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第12話 2ヶ月後

中盤で2ヶ月ほどキングクリムゾンします。


「それじゃー早速ヤるぞ!と言いたいところだが、お前たちも初体験の前に心の準備くらいはしたいだろ?俺は8号室で待ってるから、風呂にでも入って来い。そんで、俺の(モノ)になる覚悟が出来たら部屋に来い」


宿屋に戻った透矢は3人の少女たちにそう告げた。


「・・・わかったわ」


「うん」


「い、行ってきます・・・」


少女たちは透矢の指示に従い、階段を上ってそれぞれ別々の部屋に入って行った。


「あの・・・私はどーすれば良いのでしょうか?」


1人ロビーに残された舞は、困惑した様子で透矢に尋ねた。


「お前はあいつらが来るまで俺の相手をしろ。昨日はデスペナでずっとマグロ状態だったし、今夜はお前の腰使いをたっぷり堪能させて貰うぞ?」


「・・・う、上手く出来るか分かりませんが、精一杯頑張ります」


「別に下手でも怒らんから、そう緊張するな。その時は俺がカラダに直接教え込んでやるから安心しろ」


「は、はい・・・」


透矢は早くも蕩けた表情をしている舞の腰に手を回し、8号室へと向かった。




「さぁお前たち、夜はまだまだこれからだぞ?」


「・・・残念ながらこれ以上は無理よ」


透矢は4人の少女たちを取っ替え引っ替え抱き続けた。


そして、少女たちの体力が回復したのを見計らって再び抱こうとした時、ふいにシャルに話し掛けられた。


「・・・何?無理ってどーゆー意味だ?」


「ステータスを見れば分かるわ」


「ステータスだと?・・・何だこれは?」


透矢はシャルに促されてステータスを出現させると、そこには『レベル1』と表示されていた。


「・・・シャル。どーゆーことか説明してくれ。何故俺のレベルが1に戻ってるんだ?俺は死んだ覚えは無いぞ?」


透矢のレベルは、昨夜オークションに参加した時点では間違いなくレベル3だったのだが、今は何故かレベル1になってしまっていた。


原因不明のレベルダウンに困惑し、透矢は堪らずシャルに質問した。


「ふんっ。そんなの、トーヤがスケベだからに決まってるじゃない!」


しかしシャルは不貞腐れた様子でそっぽを向いた。


「・・・スケベだから?すまん。全く意味が分からんのだが?」


透矢は首を傾げて聞き返した。


「・・・男のアレは、云わばエネルギーの塊よ。現実ではカロリーって呼ばれるけど、ここではそんな物じゃないわ」


一度はそっぽを向いたシャルだったが、ついに諦めた様子で話し始めた。


「・・・まさか?」


シャルの言葉を聞いた透矢は、はっとした様子でシャルの顔を見返した。


「そのまさかよ。ここではカロリーじゃなくて、経験値がそれに相当するの。消費すれば当然レベルも下がるわ」


「なんてこった・・・あっ!じゃーもしかして、俺のが勃たなくなったのは・・・」


「出し過ぎて保有経験値が完全に0になっちゃったからよ」


シャルは、ベッドの上に転がる4人の少女たちをジト目で見つめた。


「そーゆーことか・・・ちなみに、その消費した経験値はどーなるんだ?出した瞬間に消滅してしまうのか?」


透矢は納得した様子で頷き、さらに質問を続けた。


「・・・性別が女なら、プレイヤーとNPCどちらも吸収可能よ」


「方法は?」


「・・・直接体内で出せば、そのまま吸収されるわ。外に出した場合も10分以内に体内に取り込めば、同じく吸収出来るわ」


シャルは嫌々教えているといった表情で透矢の質問に答え続ける。


「なるほどな。女にはかなり厳しいゲームだと思ったけど、こーゆーとこでバランス取ってんのか。PKした後に抱くなら特に問題ないけど、もし順序を逆にしちまったら、自分の経験値を根こそぎ持って行かれて、最後に報復されるってオチだな」


透矢はその場面をリアルに想像し、乾いた笑みを浮かべた。


「それだけじゃないわよ?カロリーが経験値に相当するとしたら、遺伝子情報は何に相当すると思う?」


透矢のなんとも言えない表情に気を良くしたシャルは、逆に透矢に出題してきた。


「遺伝子に相当する物ねぇ・・・まさか、スキルか?」


「ふふっ、正解よ!まぁ流石に100%の確率でラーニング出来る訳じゃないけどね?男女共に低レベルなら、精々0.1%ってとこかしら?」


半信半疑な顔で答えた透矢に、シャルは笑顔で正解を告げた。


「マジかよ?ヤるだけでスキルをラーニング出来る可能性まであるってのか?それは流石にチートじゃねーのか?」


「女の子はか弱いんだから、それくらいの優遇は当然よ!」


透矢は納得のいかない様子だったが、シャルは薄い胸を張って権利を主張した。


「別にシャルが威張るとこでもないと思うんだが・・・てゆーか、そもそもお前にもレベルってあんのか?」


「プレイヤー依存だけど、一応あるわよ?」


「へぇ。ちなみに、レベルが上がると何が出来るようになるんだ?」


「それはまだ内緒よ」


シャルはウインクをして誤魔化した。


「・・・まぁいいか。とりあえず、これで当面の方針が決まったな。夜の性活の為の経験値稼ぎとスキル習得を兼ねたMOB狩り三昧だ」


シャルの能力が気になりつつも、シャルが内緒と言う以上今は絶対に教えてくれないのだろうと理解し、透矢は一旦忘れることにした。


「あの、透矢様・・・私たちはどうしましょうか?」


先程までベッドに横になっていた舞が起き上がり、4人を代表して発言した。


「・・・テレサとステラはここで留守番させた方が良いだろうな。俺たちがMOB狩りをしている間、2人は『内職』を頼む」


「内職ってなーに?」


ステラはちょこんと首を傾げながら透矢を見つめてきた。


「・・・ふ、2人には『特殊なアイテム』を作成して、とある店に売って来て欲しいんだ」


ステラの純真無垢な瞳に浄化されそうになりつつも、透矢は2人に指示を出した。


「・・・私はアイテム作成スキルなんて持ってないわよ?」


「ステラもー」


テレサとステラは透矢の謎の指示に困惑した。


「いや、スキルなんて無くても簡単に作れるから安心しろ。そーだ!折角だし、ここで舞に実演して貰うか?」


「・・・え?と、透矢様?もしかして、みんなの前で『する』んですか?」


いきなり自分に話を振られた舞は、驚きの余り固まってしまった。


「あんなに高値で売れたんだ。自信を持て!」


「・・・そ、そんなの無理ですぅー」


思わず絶叫する舞だったが、結局透矢の命令に逆らえず、顔を真っ赤にしながら公開自慰を披露し、羞恥心に悶えながら眠れぬ夜を過ごすのだった。




時は流れ、2ヶ月後。


透矢はレベル15、舞はレベル13、雫はレベル12、テレサとステラはレベル7になっていた。


現在のプレイヤー数は、男が約3000人で女が約1000人である。


透矢がログインした2ヶ月前と比べると実に40倍もの数に膨れ上がっていることになるのだが、プレイヤーの数は最終的には2万人になる予定なので、ここからさらに5倍に増えるということになる。


そして、2ヶ月前との最大の違いはプレイヤーの数が増えたことそのものではない。


プレイヤーの数が定員の1/10に相当する2000人に達したことで解放されたシステム『プレイヤーによるギルド設立』によって、大小多数のギルドが乱立されたことこそが最大の変化と言える。


今現在一番有名なのは、男性プレイヤーの1/10に相当する約300人が在籍しているPKギルド『女狩り』である。


彼らがその身に刻むエンブレムは、♂が♀を貫いているマークであり、彼らはその名とエンブレムが示す通り、女性プレイヤーを集団でPKし、デスペナで動けなくなったところを襲うことのみが目的だ。


このゲームにはGMが存在しない上に、NPCの治安部隊はNPCに危害を加えた場合でなければ動かない為、一時期女性プレイヤーが宿屋に引き篭もって出て来ないという現象が起こった。


そんな事態を打破する為に設立されたのが、女性プレイヤーの半数以上に相当する約600人が在籍している女性限定ギルド『(アイアン)処女(メイデン)』である。


彼女たちのエンブレムは内側に大量の釘の生えた棺であり、処女を守り抜くという意志と『女狩り』のメンバーを絶対に許さないという意志が籠められているらしい。


彼女たちはお互いの身を守る為に常に集団で行動し、万が一メンバーが襲われた際にはギルドメンバー全員で草の根分けてでも犯人を見つけ出して報復することで知られている。


彼女らの報復方法はその時々で様々で、普通にPKされて裸で町の目立つ所に放置されるなんてのは序の口だ。


最近では万年発情期であるゴブリンやオークなどの亜人タイプのメス型モンスターがいる巣に裸で投げ込まれたりするらしい。


・・・その後の彼らの運命を知る者はいない。


何故なら、彼らは決してそこで遭った出来事について語らないからだ。


唯一判明しているのは、彼らが全員ギルドを退団し、2度と女性プレイヤーを襲わなくなったらしいということのみである。


3番目に有名なのは、僅か10数名で構成される援交ギルド『娘々(ニャンニャン)』だ。


(アイアン)処女(メイデン)』の『処女でなければならない』という加入及び在籍条件に反発し、むしろ積極的にシステムを利用して、男から金と経験値を絞り取ってやろうと設立されたギルドだ。


彼女らのエンブレムは、コンドームの上に太字で大きく×印がされたマークである。


現在の相場は一発1000Gと普通のプレイヤーにとってはかなりの高額なのだが、このギルドのメンバーはどの娘も美少女と言って差し支えない容姿な為、連日予約が絶えないらしい。


そして、その次に漸くまともなギルド『情報屋』が名を連ねる。


エンブレムは新聞とペンであり、これには約50人が在籍し、少数ながら女性プレイヤーもいる。


金さえ払えばMOB情報から各種イベント情報、さらにはプレイヤーの個人情報(ゲーム内の)すら手に入れられるという噂だ。


有名ギルドのトップがPKギルドで、次がその対抗勢力、3番手がイロモノな時点で今の現状が窺えるというのものだ。


では何故真っ当な攻略専門のギルドの名が挙げられないのかと言うと、そこにはある重大な理由がある。


実は、肝心要のゲームのクリア条件が未だに謎に包まれているのだ。


魔王を見つけて倒せば良いのか、何らかのアイテムを集めれば良いのか、何も分からないのでは攻略も糞も無い。


その結果が先程の認知度という訳だ。


プレイヤーの総数が定員の半数の1万人に達した時点で正式に発表されるらしいので、今のペースでプレイヤーが増え続けるとすると、あと2ヶ月もすれば明らかになる筈だ。




「ん?あの女・・・」


透矢が町の現状を考えながら舞と雫と共にMOB狩りを終えて町に戻って来たところ、前方を歩く少女に目を奪われた。


「プレイヤー・・・ですよね?」


「わぁ、綺麗な金髪だねぇ」


透矢の呟きに反応した舞は、少女に目をやった後に首を傾げ、雫は少女の髪に目を奪われていた。


2人の反応の理由は、このゲームに外人がいないことに起因する。


もちろん金髪のNPCを目にすることは多々ある。


むしろ、NPCにはアニメキャラのようなカラフルな髪をした者だっている。


身近なところではステラがそうだ。


彼女の髪は薄いピンク色のツインテールである。


現実にいたらドン引きだが、ここでは不思議と違和感を感じない。


なので、別段金髪が珍しい訳ではないのだが、先程の少女は左手の甲に『あるギルドのエンブレム』が刻印されていたから問題なのだ。


「あのエンブレムは『(アイアン)処女(メイデン)』だ。NPCをギルドに在籍させることが出来ない以上、あの女はプレイヤーってことで間違いない」


「・・・ハーフでしょうか?それともクォーター?」


一昔前ならいざ知らず、今時金髪に染めてるような女は殆んどいない。


ゲーム内には髪を染めるアイテムもあるにはあるが『(アイアン)処女(メイデン)』に所属しているような少女が髪を染めるとは考え難い。


ということは、少女の髪が天然物である可能性が高い。


余談だが、ステラはピンク髪で、舞と雫は黒髪、テレサは茶髪だ。


何が言いたいかと言うと、現在透矢のハーレムには金髪枠が足りないということだ。


ここは是非、無理矢理にでも勧誘しなければならない。


そう考えた透矢は、舞と雫に『ある指示』を出すことにした。


「どちらでも良いさ。そんなことりも、かなりイイ女だったよな?」


透矢は一瞬見えた少女の横顔を思い出しながらニヤついた。


「・・・あの、透矢様もしかして・・・?だ、駄目ですよ?彼女はメイデンのメンバーです。手を出したら、どんな目に遭わされるか・・・」


舞はゴブリンの巣に投げ込まれる透矢の姿を想像して顔を青くした。


「まぁ待て。俺に考えがある。今からお前たち2人であの女に話し掛けて来るんだ」


「何を話せば良いの?」


メイデンの黒い噂を知らない雫は、透矢の愛人兼姉貴分が増えるくらいにしか理解しておらず、舞とは対称的に明るい表情だった。


「俺たちが無所属プレイヤーであることを逆に利用するんだ。お前らがメイデンに入ろうか迷ってるから詳しい話を聞きたいとでも言えば、あの女は喜んで乗って来るだろう。そこで適当に話を合わせつつ、どうにかしてフレンド登録するんだ。欲を言えば、そのまま宿屋に連れ込めれば言うことは無い」


ギルドシステムが解禁されたものの、設立条件はギルドマスターを含めたプレイヤー4名が必要だった為、透矢たちは少数派の無所属プレイヤーに該当しているのだった。


「・・・よく分かりませんが、あの子と話を合わせつつ、フレンド登録すれば良いんですね?そして可能であれば、そのまま宿屋に誘導すると」


「そうだ。上手くいったらご褒美をやるから頑張れよ?」


「ご褒美・・・が、頑張ります!」


「行ってきま-す!」


舞と雫は透矢の『ご褒美』を想像してウットリしつつ、見失わないように少女の後を走って追い掛けて行った。


そして透矢は、そんな2人の後ろを周囲に溶け込むように、ゆっくりと自然な足取りで追うのだった。

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