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来葉 龍の場合 その1 05


第九節


「そうなのか?オレたちの間だと、負けた側はキスとスキンシップ提供するもんだったんだが」

「はぁ?」


 美少女のまま表情をゆがめる橋場。おろしたて状態で毛玉も無ければ、スカートのお尻がテカテカもしていないセーラー服は清楚だが表情がいかん。


「でないと必死にならんだろうが」

「…」


 なんという文化だ。そういうところもあるのか。


「とにかくオレはそんな約束はしてねー!大体パンツ観ただろうが!図々しいんだよ!」


 さりげなく自分のスカートの中に価値を見出していたりする。


「面白そうじゃん」


 頭上から声がした。


「…?あっ!」


 なんと木の上の枝のところに鬼頭真琴きとう・まことが座っていた。


「うぃ~っすぅ」


 何ともやる気の無い挨拶と共にひらりと降りてくる。まるで猫だ。


「あらひでちゃん可愛い」

「うっさい」


 真琴は背が高いので女にされて頭半分背が低くなっていると身長が逆転してしまう。相変わらずのジーンズスタイルだ。



第十節


「は…しば?…この人は?」


 目の前で固まっている来葉の言葉がたどたどしくなっている。


「んぁ?別に。ただの彼女だよ」


 セーラー服の女の子がそれを言うので若干倒錯的だ。その上真琴の格好はパッと見男の子にすら見える上に長身である。


「ほりゃっ!」


 真琴の手が橋場のスカートに伸びる瞬間に元に戻ってスカートめくりを回避する橋場。自由に性転換&女装のオフを使い分けられる能力持ち同士のカップルならではの攻防だ。


「おしいっ!」

「いつも同じ手を食うかよ」

「あっそ、それじゃぁ…」


 真琴がにやりとした瞬間に距離を取る。こいつはメタモルファイト開始の同意なしでも能力行使が可能な特殊系だ。

 とはいえ、流石に全く無条件という訳にはいかない。事情を熟知したファイターが構えていれば多少は抵抗できる。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!」


 あくまでも来葉が声を差し挟んでくる。


「…何だよ」


 すっかりカップル同士のスキンシップの気合が削がれてしまった。



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