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第八話

 取りあえず、話し合う前に依頼を完了させなければいけないので、ゴブリン討伐に行くことになった。

 ちなみにクヤ草は、普段生えているようなサイズに切り取って、半分だけギルドに出すことにした。リコ草は二人に手伝ってもらい、何とかクヤ草(半分)と同じくらいの量を集めた。

 あの時は他の人がいなかったけれど、もし見られていたら大変だっただろうから、今日は危なくなった時以外は何も魔法を使わないで、と言うことをシエナに説明して、指定された場所に向かった。



 私のせいで、迷惑をかけてしまった。

 リコ草とクヤ草。依頼に出されるほど必要とされるものなのに、何故魔法で大量生産しないのだろう、とは考えたけれど、魔法でつくるには魔力がたくさん必要になってしまうものなのかな、と頭の中で片付けてしまっていた。まさか、その魔法がないとは思っていなかった。

 でも、魔法の話を少ししたときに私が知っている魔法とリッカさん達が知っている魔法とでは根本的に違うものだということがわかっていたのだから、それくらいわかって当然だっただろう。やっぱり全部私のせいだ。

 だから、もっと頑張らなきゃなのに、今日は魔法を使っちゃだめだと言われてしまった。私には魔法しかないのに。体力だってないし、魔法以外の得意なこともあまりない。その数少ない得意なことも早口言葉とか全く役に立たないものだったりする。(ちなみに魔法の呪文を言うのに覚えた。)

 というか、ここの知識がないから教えてもらわなければいけなくて、足手まといにすらなっている。どうしよう、と考えていた時、思いついた。

 他の人やリッカさん達に魔法を使ったのを気づかれなければいいんだ!



 ただいま、僕たちは指定された場所に着き、ゴブリンを探していた。なぜか出てくるゴブリンの数が少ない気がするけれど、なんでだろう。

「うーん…」

思わず、声が漏れてしまって、シエナに「どうかしたんですか?」と聞かれてしまった。

「いや、別に悩むほどのことではないっちゃないんだけど…ゴブリン程の魔物ならば一気に出てくれたほうがちゃっと片付けられていいなぁと思って」

それを聞いてシエナは「そうなんですか」と返事をして、黙ってしまった。

 それから数分後。今度は出てくるゴブリンの数が急激に増えた。それでも、一度に五、六匹がそこそこの頻度で出てくるくらいなので、苦戦してはいない。でも、やっぱり疲れてくる。いつもならば。

「…?」

 シエナが来てから依頼を少しの間受けていなかったので、むしろ体力は減っているはずなのだが、全然疲れてこない。むしろまだ体力が余っているくらいだ。

「なぁ、兄ちゃん…」

 不思議に思っていると、リキが話しかけてきた。

「どうかした?」

「いやー…別に悪いものじゃないんだけどさ、シエナ、多分今魔法かけてる気がする。俺たちに。」

 そう言われて、腑に落ちた。

 確かに、根本的に違う魔法ならばこんなこともできるのかもしれない。このくらいならば、他の人に気づかれることもないし、ここで咎める必要はないだろう。ゴブリンの数がおかしくなっているのは…それも魔法なのだろう。たぶん。だいぶゴブリンを討伐したし、無理しなくても良いよ、といったけれど自分も役に立ちたいと言って、ゴブリンの耳を顔をしかめながら切り取ってくれているシエナに声をかけて、ギルドに向かうことにした。


「すごい採ったんですね…」

受付嬢に薬草二つを渡しながら、驚かれつつゴブリンの耳も渡す。受理されて報酬をもらった後、僕たちは帰路へと着いた。

「さてと…」

三人で席に着いたところで、僕が話し出そうとした時、突然シエナが小さく口を開いた。

「今、この家に誰か侵入しているかもしれません。」

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