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リチャード・ケイジの場合 42



第八十三節


 そんなこんなで二人とも元に戻っている。


「しっかし、ダニーさあ」

「何だよ」

「お前って本当にメタモルファイトに関しては凄いよなあ」

「他は駄目なのにってか?」

「いや、そうは言ってないが」

「ま、別に構わんよ」


 す…と割り込んでくるリチャード。


「ダニーくん!是非個人的に契約して欲しい!」

「…いいぜ」


 意外な言葉だった。


「いいのかよ」

「こいつ…リックでいいか?」

「もちろん!」

「リックは中々のアイデアマンだ。面白そうなんでな」

「お前がいいならいいんだが…」

「何だよ?心配してくれてるのか?」

「まあ…なんつーか」

「あのな、メタモルファイターは自分を変えることが出来んのだ。つまりオレが女になった上愛人になってリックに囲われる心配なんぞないんだぞ?」

「…そっか」

「仮にメタモルファイトに負けたとしても恐らくメタモル能力は保持したままだ。てことはリック以外の一般人に対する貞操も守られる」


 仮に女体化&女装させられたダニーにリックが襲い掛かっても返り討ちにあってチアリーダーにされるわけだ。一生戻れない変身として。


「話しは戻すがリックよ」

「何かな?」

「オレはこのゲーセンの店員は辞めない。その上でメタモルファイターを探す」


第八十四節


「探す?」

「ああ。メタモルファイトを見せるにはメタモルファイトに合意してくれたメタモルファイターが要る。現状ではそんなのいないんだから(しばら)く待ってもらわにゃならん」

「そんなことか!心配いらん!オレがジョーと別れて何年待ったと思ってるんだ!」

「ジョー?」

「…後で解説してもらいな」


 シンがフォローしておく。


 その一方でシンの脳裏には色々と問題点が渦巻いていた。

 確かにメタモルファイトは条件設定が出来る。

 お互いが同意さえしていれば勝利条件・敗北条件のみならず、変身トリガーや元に戻る際の制限なども設定可能だ。

 と言うことはつまり、「負けた相手は男とのセックスを1回以上すること」みたいな条件設定も可能ってことになる。

 また「元に戻る期限10年」とかな。

 永遠に戻れないのに比べればマシとはいえ、これはえらいことになった。まあ、お互いに同意しなければいいってだけだが。

 とはいうものの、原理的に「可能である」と「そうでない」こととの差は限りなく大きい。



~その晩~


「待たせたな。これがお前のIDとクレジットカードだ。スマホもある。無くすなよ」


 目の前にずらずらと並べられるアイテム群。


「…こりゃすごいな」


 ここは地下のクラブである。周囲は喧騒に包まれており、ステージ上では物凄い声量の歌手がソウルフルに歌を披露している。

 リチャードの事務所の弁護士たちは少し離れたテーブルで飲んでいるらしいが、シンとダニーたちアウトローは直接出会わないことにした。

 当然ながらリチャードの会社に雇われる形式ではなく、リックが直接雇っている形となる。


「もしかしてGPSで監視されてる?」



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