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来葉 龍の場合 その2 08


第十五節


「条件を付けたい」

「…一応聞こうか」


 足元を見る武林。


「丁度土俵がある。相撲形式で決着と行こうぜ」


 床にはチョークで描かれた円がある。先ほどの試合が一瞬で終わったのでほとんど乱れていない。


「足の裏以外が地面に付いた場合と、土俵を割った方が負けだ」

「メタモル能力は?」

「条件戦と言っただろ?相手でも自分でも女になってようが何だろうが関係ない。相撲で負けた方が負けだ」

「…」


 考えている来葉。

 橋場は心の中で「うまい!いいぞ武林!」と喝采を送っていた。


 普通は変身してようが関係なく試合が続き、変身以外で決着が付く条件戦を持ちかける場合、衣装によって戦闘にアドバンテージが付けられるプレイヤーが持ちかける。TDHとかな。

 ちなみに「TDH」とは、メタモルファイトにおいて相手に着せると運動能力を阻害するので有利になると言われている衣装の傾向の頭文字であるタイトスカートドレスハイヒールのことだ。

 だが、武林の能力は「女子高生の制服」で、靴も通学のための革靴かスニーカー。ミニスカートなので見えやすいことに気を削がれないんなら動きやすい。つまり、衣装で戦闘のアドバンテージを取れない。

 武林は元々「ケンカ好き」であって、純粋に戦いたいだけなのだ。

 メタモル能力者相手にもお互いにメタモル能力を封印したまま戦いをして欲しいタイプなのである。


 だが、残念ながらそんな試合はほぼ成立しない。

 仕方なく「相手が使うのは仕方がないが、自分は使わない」形式にするしかない。

 「相撲決着」ならば純粋なド付き合いで勝負が決まるってわけだ。


 そしてこの思い付きは恐らく来葉を窮地に追い込める。



第十六節


「それは…難しいな」

「ほう、自信がねえのか」

「格闘技は好きだがケンカ屋じゃない。野蛮なルールはゴメンだ。折角の能力持ち同士、頭脳を駆使して戦わないか?」


 橋場が真琴をひじでつんつんとつついた。

 一瞬橋場の方をみて眉を上げる真琴。


「りゅうた~ん、お相撲得意なんでしょ?折角だからガチのお相撲が見たいな~」


 色っぽさとは程遠いちょっと声の高い少年みたいな声室なんだが…効いたらしい。


「…分かった」


 分かりやすい奴だ。


「勝負に影響はしないが、メタモル能力の行使はありだな?」

「ああ」


 リングの中央に移動する二人。

 これまでとは違ったラウンドになる。

 こいつは最後には必ず勝つのに、何故かメタモルファイトそのものはお世辞にも上手いとは言えない。

 だから「メタモルファイトに必ず勝つ」相手にメタモルファイト以外のところで挑むってのは賢いやり方だ。


「では試合を開始します。あくまでも相撲による決着です。足の裏以外が地面に接触するか土俵を割ったプレイヤーの負け」

「打撃はパンチもキックもありで」


 武林が付け加えた。


「…それでよろしいですか?」

「…いいだろう」

「では認めます。打撃はありですが、目突き・噛み付き及び急所攻撃といった非紳士的行為はジャッジ権限で禁止します。メタモル能力の行使は自由。無論勝敗には直接影響しません」

「分かった」

「いいだろう」



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