パープルシャドウはブラックアメジストを愉しむ
クリームソーダ後遺症に悩み苦しむ人々が、理性を奪われガチャ回しに走り、クリームソーダグッズ作りに奔走する中────咫尺天涯戦隊ヒョウリュウジャーに、裏切りものがいるという噂が流れた。
「アイツ⋯⋯フロート派に鞍替えするなんてユルサナイ」
裏切り者には制裁を──でもね、まず真実を確かめる必要がある。私たちミステリアスガールは、クリームソーダを愛するものを愛する。そのためにもグリーンのこれまでの軌跡を辿ってみる事にしたの。
優しいエメラルド姉さまの願いもあるわ。ヒョウリュウグリーンの中の人と姉さまは強い因果で結ばれていたから⋯⋯。憧れのエメラルド姉様を独占しようだなんて、消されても文句言われないはずよ。
「チェリーさん、まだ駄目よ。可愛さ余って憎さ千倍にパワーアップするのは、アップルまで話してからよ」
「わかっていますわ、サファイア姉さま⋯⋯」
────これは私たちパープルシャドウの復讐の物語になるかもしれない。結局◯リキュアに引っ張られたのかしら。あれは正義の味方が悪を古市ぼっこにする話だったかしら。
あら、誤変換ね。古市違いで、どこかのコメンテーターが叩かれたわ。慣れてらっしゃるでしょうし、見なかった事にしておきましょう。
「サファイア姉さま、中の人の名前が出ちゃてます。あとお仕置きするのなら月の戦士が適任ですわ」
「そうね。喫茶ガチャには、私たちを星に冠していたものもあったわね」
裏切り疑惑のある男。彼はヒョウリュウジャーの一員、名はグリーン。ヒョウリュウグリーンと呼ばれる者だわ。飄々としていそうで、実は緑の衣を纏う、濃茶のような熱く苦い者。
あんこいちってお名前、私たちには、こいちゃって発声しがちなのよ。安古市なんてやめて辻堂濃茶になさいな。老舗感満載で美味しそうよ。
「お姉さま、覆面が剥がれて中の人がまたも丸見えです。プロレスはあえて知らないふりをして上げるのがマナーだそうです」
「そうなのね。でも所詮は漂流者でしょう、どうでもいいわ」
「あぁ、さすがサファイア姉さま。相変わらず漂流者には眼中にないのですね」
「そうね。それに私の優しさでもあるのよ? こいちから、漂い流す濃い血の暗示を露骨に表現しては、美しくないもの」
辻が花の伝統技法が安土桃山をピークに自然消滅へと向かったように、漂流者が消されない事を祈るばかりね。安心して、漂流者。幻の染めは、辻が花模様としてより繊細に、復活を果たしているのだから。
湖池屋なら古茶って読めて、似てるから恥かかないで済んだのよ。しょっぱいポテチにクリームソーダは無限ループまっしぐら。猫まっしぐらはカルカンだったかしら。
しょっぱいのと甘いのは、とても相性いいの。カロリー? そんなの私たちには関係ないわ。沈みやすくなっていいじゃない。
辻堂湖池屋‥字面が締まらないから駄目ね。却下よ却下。喜びなさい、漂流者。恥をかかされた罰として、ギルティポイントを加算してあげるから。
「姉さま、大変です。わたし──漂流者に熱愛宣言されてます」
「はぁ? 私の大事なチェリーさんに? 漂流者、許すまじ。ロコス」
「ロゴスみたいで格好良いです、サファイア姉さま」
そう⋯⋯彼は私たちの声を聞いたのか、漂流者を名乗り、クリームソーダのてっぺんチェリーにこだわる面倒臭い男になった。嬉しいような嬉しくないような、どうせ沈むのだから、そこは別にこだわらなくていいじゃんって思ったのよ。
『俺はてっぺんチェリーにこだわる、そして缶詰チェリーしか認めん!』
──なんて堂々と、どうでもいい事を叫ぶのかしら。そして様々なクリームソーダに、難癖をつけて飲みまくるの。お腹チャプチャプひょうたん島よ。漂流したがる変わり者に、ギルティポイントと島流しの刑をプレゼントをするわ。
チェリーさんだけは、ご満悦だったわね。てっぺんチェリーこそ理想⋯⋯そんな落とし文句を熱く語り公言されて、靡かないチェリーはいるかしら。いないわよね。
それにしても面倒臭いわねアイツ⋯⋯超面倒臭いし、しつこいの。てっぺんチェリーを求めて、火星で三千里マラソンでもすればいいわ。
苦味走る良い男は黙って濃茶じゃなくて、コーヒーを飲むものよ。濃茶の緑は黴なんじゃないの? 至高じゃなくて思考に黴を生やしてる。
えっ⋯⋯と、もしかしてまだ若いの? それはごめんなさい。そうね、思考に黴は、私たちも表現が古かったわね。反省するわ。漂流者の年齢『「なつかし堂」へようこそ!! ~あなたの思い出もよみがえる・・・かも?』 から、勝手に推測したわ。
あっ、もし私たちの間違いではないのなら、ギルティポイント三倍よ。赤い人仲間の彗星さんから、若さ故の過ちを、凄惨に精算する許可はもらっているから。
でもね⋯⋯漂流者は、クリームソーダを愛する信心深さをみんなに愛されているの。
悔しいわね、赤でも青でもなく緑を愛するなんて。チェリーさんも幸せそう。
でもエメラルド姉様なら仕方ない。美しいものは私も好き。みんなが幸せなら、私に出る幕はないわ。
それなのに────漂流者はアップルに浮気したの。チェリーだけを愛していると勘違いさせた罪は重い。ギルティポイントはカンストよ。ヒョウリュウカーはエンストよ。
⋯⋯ここまでが漂流者の、グリーン最初の裏切りの一幕。私たちパープルシャドウも、最初から怒っていたわけじゃないのがわかって?
「私たちが、チェリーよバニラよと、甘やかしたのがいけないのかしら」
「そんなことないよ。シナモン効かせたアップルに靡くなんて、クリームソーダ界の誰も想定してなかったもの」
「せめてチェリーパイなら、可愛げあって弄り甲斐があったのに」
チェリーさんは悲しみの余り、レロレロ男に走ってしまった。私は知ってる。チェリーなのに情熱のベリーダンスを覚えたのも、熱愛に応えるためだったのよ。チェリーさん可愛いい所あるでしょう?
私たちの怒りが新たなるクリームソーダを誕生させた理由が少しは伝わったかしら。予兆はあった。咫尺天涯戦隊ヒョウリュウジャーとなって、日々戦い漂流して過ごす内に忘れ去られた過去。
忘れもしない2024年10月のある日の事だった。生まれたばかりのクリームソーダの器を、壊したの。ミッドナイトパープル‥‥私たちは過去に破壊された事で誕生した。
あれはグリーンからの挑発状。
あれは未来を確定させる予兆。
あれは私たちの魂を割る行為。
好き勝手に漂流し、私たちの不倶戴天の敵のフロートにまで手を出す始末。チェリーさんも乗っていない上に、てっぺんに栗すらない、マロンチャイクリームフロート。
許せない。
許せない。
許せない⋯⋯⋯⋯。
クリームソーダを愛するものの怨念の教えは、再び炭酸の海に消えた。
そして私の予感は当たった。漂流者として正義はヒョウリュジャーの‥‥ヒョウリュウグリーンにあるのかもしれない。
しかし例え怒りと負の感情に任せ悪の道に堕ちようとも、グリーン‥‥貴方だけは凍れる地獄のグラスの底に沈めてみせる。
もともと正しく進めないから漂流しているグリーンに、正義なんてない────そんな言葉が聞こえてくる。そんなの無視よ、無視。虫の声など聞こえないの。
貯まったギルティポイント。使わないと勿体ないもの。カンストどころか天元突破。お仕置きレベル全部乗せだわ、キャハハ!!
レベル1:お近くの◯オンで、チェリーを熱唱しながらガチャガチャを回す。ガチャがなければエアガチャ回しね。
レベル2:チェリー缶投げ放題の的役。ダークチェリー1号缶(3060g) が、一撃のダメージ高くてオススメよ。
レベル3:ブラッドオレンジクリームソーダ、デス・ソースシロップ入り、キャロライナ・リーパー乗せね。
※ 甘いのばかりと文句言うグリーンが咽び泣いて喜ぶクリームソーダを創造主に頼んで作ってあげたわ。甘くないのだから、しっかり味わいなさいな。
イラスト提供:澳 加純神
レベル4:ヒョウリュウグリーン入りクリームソーダ。てっぺんマンチニールの実の刑だわ。
レベル5:パープルシャドウ特製ブラックアメジストのお仕置きクリームソーダ チェリー・ボム付きよ。私たちの創造主がすでに製造済よ。
澳 加純神様⋯⋯早い、そして殺◯気満々だわ。素敵過ぎる。
イラスト提供:澳 加純神
正義を語る悪の新緑のグリーンは、秋らしく紅葉のレッド⋯⋯は被るので、大好きなマロンブラウンの泥沼カラーに染めてあげたわ。
やはりには貴方は、泥沼に沈むのがお似合いよ。赤のストローソードでも吸い込みきれないくらいの、ネバネバの納豆入りよ。
────私たちはヴィランの道へ進む。
正しき悪を懲らしめるパープルシャドウ⋯⋯いい娘ちゃんばかりではいられないのよ。赤と青を怒らせるとどうなるのか、これでわかったかしら?
ブラックアメジストのお仕置きクリームソーダ チェリー・ボム付きを味わいたければ、いつでも呼んでちょうだい。
お読みいただきありがとうございます。
「辻堂安古市」様を探せクイズ。木山花名美さまのクリームソーダ盛々話のように、漂流者様への愛を散りばめて、散ってもらいました。
澳 加純様からFAをいただきました。感想欄から誕生した『ヴァイオレット様特製ブラックアメシストのお仕置クリームソーダ』です。美しい紫と、可愛らしいチェリー・ボム。禍々しさもあって、一撃必殺の味、是非ご賞味下さい。
FAは、さっそく作品に使わせていただきました。
※ 追記分、二杯目のクリームソーダの掲載に合わせて加筆しました。加純様、感謝です。
※ 掲載されているイラストの著作権は作者さまにあります。自作発言やSNS無断転載・無許可掲載は禁止です。