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第2話 ア・フェリシダージ(幸せ)
そんなバートは、ある日、有名パーティから破格の待遇で誘いを受けた。
ボッサに相談すると、彼はあっさりと、そこに行けといった。
「おまえの実力なら、きっと上手くいくよ」
「でも…」
「おまえは良い魔法士だから、遅かれ早かれこうなると思ってたよ」
「またギルドの差し金じゃないですか」
「嫌われてるから? そうかもしれないが、それでも行くべきだな」
「……」
「妙な情けはいらないさ。オレなんて金と女と冒険が好きなだけのバカ男だけど、おまえらみたいな若いヤツのおかげでここまで来れた。だからこういうときは笑って送り出してやりたいんだ」
「オレ、頑張ります」
「今生の別れってワケでもないんだから、また酒でも飲もうや」
そうして、バートはボッサから去り、ボッサは別の新人と組むようになった。
ところが、その新人とのクエストで、ボッサは死んでしまったのである。
バートは、激しく後悔した。