来葉 龍の場合 その2 04
第七節
「それはない。真琴と戦った最初の試合でボロ負けしてるが、それなりに期すものがあったはずのあの試合で余裕をかます訳が無い」
「確かにそうですね…」
「興味深い相手だろ?」
「ええ」
「戦ってみたいか?」
「みたいです」
即答だった。
「そういうだろうと思って呼んである」
ガタリ!と立ち上がる武林。
同じタイミングだった。
「…橋場。ここでいいんだな?」
武林と同じく無骨で硬派だが、体格で勝る来葉の登場だった。
「よく来たな」
「うぃ~っす」
あんまり来葉の方を見ずに言う真琴。他意は無い。
「どうも、来葉さん。ボクが橋場さんの友人の斎賀です」
「あ…ああ」
頭一つは大きい来葉。
ほぼ同年代のはずなんだが、神様は残酷だ。
「き、鬼頭…さん。どうも」
ガチガチに上がっている来葉。
第八節
「あの…ボクらのミューズ(創造の女神)に余り気楽に声掛けないでもらえますか?」
「?ミューズって何?せっけん?」
「あ…まあいいです。メタモルファイターでしょ?勝負しましょう」
きょろきょろしている来葉。
「ここは…すごいな。都内にはこんな施設もあったのか」
「密閉した部屋もあるぜ。まあ、場代は取られるが条件戦にゃもってこいさ」
「来葉さん」
「ん?…ああ」
どうも余り斎賀のことが目に入っていないらしい。
「ここは衣装も充実してましてね。良かったらコスチューム・マッチでもやりますか?」
「何だよそれは」
「別に難しいことじゃありません。変身決着でも何でもいいんで、敗者は勝者の指定するコスチュームを着なくてはいけない…というものです」
「…何だって?」
「ボクらの着替えって所詮は能力の延長でしょ?一瞬で変えられちゃうけど、一瞬で戻っちゃう。ペナルティにしては安易すぎるんで、女になった状態で能力を使わず、物理的に女物に着替えさせられるんです。能力では戻れないからちゃんとペナルティになるって訳で」
「…余り気が進まんな」
「別に何でもいいんですよ。モティベーションになるなら」
また真琴の方を向く来葉。
「今回の試合は、関係ない…んですよね?」
「悪いけど関係ないね」
「じゃ、オレの強さのアピールってことでいいですか?」
あくまでも真琴の前でいいところを見せたいらしい。




