1、私は…
もしも、私が…特別な人間だったのなら…、それはどんなことよりも嬉しかっただろう。
ある意味、私は特別な人間である。
また、ある意味、普通の人間である。
私は特殊な力を持って生まれ、裕福な者の娘だった。
誰だったかは覚えていない。
とにかく、東国東国小夜に城を建てられるくらい裕福だった。
私は、全ての見たもの、聞いたものを覚えられ、いろいろな人に期待された。
そんな私の人生は全て父親に決められていた。
十四になるまではずっと、城にこもっていた。
正確には外に出してもらえなかった。
趣味は書物を読むこと、勉学に勤しむことだった。
まあ、大半は取り上げられたけど。
私の十六の誕生日、私は暗殺された。
いや、暗殺ではない。
自分の父親の命令で領地の視察に行った時、嫉妬に駆られた平民に刺殺されたのだ。
そうだ、私は…着物を着ていた…。
だが、今はどうだろうか。
いかにも裕福、という重いドレスを着ている。
私は、小夜ではない。
私は…今の私は、ライリティア・シュノック・アノンツィツェ。
私は、大陸の三大国家、シュレンティー帝国のアノンツィツェ公爵の唯一の娘だ。
小夜だった頃は考えがつかないを髪色していて…
ライリティア・シュノック・アノンツィツェ…?
すごく聞き覚えが…。
鎖国にも関わらず紛れ込んでいたあのすごく綺麗な本だ!
題名は覚えてないけど、話の内容は覚えている。
ライリティアは私が小夜だった頃と似ている。
とにかく自由が…ない。
もう一度生を得たんだ!
今度こそ自由奔放に生きてやる!
「ライリー。起きたか?」
「はい、起きました」
「今日の日課は侍女に伝えてある。聞いておけ」
「いやです。なぜあなた方に私の日課が管理されないといけないのです?」
「は?」
兄に思いっきり肩を掴まれ力を入れられる。
「お前は、刃向かってはいけないのだ。絶対に」
ライリティアって、今は6,7歳くらいだよね?
ってことはさ、子供に暴言を吐く兄って…
「お兄様、なぜなのですか?」
「お前が…いや、なんでもない。忘れてくれ」
どうしたのだろうと、私は首を傾げた。




