プロローグ
「おやすみなさーい」
そう俺は明かりの消えたリビングに向かって呟き、自分の部屋に向かう。
時刻は0時を少し過ぎたところ。
寝るのにはまだ少し早そうだ。
共働きの両親は仕事の疲れからか既にぐっすりと熟睡中だ。
しめしめと思いながら隠してあった|携帯ゲーム機(P○P)を取り出した俺はソフトを起動させつつベットに潜り込んだ。
現在、高校2年生である俺は中高一貫の男子校に通っている。
そこで出会った友人の影響を受け、軍事オタクの道に足を踏み入れた俺は最近あるゲームにはまっていた。
それは第二次世界大戦を舞台とした戦術ゲームで携帯ゲーム機向けにリリースされているものだ。
我が家ではゲームの時間が細かく決められており、なかなかやり込むができない。
だが、その点携帯ゲーム機では小さくて隠しやすいので親に隠れてコソコソとプレイすることができる。
そういった理由で親が寝静まった後に布団に巻かれながら携帯ゲーム機を弄るのが最近の俺の日課と化しているのだ。
さて、昨日はどこまでやったかな?
あー、ガダルカナルをめぐる戦闘のマップだったか・・・。
そもそもこんなところまで戦域を広げすぎだろ。
おかげで補給線伸びきってボコボコにされたわけだし。
ん、なんか急に眠気が・・・。
ちょっと睡眠時間削りすぎたかなぁ・・・。
ふぁぁ、お楽しみはこれからだってのに・・・Zzz...
突然として襲ってきた眠気に耐えられず、俺はなんとか携帯ゲーム機を枕の下に隠したところで意識を手放したのであった。