宇宙海賊vsグランドマスター、そして呑気な二人
ゴーティマは、ガーゼインが飛び掛かってきたのを平然と受け流す。
それを見て、リンが話し始める。
「えっと、どうしてタコ族のゴーティマがゴーティマを名乗ると、トラ族にとって侮辱になるんだ?」
「それ、今聞くタイミングかしら?」
「だってあの程度しか力出してなければ、どっちも本気ではないと思うし。殺し合うことはないでしょ」
「そういうことじゃないでしょ。ほら、作者が戦闘描写できなくて困ってるじゃない」
「ああ、また異世界の声が何か言ってきたのか。でもまあ、気にしなくていいんじゃない?」
「どこまで能天気なのよ!」
「まあ、落ち着いて。サラだったらそんな細かいこと気にしなかったと思うぞ?」
「そういう言い方は、ちょっとずるいんじゃないかしら、リン?」
そんなことを言っている間、ガーゼインが攻め、ゴーティマが余裕を持って受け流す展開が続いていたのだが、しびれを切らしたガーゼインが、とうとう魔銃を抜いた。
「曲がりなりにもそれなりに強くて自称してるって訳かい。だが、どう考えても、1050年前にトラ族を蛮族から救った救世主様が、今も生きてるなんてありえないんだよ。
アタイみたいな脳筋でも、それぐらいわかるわ!」
「ホッホッホ。伸ばせるのだ、寿命は。気を配れば、美貌に。使い方の一つだ、これも、魔力の」
「自分で脳筋って言っちゃうのね」
「ふむ。筋骨たくましいトラ族なら、あるいはニンゲンと異なって、神経系の中に筋線維が普通に混ざっていてもおかしくないな」
「は?何急に頭良さげな口調でバカなこと言ってるのかしら、リン?」
「いつも頭脳キャラ持っていかれてるから、たまにはカッコつけたくて、へへ」
「いや、そのポジションまでリンに取られたら、私とっとと作者に消されるから!それはやめて欲しいわ」
そうして傍観者のリンとレイが仲良く話している傍ら、ゴーティマは、勢いを増すガーゼインの平然と攻撃を受け流す。
一方のガーゼインは、やや焦燥した顔に変わり、魔銃を連射する。その銃弾は、ゴーティマに当たる前に、見えない壁に弾かれる。
「紛い物なのに、どうしてアタイの魔銃弾が通らないのさ?」
「ホッホッホ。力だ、これも、マハクの。
思い出した、1050年前。攻めてきたのだったな、旧連邦共和国の感知できなかった、ある知的文明が」
「知ったような口を利くんじゃない!」
「ホッホッホ。お主だろう、それは。生きていないのに、たかが30年しか」
「アタイの実年齢をさりげなく暴くな!…いや、ちがう、そこじゃないわね。アンタは生きていたかのような言い方じゃないか、それじゃ」
「そうだ。見るか、真の姿を、我の」
実は、受け流すことこそできても、ゴーティマもまた、ガーゼインの素早い動きに対して、攻める隙を見出せずにいたので、信じさせる効果も狙って、こう言った。
すると、相手は、嘲りを含んだ口調で返す。
「へえ、そんなら見せてもらおうかい」
「よかろう」
そして、ゴーティマの体からまばゆいばかりの光が発せられ、ゴーティマは、その本来の姿に戻った。
「こんなに早く年取る訳ないってんだ。アタイをバカにするのもほどほどにしな。それ、変装だろ?」
「終わらせよう、我が。よい、もう」
言うと、結界を操って、ゴーティマはガーゼインを縛った。
「あ、アタイが動けないだと?」
「信じてもらえるか、これで?」
「分かった。負けは認めるよ。でも、アンタがあのゴーティマの姉御だなんて、信じられないって」
「ホッホッホ。懐かしいな、姉御とは。変わらぬな、トラ族は」
「アタイらのご先祖様にとっては救世主様なのに、姉御って呼べって言ったのは、アンタなんだろ?言い伝え通りならさ」
「そうだったな、それも」
そしてまた光を纏って、ゴーティマは若い女性の姿に戻る。
傍らで聞いていたリンとレイは、何かを思い出したようで、互いに言い合う。
「姉御ねえ…」
「1000年以上、変わらないところがあるのね」
「まあ、一応は頼れるマハクのグランドマスターなんだろうけど」
一方のゴーティマたちは、また別のことを語り合う。
「だが、姉御が生きているんだったら、なぜあんなひよっ子に従ってるんだい?いくらアマカケの血筋を引くといっても、まだほんの少年じゃないか」
「強いのだ、あれでも。めくるほどにな、我のタコ足を」
「は?タコ族のタコ足をめくることの意味知っててやってるんだったら、アタイはそんなこと許せないわね」
「いいのだ、我は。いられるのだから、強き人と共に」
「姉御がそう言うなら、仕方ない、か」
そして、ガーゼインは、リンとレイの方に向いて、大声で言う。
「今日からアタイは正式にアンタらの仲間だよ。でも、リン、アンタの命令は受けないからな。
ここに姉御がいるから、ついていくだけのことよ。
アタイは宇宙海賊なんだから、気が向いた時しかアンタは助けないから、よく覚えときな」





