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来葉 龍の場合 その2 02


第三節


「まあ、それは分かったけどそれが最強って話になるのか?」

「組織がしっかりしてるってことは、外部には出てこないんですよ。出る必要が無いから」

「まあ、そうだろうが」

「出るにしても力士の寿命って短いですから。大横綱ともなれば二十歳前に横綱が当たり前で、二十代半ばにはもう引退ですから、引退する頃にはとっくに現役じゃ無いワケです。少なくとも全盛期には程遠い」

「はあ」

「限りなく現役の横綱で全盛期のパフォーマンスを維持したまま別の格闘技と対決なんてありえないと思われてた訳です」

「だから神秘性があったと」

「そういうことです。ただ、10年ほど前でしたか、実はほぼ全盛期に限りなく近いと言われていた元・横綱が格闘技界に殴り込みをかけたことがありました」

「あったっけか」

「その時に悲惨な大惨敗を喫しちゃったもんだからその辺から『相撲最強説』は言われなくなりましたね」

「ふ~ん…で?斎賀は強いと思うか?相撲」

「総合で戦うのは厳しいと思います」

「やっぱりそうなのか。なんで?」


 斎賀は熱いコーヒーをぐいっと飲んだ。


「まず、打撃がありません。殴ったり蹴ったりしません」

「え?でも頭突きとか張り手とか突っ張りとかは?」

「あれはありです。しかし、キックや拳で殴るのは駄目なんで、『殴り慣れていない』ことに加えて『殴られ慣れていない』。これは不利でしょう」

「ふ~ん」

「本来は「当身」(≒打撃)もキックも相撲の原型にはあるんですけどね。それにマワシ以外は裸で行うことが前提になってるのに相手はそれに合わせてはくれません。あと、寝技も無いので掛けられ放題。こりゃ駄目でしょ」



第四節


「そういうもんかね」

「あ、でもこれはあくまでボクの個人的な偏見です」

「それをメタモルファイトに応用すると…どうだ?」


 真剣な顔になる斎賀。


「その来葉さんの不思議な強さですが…別に相撲という技術体系に原因がある訳じゃないと思いますよ。…来葉さんって柔道っぽい動きをしたりはしませんでしたか?」


 考え込む橋場。


「…いや、特にこれと言って…。何でだ?」

「相撲と柔道は別の格闘技ですが、似ているところも多いんです。特に相手のバランスを崩す技術に長けている点なんかはね」

「バランスねえ…」

「能力はセーラー服だったんですよね?」

「それは間違いない。オレに加えて真琴まで食らってる」

「ごめんごめ~ん」


 とかいいつつメニューを見ている真琴。


「三人目のセーラー服使いかあ…」

「変身決着を好むタイプみたいだからあんまり恰好関係ないけどね」


 珍しく真琴のコメント。


「靴はなんでした?」

「普通のローファーの革靴に白い靴下だったけど」



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