2.変化のはじまり
かなり短めの話です。
代わりに次回は長めかも?
次回も1週間後に投稿予定です。
朝食を食べ、学校へと向かう電車の中でニュースをチェックするのが俺の毎日の日課だ。
今日もいつものように満員電車でニュースサイトを開き、目に入った記事を開く。
ちょうど年間のGDP統計が発表されたところのようで、特集記事が組まれていたのだが、その見出しに違和感を覚えた。
[2014年度の年間GDPが発表。年率4.11%と堅調な成長を続ける]
あれ、日本のGDPってこんなに高かったっけ?
そう思いながら記事を読むと日本のGDPは世界第二位を維持しており、中国が第二位ではなかった。
貿易統計もずっと黒字を維持しており、これも俺の記憶と異なる。
慌てて歴史を調べてみると、日清戦争後に朝鮮併合は行われず、その代わりに朝鮮戦争は長引き、国土は荒廃していた。
この世界でも朝鮮戦争は韓国+アメリカVS中国共産党+北朝鮮で行われ、結果として国境が42度線付近なのは変わらない。
朝鮮戦争が長引いたことで経済発展が中韓ともに遅れ、結果として車や機械、精密機器などは日本がトップシェアを誇っていた。
特に韓国は、日本に併合されなかったことでインフラ整備が遅れ、主な産業は農業、また現在でも市街地では停電が頻発するという有様であった。
それでも、太平洋戦争の推移は変わらず、東京大空襲や2つの原爆投下、日本の無条件降伏で終わったのは変わっていなかった。
(俺の知る歴史と異なる・・・。やはり昨夜の夢は・・・。。)
そうこうしている間に電車は学校の最寄り駅に着き、また退屈な日常が始まった。
え、授業?
地理歴史とか今までの知識が役に立たないし、全くわからなかったよ。
帰宅した俺はベットに腰掛けながら考えた。
(昨日の夢は現実の出来事のようだ・・・。)
(俺はタイムスリップをして、そのときの言葉をきっかけとして日本の大陸進出は行われなかった。)
(その結果として日本は台湾を維持し続け、竹島と尖閣もきっちりと実効支配している。)
(なら俺が日本を更に良い方向に導くこともできるんじゃないか?)
(いや、これはきっと俺に与えられた使命なんだ。)
(まずは大量の犠牲者を出した太平洋戦争。その悲惨な結末を回避してみせる!!)
そう結論づけた俺は自分のノートパソコンに様々な資料を保存し始めた。
どうすれば悲惨な敗北を避けることができるのか。
どうすれば日本をより良い方向に導けるのか。
その作業を終えた俺はいつも通り飯を食べ、風呂に入り、決行の時を待った。
そして深夜。
両親が寝静まった頃を見計らい、今度はノートパソコンを枕の下に置いた俺は再び過去へと旅立ったのであった。
1940年頃まではかなり飛ばします。