表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

3.再び過去の世界へ

本格的な戦記物となるのは1940年代に入ってからです。

おそらく後3話ぐらいはこんな感じの流れが続きます・・・。

周囲で驚き慌てる人の声が聞こえる。

それが耳に入り、意識を覚醒させた俺はにこやかに微笑みながら口を開いた。


「どうも、みなさん。私は未来から来た日本人です。

ところで今は何年なのでしょうか?」


▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


1895年初頭、謎の未来人からの接触を受けた日本政府はその言葉を受け、それ以後の朝鮮に対する外交方針を変更した。

それと同時に、卓上に残された謎の機械(P○P)が調べられ、その技術に驚愕すると同時にゲーム内の兵器図鑑を見ることで今後の兵器の進化を目の当たりにした。

(謎の機械はすぐに電池切れのため動かなくなってしまったが...)


その結果、日清戦争後に起工された富士型戦艦・敷島型戦艦は蒸気タービン搭載で球状艦首(バルバス・バウ)を持つド級艦となり、国内で建造されることになった。

結果として建造期間は延びたものの、機密保持は成功し、これらの艦船は初陣となる日本海海戦まで秘密のベールに覆われていた。

なお、新型日本戦艦の詳細が明らかになる前に英海軍がドレットノート級の建造を発表したため、以降の戦艦を「ド級」「超ド級」などと称する点は変わらなかった。


そして1905年5月27日。

Z旗を掲げた連合艦隊は新型艦の「斉射(せいしゃ)」と蒸気タービン搭載の速力を見せつけ一隻の喪失艦も出すことなく完勝。

世界に大日本帝国海軍の名を轟かせた。


陸戦に関しては謎の機械から十分な資料を得ることが出来なかったため革新は進まず、日露戦争は史実と同様の流れを辿る。


そして1905年7月。

樺太を攻略し、和平への条件を詰める閣僚会議。

その場に俺は姿を現したのであった。


▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


「そうか、君が伊藤さんが言っていた未来人か。今は1905年の7月。

現在日本は日露戦争の講話を進めようとしているところだ。

そして私は総理大臣の桂太郎だ。」

そう総理の桂が言う。


(そうか、今は1905年か。

で、日本の優勢が明らかになってポーツマス条約の細部を決めようとしているところかな?

じゃ、早速パソコンの召喚を試してみよう。)


前回のタイムスリップで俺は「枕の下に置いたものは召喚できるのではないか?」という仮説を立てた。

そこで今回はノートパソコンを枕元において眠りに就いたわけだが、どうかな?


(パソコンを俺の右手に・・・)

するとパソコンが突然現れ、俺の右手に収まっていた。

(よし、うまくいったぞ。)


それを見ていた閣僚達は口をあんぐりと開けていた。

「前回は同じように携帯ゲーム機というものを持ってきたんですが・・・。」

「ああ、それなら現在政府が厳重に管理しているよ。

あれには大変お世話になった。すぐに動かなくなってしまったがね。」


なんと、俺が過去に忘れた携帯ゲーム機はこの世界に残っていたらしい。

元の時代に帰ったら何事もなかったかのように俺の枕元にあったからこっちでは消えていると思っていたが。。


ちょうどパソコンの起動も終わったので、日露戦争の後の歴史を見てもらうことにする。


日露戦争で勝利を収めた日本はロシア帝国の南下を阻止することに成功する。

さらには樺太の南半分の割譲を受け、満州への手掛かりを得ることとなる。

また、列強諸国における日本の評価が上がったことで不平等条約の改正にも漕ぎ着けた。

しかし、賠償金を得ることが出来なかったために戦費のための莫大な借金を抱えることになる。

重税に喘いでいた国民は「賠償金なし」という条件に納得できず、日比谷焼き討ち事件などが起こることになる。


「これがこの後に起こるであろう出来事です。

特にこの満州への進出は大きな意味を持っています。

アメリカは早くから中国という巨大市場に目を付けていました。

しかし、満州を独占した日本は中国相手にも戦争をすることになります。

当然中国市場を狙っていたアメリカからすると日本は邪魔な存在となり、これが後の太平洋戦争へと繋がるきっかけとなってしまうのです。

アメリカの国力は日本が太刀打ち出来るものではありません。

そのために何としてもアメリカを敵に回さない工夫が必要となります。

幸いにも、日本が満州の権益を得た直後に向こうから鉄道の共同経営の打診が来るはずですからそれを受けるのがよろしいかと思われます。

どのみち満州は日本だけの資金で開発できるものではありませんし、そこで外国の資金を利用するのです。

その分の資金はやはり国内のインフラに使うべきでしょう。

例えば東京~大阪間。ここは経済発展が進むと真っ先に交通量が急増しますから出来るだけ早く高速鉄道と高速道路で結びましょう。」


「その鉄道の共同経営の話については既に聞いている。

だが、小村君が強く反対してるんだよなぁ・・・。

そうだね、小村君。」


そう桂首相が話を振るとちょび髭でおなじみの小村寿太郎外務大臣が口を開いた。


外「確かに私もアメリカのその巨大な国力は驚異であると考えます。

だからこそ何としても彼の国の中国への進出を阻止しなければならないのです。

彼の国が中国に進出するとその国力は更に大きくなるだけでなく、有事に我が国は両方から挟み撃ちを受けることになるのです。

ですからアメリカによる中国進出は阻止するべきであると考えます。」


首「だ、そうだが。どうするのかね?」


「もともと日本にとってアメリカは勝てる相手ではありません。

ですからここで恩を売っておいて、味方に引き込んでおいた方が遙かに得策でしょう。」


外「だが、しかしアメリカとは太平洋の覇権を争っているわけで・・・。

そんな国相手にアメリカが手を結んでくれるとは思いませんな。」


「それは私が来た世界を見てもらえれば良いかと思います。

未来の日本はアメリカと同盟関係にあり、大きな恩恵を受けています。」


外「しかし、それは日本が太平洋戦争で負けアメリカの統治を受けたからではないですか?

少なくとも現時点ではアメリカは潜在的な敵国であることに変わりはありません。

彼の国とはやはり太平洋の覇権を争うことになるでしょう。」


ああ、めんどくさい。

このまま話を続けていても平行線を辿るだけだろう。

ここは話題を変えるか。。


「まあ、この話はまた後にしましょう。

そういえば富士型戦艦からは大きく設計を変えましたね。

これからの戦艦は主砲を3つか4つの主砲塔に集約し、副砲を減らしたものになるでしょう。

その頂点となるのが、1941年にこの日本で造られる46cm砲を積んだ大和型戦艦で、その射程は実に40km程にもなります。

ですが、戦艦以上に重要となる艦種があります。

それが航空母艦です。

戦艦では40km先の目標を狙うことで精一杯ですが、航空機では何百km先もの目標を攻撃することが出来ます。

この航空機に重要なのはエンジンです。

私が来た日本では高馬力のエンジンを作ることが出来ず、そのために航空機の性能向上を図れなかったために大変な苦労をしました。

また、陸戦にも戦車というものが重要になってきます。

戦車とは1914年に欧州で勃発する第一次世界大戦で発明されるものです。

第一次世界大戦では機関銃などが開発され、歩兵や騎兵による突撃が無意味なものとなり、塹壕戦となるのですが、この銃弾の嵐を越えて塹壕に攻撃する手段として考えられたのが戦車です。

戦車は銃弾を弾くことのできる装甲と不整地でも行動するため無限軌道(キャタピラ)を備えています。

当初、戦車は歩兵支援目的で開発されましたが、次第に対戦車戦を念頭に置いたものに変わることになります。

装甲はより厚く、主砲はより大きなものになり同時に重量も大幅に増加します。

その際に重要となるのはまたまたエンジンです。

ですから、国内で高性能なエンジンを量産できるように工作機械を大量に買い付けるのが宜しいかと思います。

同時に工業規格の策定も忘れないで下さいね。

また、兵器を動かす搭乗員の育成を簡単にする為にも庶民に車を普及させましょう。

これらの兵器の情報は私が持ってきたノートパソコンに入っていますので、どうぞ研究なさって下さい。」


首「それはそれは、どうもありがとう。

弾丸列車(新幹線)と高速道路は1910年には東京~大阪で。

20年には大阪~福岡も完成する予定だ。」


扉が開き、秘書らしき人が首相の耳元で何事か囁いた。

首「もう遅くなったので今日のところはお開きにしたい。

未来人の方にはこちらで宿を手配するが、それで宜しいかな?」


時計を見ると既に夜の11時を過ぎていた。

俺はその申し出を受け入れることにし、用意された宿で眠りに就いた。


▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


耳元で目覚まし時計がけたたましく鳴り響く。

(目覚ましなんてセットしたっけなぁ・・・?)

と思いながら目を開けると、そこはいつもの見慣れた自室だった。

どうやら"向こう"で眠っても、未来に送り返されるらしい。

(さて、今回はどれぐらい歴史が変わったかな・・・?)

そう思いながら俺は自室を出て、朝食の待つ食卓へと向かった。

主人公の能力的な?

枕元においた物を過去の世界に持っていける。

持って行った物は複製される感じで、主人公が未来に帰ってくると何事もなかったかのように元の場所に存在している。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ