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4.変革

長期の休載申し訳ありません。

約二年ぶりの更新となります。。

長い間ブックマークを外さずに頂いてありがとうございます。

今後は定期的に更新、、、と言いたいところですが長期の休載で作者自身もプロットやら書き方も忘れておりますので、またのんびりとしたペースが続くかと思います。

今のところストックは1話分のみありますので1週間を目処にその分は投稿したいと思います。

話は過去へと遡る。


未来人失踪の報を受けた日本政府は、満州における政策を再検討した。

再検討はした、のだが・・・。


国内、特に満州の独占を狙う経済界の反発が大きく、最終的にはアメリカからの鉄道共同経営の提案を蹴ってしまう。

なお、日比谷などで発生した焼き討ち事件は警戒していた警察・消防などによって早々に鎮圧された。

未来からの中途半端な介入が行われた世界。

そこから生まれた歴史とは・・・


▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


日暮れとともに降り始めた雪は次第に勢いを増し、周囲を白く染め上げている。

多くの人々が眠りに就いた後の、深夜の静寂は突如として破られる。


「スクランブル!」

騒々しいベルが基地内に鳴り響くと同時に、パイロットと整備員は格納庫(ハンガー)に駆け込む。


内蔵するAPUを使い、自力でEJ-200(エンジン)を始動した2つの翼は眠りから目覚める。

「タイフーン・ワン。こちらは三沢タワー(ディスイズミサワタワー)感明度いかが(ハウドゥーユーリード)?」

感明度良好(ラウドアンドクリアー)続行せよ(ゴーアヘッド)。」

「スクランブル命令(オーダー)離陸後(アフターエアボーン)方位(ヘディング)080で高度(エンジェル)25000ftまで上昇せよ。使用滑走路は(ユージングランウェイ)28。」


整備員がミサイルから赤いピンを引き抜き、パイロットに見せる。

パイロットはそれを確認し、無事に2基のエンジンが始動した機体を吹雪の中へと進めた。

アフターバーナーの炎を引きながらデルタ翼とカナードを併せ持った機影(タイフーン)が飛び去ったのは、それから僅か2分後の事であった。


そう、ここは日本国防空軍、三沢基地。

日本国の北の空を護る最前線である。


▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


未来からの入れ知恵により、史実よりも強力となっていた大日本帝国であったが米国との開戦を避けることは出来なかった。

日本軍は進歩した兵器により緒戦をより有利に進めることとなるが、国力の差は覆せず本土決戦へと突入する。

米国はオリンピック作戦を発動し九州を手中に収めると、次の段階である関東上陸(コロネット)作戦を実行しようとする。

それに対抗するため日本軍は満州・中国から兵力を抽出し、満州の防備が薄くなった時だった。突如としてソ連が対日参戦し、関東軍は一瞬のうちに壊滅した。

軍令部としてはソ連の参戦も考慮に入れていたが、背に腹は代えられないと本土防衛のために戦力を引き抜いたタイミングで発生した悪夢であった。

十分な戦力がいない満州をソ連は我が物顔で蹂躙し、朝鮮半島を目前としていた。

日本の悪夢はまだ続く。

ソ連軍が南進を始めると同時に、ウラジオストクからは隠密裏に大船団が出航していた。

その船団が向かった先とは・・・北海道である。


1947年、大日本帝国は連合国に無条件降伏し、日本列島はアメリカ・ソ連・イギリス・中国によって分割統治が行われることとなる。

このうち、アメリカ統治となった本州はすぐに返還され西側陣営である「日本国」が発足。

中国、イギリス管理下の四国・九州に関しては1952年に結ばれたサンフランシスコ平和条約で日本国に返還されたが、この条約にソ連は参加していなかった為に北海道は返ってこなかった。

それどころか西側諸国との間にのみ結ばれた平和条約に反発し、北海道に「北日本人民共和国」を建国すると共にこれを承認。

これ以降二つの日本は狭い津軽海峡を境に睨み合うこととなる。


朝鮮半島の情勢も史実とは大きく異なる。

関東軍はソ連軍の半島侵入阻止に失敗。

ソ連軍が釜山まで到達した頃、ようやく講話が成立する。

半島はそのまま全体がソ連の影響下に入り、ここに朝鮮社会主義人民共和国が建国される。

大韓民国は存在せず、日本国は二つの仮想敵国と国境を接することとなる。

当然、国防も史実より重視され1948年には米軍から装備の供与を受け、国防軍が創設される。

その内訳は陸海空の三軍からなり、国防海軍には帝国海軍の残存艦である戦艦長門や空母葛城・笠置・生駒、伊四〇〇型潜水艦をはじめとする多数の艦艇が編入された。


1953年。

サンフランシスコ平和条約で独立を回復した日本国はソ連との国交を樹立するべく努力していた。

しかし、ソ連は北日本人民共和国を唯一の日本政府であるとし、日本国との交渉に応じる構えではなかった。


1954年4月。

オホーツク海から流氷が消え、雪国でも春の訪れをようやく実感できる頃、日本中を震撼させる出来事が起こる。

「ソ連太平洋艦隊、ウラジオストクを出撃す。」

史実と異なり、第三次五カ年計画を完遂したソ連海軍はソビエツキー・ソユーズ級戦艦やスターリングラード級重巡洋艦など、アメリカほどではないが強力な艦隊を有していた。

そして、衝撃を受ける日本国政府に更に凶報が入る。

「対馬及び津軽半島、下北半島に大規模なソ連軍部隊が上陸。」

そう、これが後に第一次津軽海峡紛争と呼ばれる戦争の幕開けであった・・・。

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