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第四話 過去とコロッケと関節技

 真白とルナは手を繋ぎながら、商店街の中を歩いていた。

 真白は今年十八歳であることを差し引いても女性の中では長身に入る部類の体格なので、それは一見すると年のそう離れていない姉妹が歩いているようにも見える。しかし見るからにうきうきとした空気を噴出させている真白に比べ、手を引かれているルナは非常に落ち着いた雰囲気であるため、どちらが姉か、と訊かれたら答えに詰まるところだ。

「あれ、真白じゃないかい」

 途中、ルナの買ったコロッケを二人で食べていると、前方の曲がり角から出てきた人物が二人を見かけ声をかけてきた。

 真白たちの通う学園の制服の上から着物を着流しに羽織り、帯で腰辺りを無造作に結んだだけのだらしない格好の女性だった。

「あっ! しっつん!」

 それに気付き、ぱたぱたと手を振る真白に、しっつんこと獅子緒ししおは、のっぺりとした足取りで彼女の下まで歩いてきた。

「どうしたんだい、こんなところで」

「寝坊っ!」

「威張って言ったこっちゃないだろ、それ」

 胸を張って答える真白に、獅子緒は苦笑いを浮かべている。

「そう言うしっつんの方はどうしてこんな時間にここにいんの? 寝坊?」

「あんたじゃあるまいし。あたしは今羽撃んとこからの帰りだよ。兄者あにじゃのお使いで新術式を受け渡しに行ってたのさ」

 羽撃の実家である十百千ともせ神社は、ここ関東においては二つしか存在しない神社の一つだ。神がいなくなったこの時代では、神社や寺院は神を祀り讃える場所ではなく、術式の研究機関兼術式の販売などを行う場所になっている。

 獅子緒の家はあまり裕福では無く、そこへの個人的に開発した術式を『奉納』することで生計を立てている。もっとも、彼女が趣味でやっている市場取引の方が稼ぎはよく、今の財産総額なら三年何もせずに食べていけるだけの蓄えはあるらしい。

「ところで、その子は?」

 獅子緒はそこでルナに意識を向けた。さっきからどうしていいか分からないような雰囲気で、ルナは真白の後ろで佇んでいる。

「ルナだよ!」

「いや、ルナだよって言われても……いや、ルナって確か……」

「うん! あたし達の命の恩人!」

 そこまで言われ、獅子緒はハッとしたような顔になる。そして次にまじまじとルナの顔を舐めるように見る。

「命の恩人って……確か十三年前だよね。あたし達より年下じゃないのかい、あんた?」

「へっ!? あ、はい……」

 はっきりと自分に対して声をかけられ、恥ずかしいのかルナは眼を泳がせる。

「年下なんですけど……年下じゃないと言うか、なんと言うかですね……その……」

 しどろもどろで要領を得ないことを口走るルナの心情を察したのか、獅子緒はもういいよ、と言ってそこで話を切った。

「あたしの名前は獅子緒。真白とコイツの馬鹿兄貴の友人だよ、よろしく」

「あ、ルナです。ルナリア=アルテミル。よろしく」

 互いに名乗りあい、獅子緒はルナに手を差し出す。お近づきの印にまず握手は彼女のスタイルだ。ルナは察し出された手に一瞬戸惑うも、その手をしっかりと握った。獅子緒もその手を力強く握り返した。

「さて、挨拶も済んだことだし、学園に行くよ」

「ええー! 行くの!?」

「え!? 行くって言ってなかったっけ?」

「そんなん裁牙のおっちゃんから逃げる口実に決まってんじゃん」

「裁牙のおっさんも大変だな……」

 獅子緒はやれやれと息を吐く。

 馬鹿言ってないで行くぞ、と真白を促し、学園の方に歩いていってしまった。

「あ、待ってよしっつん!」

 真白は慌ててルナの手を取って駆けていき、獅子緒と一緒に学園まで歩いていく。




(……どうしよう)

 ルナは真白に手を引かれながら、内心ドキドキしていた。

 最初はただ久しぶりに街を見つけたため、好物のコロッケを買って墓参りをして帰るつもりだったのが、そこで真白と出会っていきなり学園に連れて行かれることになるなんて思いもしていなかった。

 これから行く学園で、十三年ぶりに再会するもう一人の人物。

 いったい彼はどんな風に成長したのだろう。素敵な青年になっているのだろうか、それともあの時のまま成長して、今でも誰かを笑顔にしているのだろうか。

 ルナは自分の格好を見る。

 細身ながらもしっかりとした肉付きの自分の体に纏っているのは、毎日洗濯してはいるがもう何十年と変えていない着古したインナーに上着とスカートだけだった。

 それを見て恥ずかしさに赤くなる。

(あの時よりも、格好良くなったのかな)

 最後に分かれるときに、彼は言った。

 いつか必ず合いに行って、その時は絶対に、自分と家族になる、と。

 まだたった五歳の少年が力強い眼で言ったその言葉に、そして最後に見せたやわらかな笑みに、自分がどんな感情を抱いたのかは今でも憶えている。いや、今でもその感情を抱いている。

 そう思って、ルナは自分の顔が熱くなるのを感じた。

 そして冷静に考えてみて、当時にその感情を抱いたのであれば、自分はもしかしてとても危険な部類の人種に当てはまるのではと思ってしまう。

(い、いやいやいや!! そ、そりゃ確かに当時、当時はね! 確かに彼もまだそんな歳ではなかったし、もしかしたら当時、当時は!! 私もそう見られて当然かもしれないけど、あの時のは……そう、友人! 大切な友人として抱いていた感情! だから私はそんなロリだかショタだか言う危険な人種では断じてなくて!)

「がああああ!」

 不意に聞こえてきた真白の悲鳴に、ルナはハッと我に返る。見るといつの間にか自分は恥ずかしさのあまり握っていた真白の腕に思いっきり関節技をかけていた。

「痛っイイ!! お…折れるう~!!」

「それ以上いけない!」

 もうあと一歩で枯れ枝をへし折ったような快音が聞こえる前に獅子緒が間に入って事なきを得る。

「ご、ごめんね真白! ちょっと考え事してて……」

「あいたたた……もう、痛いよルナ」

 真白は決められた左腕を押さえながら苦笑いを浮かべる。

「本当にゴメンね」

「いや、いいよ。私もコロッケ全部食べちゃったのが悪いんだし」


「………………えっ?」


 ルナの声のトーンが二つほど下がった。自分でも出そうとは思っていなかったが出てしまった。

 真白の手を見るとさっきまであと六個は入っていたはずのコロッケの紙袋は折りたたまれて鶴になっている。さらによく見ると自分の手を握っている手は油でギトギトに汚れ、口の周りにはコロッケの衣がびっしりと付いている。すでに目の前の少女はそれだけで女として終わっている感じだった。

「いや、これ風見のコロッケでし、ウチもよく食べるんだけどねってあれルナどうして腕を捻り上げるの―――」

 言葉が終わる前に、ルナの腕は勝手に動き、勝手に少女の腕を決めていた。

「がああああ!」




 オレンジ色の炎が燃え盛る中、森羅はヘラヘラと笑みを作る。

「何だよ何だよ、先生絶体絶命の大ピンチじゃん。これじゃ俺出てきた意味ねぇじゃん。先生倒して終わりじゃん」

「ちょっと」

「ん?」

 呼ばれて振り向いた森羅の眼前にあったのは眩い光の矢だった。

 一瞬時間が止まったかのような沈黙のあと、それを番えていた羽撃は口パクで死ねと言って満面の笑みで弦を放す。引きつった笑顔になった森羅は、速攻で頭を下げてそれを避けた。




 まず見えたのは羽撃が起き上がるところだった。

 リョーヘイは緊張した面持ちで森羅を見ていたが、森羅は後ろの羽撃に向き直る。次の瞬間、羽撃が零距離で森羅の頭にヘッドショットをぶっ放して、森羅がそれを避けた。

 まあそこまではよかった。別によかった。いつも教室内部で見る光景だ。

 森羅が女子の着替え中に教室に入って撃たれ、昼休みに魔界男子四人組スクウェア・フォースがエロゲーのジャンルはどれが至高かを討論していると食事中にうるさいと羽撃に叩き伏せられ、エル君がクラスの女子をモデルにした同人ゲームを作成していて運悪くベッドシーン作成時に羽撃に見つかり持っていたノートパソコンごととんでもないことにされたこともいつものことだ。

 しかし外れた矢がこちらに向かってくるのは完全に予想外だった。

「逃げろーーーーー!!」

 リョーヘイの号令で矢の射線上にいた五人が一斉に飛び退く。流れ弾は四人がいたところに着弾し、盛大に辺りを爆破する。確実に頭部は吹っ飛ばすつもりだったのがよく分かる。

 リョーヘイはすぐに起き上がったが、次の瞬間、目の前にとんでもないものが現れた。

 喜世子だ。

 笑っている、楽しそうに。拳を握っている、めっちゃくちゃ硬く。

 しまった、と思い慌ててメメントモリを振るうが、元々近接格闘用の光刃は緊急時に使用するための予備兵装でエネルギー効率の問題を考慮していない。すでに装填していたライト・カードが底をつき、光刃は展開されていなかった。すぐに体内生成の心力しんりょくで補おうとするが遅く、一発目の拳が顔面に刺さるり、一気に防御エネルギーの二十パーセントを持っていかれる。術式を展開した形跡はない。人間の徒手のみでどうしてこれほどの威力なのか毎度毎度不思議に思う。

 もはや形振りかまわず、リョーヘイは光刃の生成されていないメメントモリをただの鈍器として振るうが、喜世子相手には速度が足らず、振りぬく前に四発の拳の乱打を喰らいリョーヘイは脱落リタイアした。

 さらに喜世子はその近くにいたアンナに飛びかかる。アンナはとっさにその腕を取って技をかけに入るが一歩遅く、逆に力を利用されて風車のように一回転し、伸びきった喜世子の腕に引っ張られて地面に叩きつけられる。背中を思い切りぶつけたため呼吸が一瞬止まり、その直後に喜世子の腹部への一撃で脱落リタイア

 さらに切りかかってきたマキの剣閃を避け、二、三度剣を交えるがやはり喜世子の実力の方が上であり、大きく振りかぶった一瞬の隙に五本急所を突かれて防御エネルギーがゼロになり、マキも脱落リタイア

 そして、そこから少し離れた草むらに隠れていたルーリィにも迫るが、彼女は涙目で両手を挙げて降伏のサインを出す。それで全てが終わった。

 僅か十一秒、羽撃の矢が着弾してからの大逆転劇だった。




「っぶねぇな羽撃!! あにすんだよ、なんでそんなご機嫌が四十五度なんだ!?」

「もう一発喰らわすわよこのアホ!! あんた今何したか分かってないの!!」

「俺の溜まりに溜めたものを羽撃の頭からぶっかけた」

「卑猥な物言いをするなぁ!!」

 顔を真っ赤にしながら『卑猥な』の部分で矢を生成、『物言いをす』で番え、『るなぁ!!』で発射。この間僅か一秒弱。あまりの早業に森羅は避ける間もなく顔面に矢を喰らい吹き飛んだ。

 しかし若干芯がずれていたため、矢は着弾と同時にそれて別の場所を爆破する。

「チィッ! 次は確実に仕留める!!」

「ちょい待ちちょい待ち! お前今女の顔してねぇよ!」

 防御エネルギーを八割失いながらも平然と起き上がる森羅を見て、鬼の形相の羽撃は一瞬条約で禁止されている『対人に対しての戦力上限』のリミッターを本気で外しかける。

「はい、そこまでよ羽撃」

 しかしそれは制止させられた。あと一歩で世界の害虫を駆除できそうなときに横槍を入れられ、半ば女性がするようではない据わった目つきで羽撃は声のほうを見る。

 そこにいた喜世子はやれやれといった感じに頭をかき、

「悔しいのは分かるけど、あんた、自分の鉄鋼機構スチール・フレームのエネルギー見てみなさい」

 そう言われて羽撃は電子画面を展開する。そこには残量ゼロという表記だけがなされていた。

「あんたはさっきので失格、今授業中だからあんたは森羅に攻撃することは出来ない。分かるわよね」

 羽撃は何か言おうとしたがすぐに口をつぐみ、しばらく悔しそうにしていたがやがて息をつく。

「解りました、先生の言うとおりにします」

「ん、よろしい」

 羽撃は疲れたように手を下げる。弦を引いていた右手だけを。

「ぅわおう!!」

 ビュンッ!! と風切り音を立てて矢が森羅の頭上を掠めていった。

「おめぇ今攻撃しないって言ったべ!」

「いやいや、今のは手を順番に下ろそうとしたらなった事故よ事故」

「何で順番に下げんの!? 怖いわ~、ちびりそうに……いや、なんでもない」

「ちびったの!?」

「ば…、違ぇよ! んなわけねぇだろ、ちょっと汗が股間に集中しただけだよ! 断じてちびってねぇからな!」

「だって今……」

「ちびってねぇって! 証拠―――――」

「証拠見せてやるって言ってズボン下ろしたら男として再起不能にするわよ」

 喜世子に釘を刺され、森羅は渋々腰元にかけていた手を下ろした。舌打ち付きで。

「あんたねぇ……」

「だってせっかく合法的に下半身露出できるチャンスだったんだぜ」

「ちびってないことを確認させるために下半身をさらけていいなんて法律はこの世界のどこにもない!」

 喜世子は本気で何かにつけて脱ぎ出すこの馬鹿のタマを潰してやろうかと思ってしまう。水泳の授業でも気付くと海パンを脱いでいるし、保健体育の授業を担当した後輩の日野ひのは泣きながらもうこのクラスを担当したくないと言うほどのことをしでかしたこともある。もちろん後で同じ女性としてクラスの女子勢から制裁を受け、男子勢からは『童顔眼鏡っ子教師という重要枠を泣かした』という意味不明な理由でのリンチを受けた。もちろん自分もやっておいた。男子勢の中で『どんな気分だった』という尋問をしていた奴も危険思想を正すためにやっておいた。

「なあなあ、先生」

 そんな馬鹿の馬鹿な行動の一部始終を思い出していると、馬鹿が口を開いた。

「これって結局どうなんの? 俺の勝ち? それとも先生との一騎打ち?」

 森羅の視線は喜世子の後ろの倒れた三人と涙目のルーリィを見て言っている。確かにさっき喜世子は負けを認めたが、実際には止めを刺される前だったため今こうしている。これはルール的にどうなんだろうと思ったが、さっき止めを刺せと言いはしたが降伏はしていないことを思い出す。

「そうね、続投よ。あたしとの一騎打ちね」

「ええー、マジかよ!」

 森羅は露骨に嫌そうな顔をした。

 喜世子の降伏がどう取られるかは置いておくことにして、この場合、実際生徒側の最後の一人の状況を作り出したのはその生徒側の森羅の撃破によるものではなく喜世子が作り出したことにある。

 生徒同士が潰しあって最後の一人になる、喜世子が生徒全員を倒すという条件の場合、どちらの場合においても必ず生徒側の誰か一人と喜世子が残るように出来ている。その時戦闘続行か否かを決めるのに重要になるのはその状態をどちらが作ったかになる。

 簡単に言ってしまえば喜世子に自分と誰か一人以外を倒させて、自分が残った一人を倒せばその場合生徒側の勝利、一方その逆に自分と誰か一人以外全員倒して決着をつけようとしても、喜世子がどちらかを倒せばその時点で生徒同士の潰し合うという条件は消えてしまうという、やり方しだいではなんとも漁夫の利が目立つ勝利条件なのだ。

 そしてこの場合適用されるのは後者である。

「マジだりぃよ。俺せっかく嫌われ者演じてまでこの授業終わらせようとしたのにさ」

 馬鹿は口を尖らしてブチブチ文句を垂れてくる。

「大丈夫、みんなそんなにアンタの事好きじゃない」

「人間不信になってやるぅ!!」

 涙目になって走っていこうとする馬鹿にイラッと来て、喜世子は空に向かって二、三度発砲して黙らせた。

「あー、もうさっさと始めるわよ。授業時間も後一時間ちょいしかないんだから」

「それなんだけどさ、喜世子センセ」

「なによ」

 始めるといったのにまだごねるように会話を続けてくる森羅に、喜世子はイライラと返答する。しかし次の瞬間、森羅の口から出た言葉に耳を疑った。

「手加減はすっからさ、とりあえず出せるとこまで解放していい?」

 その言葉に、喜世子に羽撃、草むらに隠れたままのルーリィ、さらに意識を取り戻していたリョーヘイ、マキ、アンナもその言葉の意味を理解し目を丸くした。

 あの森羅が面倒くさい戦育の授業で本気を出すと言ったのだ。

「どうゆう風の吹き回し? あんたが本気出したいなんて」

「馬っ鹿だなぁ、本気じゃねぇって。大体俺が自分の意志で力出せねぇの知ってんべ? ただ、いけるとこまででいいから本気出したいってだけだよ」

 じゃあもう本気でいいじゃねぇか! と面倒くさそうな顔で全員にツッコミを喰らう。

 そっか、と森羅は頭をかいて、

「さっき羽撃が撃った矢が頭掠ったじゃん、あんときに思い出したんだよ。ニュースでやってる朝の占術せんじゅつコーナーでさ、『全力で物事に当たればいいことがあるでしょう』って」

 森羅はニカッと笑顔になって、

「それってすっげぇ最高じゃね? ちょっとメンどいの我慢すればいいことがあんだぜ! ちょいリスク、ハイリターンじゃん!」

 笑顔を向けられた喜世子は、この馬鹿の純粋さとポジティブさと馬鹿さとアホさに今一度呆れてしまう。

 まさか本気を出す理由が朝のニュース番組の占術の結果だとは。

 しかし、喜世子はニカッと同じくらいの笑顔を向け、

「面白そうね、一回全力のアンタとやってみたかったのよ」

「おいおい、買い被りすぎんなよ。いくら俺が全力でも先生とじゃまだまだ戦力差ありすぎんぜ」

「大丈夫よ、生徒相手に本気出すなんて大人気ないことしないわ。でも、せめて六十パーセントまでは出させてよね。あんたも威力の方は鉄鋼機構スチール・フレームが耐えられるまでなら好きなだけ出していいから」

「んー……ま、それくらいならいっか」

 アイツ特に考えてないな、と喜世子は思いながらも、今まで授業でおちゃらけているだけだった森羅が本気を出してくれることにどんな理由でも嬉しかったりもした。

「それにしても『好きなだけ出していいから』か……なんて青少年にとって甘美な言葉吐いてんだよ先生。大丈夫、そんなこと言わなくても先生のことはちゃんと意識してっから俺」

「ハハハッ、何を言ってんのかなこの脳内ピンク野郎は」

 喜世子はディバイブ・コンダクターを構え、森羅は両腕のコウテンを胸の前でカチカチと鳴らした。

「見せてもらうわよ。“原初魔術プロト・マギカ”の力を」

「おうよ! この“火炎騒動パラダイスフレア”こと、神凪(かんなぎ)森羅の力、見せてやるぜ!」

どうも!


戦育授業は次話辺りでラストです。次からは世界の解説を入れていくと共に物語が大きく動き出します。


それでは、また次回。

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