないかしら?」

「そ、それは、パパが認めない悪い虫に、サラを持っていかれたくないから…」


 言いながら、純粋な魔力の塊である魔皇の分身体は、魔黒球に吸収されて、消えてしまった。

 あとに残ったサラが、ポツリとつぶやく。


「じゃあ、リンに何とかしてもらおうかしら?」


 その時、彼女の視野に、爆発が映った。


----


 最初に敵艦に乗り込んだのは、ガーゼインだった。


 転移によって突如出現したビキニアーマーのトラ族に、呆然とする乗員を尻目に、


「さて、始めるか」


 と一言だけ言って、「とっておき」の兵器、魔連銃を取り出した。


 ダダダダダダダダダ。


 魔力を帯びた銃弾を四方に浴びせられ、一瞬で艦の制御機器も指揮系統も壊滅し、艦は制御不能となる。


「これでいいか。リロード」


 そして、彼女は、次を目指して、フッと消えていく。


----


 続いて動いたのが、ゴーティマだった。


「ホッホッホ。これだな、コアは。ほいっと」


 艦の魔力源となる魔結晶をピンポイントで破壊し、次へと転移する。


 後には、暴走した魔力によって爆散した敵艦の光が見えていた。


----


 最後に動いたのは、リンである。


 目を閉じたまま一隻の敵艦に出現し、クワッと目を見開いて、言う。


「よし、ここからこっち向きなら安全かつ最大効率で斬れるな」


 そして、何気なく手を一振り。


 すると、彼が乗っている艦と、手の一振りで放たれた結界の射線上にあった10隻ほどの敵艦が、文字通り斬れて、真っ二つになった後、次々と爆散していった。

 爆風の中にありながら、結界で身を守っていたリンは、ニヤリと笑って、次の船へと転移した。


「待ってろよ、サラ。もうすぐ会えるからな…」


----


 爆発を見たサラは、ドラグーン伯に通信をつなぐ。


「ドラグーン伯、今皇国軍の魔宙船の爆発を確認したが、状況はどうなっている?」

「いくつかの艦が内部から爆発したようですが、敵に分解された気配はありません。また、依然として、数の上ではこちらが優勢です」

「内部爆発の原因は?」

「何者かが転移魔法を使って侵入し、コアの魔結晶を破壊したのだと考えられます」

「ふむ。残存艦のマコク使いに伝えよ。分解抵抗のみならず、コア破壊にも抵抗するように魔力配分を調整せよとな」

「仰せのままに…、と言うまでもなさそうですな。残りはたったの一隻、しかもそれももう、乗っ取られている」

「ああ。惑星級や恒星級程度のマコク使いでは、相手にならなかったようだな。我々が直に相手するしかあるまい」


----


 ガーゼインが大魔王公邸を除く最後の一隻に乗り移り、自動魔銃を取り出そうとすると、リンとゴーティマも、ほぼ時を同じくして姿を現した。


 リンが言う。

「ガーゼイン、君は、艦隊の指揮を執っていたのでは?」

「アタイは、久々に乗り込んで暴れたくなってさ。指揮は、ティグルに任せてるから大丈夫だよ」

「ホッホッホ。宇宙海賊だな、流石に、自由で」

「でも、ちゃんと結果は残している。これで、残りは…」

「ラストだよ」

「…は?」

「しかり。ラストだな、この船は」

「ちょっと、姉御とリンだけで、どれだけ壊したのさ?」

「いちいち数えてないけど、感じればわかるでしょ?」

「しかり。感じる、残り一隻だと」

「ああ、そうだったよ。アンタらマハク使いは、何でも『感じ』ちまうんだからしゃあないね。じゃあ、終わらせるよ」

「もう終わってて、いつでも離脱できるんだけど。今は会話のために一時的にコアの魔結晶の暴走を抑えているだけだから」

「しかり。片付いている、乗員も皆」

「そんなら、後はアンタらの戦いってことでいいんだよな?アタイはブラックタイガーで待ってるから、早いとこやっつけちまいな」

「ああ」

「しかり」


 そして、3人が各々の艦へ転移して戻っていった瞬間、最後の爆発が起こったのであった。

分身体は、魔結晶と同じく、触れる魔力です。本体は純粋な魔力だけではないので、微妙に違います(どこかの地の文か会話文でちゃんと説明したいけど)。

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