第七話
いつもよりは短めです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
シエナがうちに来て、一週間が経った。
そして、最初の頃から少し変化が起きた。
シエナ本人が言うには、なんだか精神が幼くなっていたのが少しづつもとに戻り、今は元の年齢よりは幼いけれど、一二歳ぐらいの感覚になっていると言うこと。もともと身体と違って精神は、あまり幼くならずに、十歳くらいになっていたが、もとに戻るのも早いらしい。ちなみに身体の方は、少し背が伸びたように感じた。
記憶については、やはりまだ戻りきっていないらしく、少しづつ取り戻してはいるものの完全にもとに戻るには時間が必要だと思う、とのことだった。
あんなこんなでいろいろあったが、そこそこあった貯金が少なくなってきた。このままではまずいので、ギルドの依頼を受けてお金を稼ぎに行こうとしたのだが、シエナが「私も行ってみたいです」と言ったので、せっかくだからシエナのギルド登録もしようということになった。
ギルドの大きな門をくぐり、受付のところまで行き、「一人分登録をお願いします」と受け付け嬢に頼む。一通りの情報を聞かれ、最後に魔力を流すように言われたのだが、シエナはきょとんとしていて、そういえばシエナが知っている魔法と僕らが知っている魔法は少し違うものだったことを思い出した。どうしよう、と内心慌てつつ、「魔力を通してみたら?」というと、どうやらうまくいったようで登録することができた。ランクは、一番最初のGランクからだ。
その後には、ギルドで僕らが普段受けるものより少し低レベルの依頼を受けて、森に向かうことにした。
「わぁ…!」
森について、周りを見渡しているシエナを横目に、僕は依頼書を見つめた。依頼内容は、Fランクの薬草採取で、クヤ草とリコ草を取ってくるというもの、もう一つはEランクのゴブリン討伐である。
報酬なども眺めていると、シエナがひょこっと覗き込んできた。
「このクヤ草とリコ草ってどんなのですか?」
と聞かれたので、取りあえず探してから実物を見せて説明することにした。
「クヤ草は少し日陰になっている木の根元に生えていることが多いよ。リコ草は…あった。少し開けた日なたのところによくあるかな。」
特徴やにた植物などを説明しながら、ぷちっと取ろうとした時、シエナが止めてきた。
「ちょっと待ってください」
するとシエナはクヤ草をするりと撫でるように手を滑らせながら、よくわからない単語を呟いた。リコ草も同じようにしたあと、「いけるかな…」といいながら収納魔法で杖、とよんでいたものを取り出した。
…収納魔法、教えていなかったけれど、なぜ使えるのだろうか。それとも、別の魔法なのだろうか。
シエナに「使う部位とかありますか?」と聞かれ、特にないよ、大体根以外は全部使う、と言ったら、「わかりました」と返事が返ってきた。
「ちょっと離れててください」
「?わかったよ」
シエナが、自身の身長より大きい杖を掴んで支える。
「……………………」
何か言っているようだけれど、うまく聞き取れず、よくわからなかった。なんだろうと考えていた時、突然その杖についている宝石のようなものが緑に光った。それから、シエナがその杖を軽く傾ける。すると、その杖の先からザザーッと音を立ててクヤ草がシュルシュルと生えるように出てきていた。
「…!ちょっと待って!ストップ!」
どんどんでてくるクヤ草を呆然と見つめていたけれど、はっとなって止めた。
「え…あ…す、すいません…」
「いや、怒ってはないんだけど…」
…どうやら、シエナが知っている魔法と、僕らが知っている魔法の違いについて、ちゃんと理解しなきゃいけないみたいだ。
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